税務ニュース2020年03月13日 法人税・消費税申告期限延長の可能性は(2020年3月16日号・№827) 現時点では一律延長の動きなし、理論上は法法75条+通則法11条で可能
周知のとおり、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、国税庁は申告所得税(及び復興特別所得税)、贈与税及び個人事業者の消費税(及び地方消費税)の申告期限・納付期限を4月16日(木)まで延長したが、企業や税理士等の実務家の間では、法人税や(法人の)消費税の確定申告期限は延長されないのか、関心が高まっている。
3月決算法人の確定申告期限までにはまだ時間があるが、新型コロナウイルス騒動の収束まで予想以上に時間を要するようであれば、決算作業にも大きな影響が出るだろう。3月3日に行われた日本公認会計士協会の手塚会長の記者会見では、「今後感染症が拡大し、2月期決算、3月期決算の作業が遅滞した場合には、定時株主総会を含む全体のスケジュールが影響を受ける事例も出てくるのではないか」との話も出ている。法定期日通りに法人税の確定申告を行うことが困難となる企業が出て来ても不思議ではない。今のところ法人税及び法人税申告と密接に関連する消費税の確定申告期限を一律に延長する動きはない。ただし、「個別」に両税の確定申告期限を延長すること自体は理論上可能と考えられる。
まず法人税については、決算作業に遅れが生じている企業が、法人税法75条(確定申告書の提出期限の延長)に基づき、「やむを得ない理由」によるものとして個別に確定申告書の提出期限の延長を申請すれば、これが認められる可能性はあろう。ちなみに、確定申告期限の延長申請は、事業年度終了の日の翌日から「45日以内」とされる(法法75条②)。
一方、消費税については、上記申告所得税、個人事業者の消費税等の申告期限・納付期限延長の根拠となった国税通則法11条、同施行令3条2項により、個別に確定申告期限を延長することが可能と考えられる。これは、東日本大震災の際に国税庁が明らかにしたQ&A([Q2]個別指定による期限の延長)からもうかがえる。
なお、法人税法75条に基づき確定申告期限の延長を行った場合、延長期間については利子税がかかる一方(法法75条⑦)、国税通則法11条に基づく確定申告期限の延長では利子税が免除される(国税通則法63条②、64条③)。
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