会社法ニュース2025年02月28日 実質株主透明性向上に向けコード改訂へ(2025年3月3日号・№1065) 機関投資家は投資先企業からの求めに応じて株式保有状況の説明を
「スチュワードシップ・コードに関する有識者会議」(座長:神作裕之学習院大学法学部教授)が2月26日に開催され、スチュワードシップ・コードの改訂案を了承した。
今回の改訂では、大量保有報告制度における「共同保有者」の範囲の明確化を含む改正金融商品取引法も踏まえつつ、「コーポレートガバナンス改革の実践に向けたアクション・プログラム2024」(「スチュワードシップ・コード及びコーポレートガバナンス・コードのフォローアップ会議」意見書(7))において改訂の必要性があるとの指摘があった実質株主の透明性向上及び協働エンゲージメントの促進に向けた見直しが行われている。
実質株主の透明性向上では、「機関投資家は、投資先企業との間で建設的に対話を行うために、投資先企業からの求めに応じて、自らがどの程度投資先企業の株式を保有しているかについて企業に対して説明すべき」とするとともに、「投資先企業から求めがあった場合の対応方針についてあらかじめ公表すべき」旨が明記された(コード指針案4−2)。現行、大量保有報告制度の適用対象となる場合を除き、企業が実質株主を把握するための制度は存在しないため、企業から機関投資家に対話を申し入れることを容易にするという観点から、コードに明記することとした。また、協働エンゲージメントの促進に関しては、現行の「機関投資家が投資先企業との間で対話を行うに当たっては、単独でこうした対話を行うほか、必要に応じ、他の機関投資家と協働して対話を行うこと(協働エンゲージメント)が有益な場合もあり得る」との記載を、「他の機関投資家と協働して対話を行うこと(協働エンゲージメント)も重要な選択肢である」旨を追加するとともに、「対話のあり方を検討する際には、投資先企業の持続的成長に資する建設的な対話となるかを念頭に置くべきである」としている(コード指針案4−6)。
そのほか、今回の改訂では、「プリンシプルベース・アプローチ」の原点に立ち返り、その趣旨を徹底する観点から、例えば、策定・改訂時から一定期間が経過し実務への浸透が進んだ箇所等を削除・統合・簡略化するなど、スリム化・プリンシプル化が図られている。ただし、削除・統合・簡略化された箇所に関し、その趣旨の重要性が否定されるわけではないとしている。
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