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税務ニュース2025年07月25日 ピラー2から米国除外のG7声明が波紋(2025年7月28日号・№1084) OECD以外の国が「セーフハーバーの恒久化」に同意するかは不透明

  • G7がピラー2の措置(所得合算ルール及びUTPR)を米国に適用しない旨の国際合意。米国における報復条項の成立を回避したことは大きな成果であるものの、包摂的枠組みに参加している140余りの国が、米国にミニマム税を適用しないための「セーフハーバーの恒久化」に同意するかは不透明。

 米国独立記念日の7月4日、トランプ大統領の署名により「One Big and Beautiful Bill Act」が成立したが、そこには下院・上院で承認された当初の法案に盛り込まれていた「報復条項」はなかった。この条項は、欧州の「デジタルサービス税」やグローバルミニマム税(ピラー2)のための「軽課税所得ルール」(UTPR)など、米国が不公正とみなす税制を導入している外国の企業や個人に対して、米国の通常の税率に毎年5%ずつ、最大15%を上乗せして課税するためのものだが(本誌1077、1078号参照)、著名な多国籍企業によるロビー活動のかいもあってか、G7は6月28日に突然声明を出し、独自のミニマム税を持つ米国にはピラー2の措置(所得合算ルール及びUTPR)を適用しない「G7国際合意」を発表するに至った。これに伴い、米国の報復条項の成立は最終段階で回避された。
 では、この“ディール”をどのように評価すべきだろうか。報復条項の成立という事態をG7国際合意によって緊急回避したことは大きな成果と言える。OECDの事務総長は6月28日のG7声明と同日にこれを歓迎するコメントを発表し、欧州委員会の報道官は7月1日の記者会見で、①G7合意は暫定的、②現在ある2025年末までのセーフハーバーを恒久化するだけなので、EUのピラー2指令の変更は不要−−と述べている。ただ、包摂的枠組みに参加する140余りの国が、米国にミニマム税を適用しないためのセーフハーバーの恒久化に同意するかは現時点では不明だ。OECD以外の国からは、自国の意見が尊重されていないと感じるところが出てきても不思議ではない。
 2025年7月17・18日に南アフリカで開催されたG20財務大臣・中央銀行総裁会議では、トランプ政権発足後では初めて、正式な共同声明(コミュニケ)が採択された。声明では、OECDによるピラー2の実施に関する懸念に引き続き取り組む姿勢が示された。世界で最も多くの多国籍企業を抱える米国をあからさまに適用除外としたことで、ピラー2はもはやグローバルな制度ではなくなったとの指摘もある。今後、G7合意を受けた制度を具体化していくにあたっては、多国籍企業の意見に耳を傾ける必要があるだろう。

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