会計ニュース2025年07月25日 非化石価値、制度変更踏まえ取扱い変更(2025年7月28日号・№1084) ASBJ、親会社が子会社等に非化石価値を融通する場合も「需要家」に

  • バーチャルPPAの会計処理案は、公表時の非化石価値取引制度に基づき、需要家が自己使用目的で非化石価値を購入することを前提としているが、制度変更で親会社が調達した非化石価値を子会社や関連会社へ融通可能に。
  • ASBJは制度変更後も親会社は実務対応報告の「需要家」に該当する旨を明確化。

 企業会計基準委員会(ASBJ)は5月30日まで意見募集を行っていたバーチャルPPA(電力購入契約)の会計処理を示した実務対応報告「非化石価値の特定の購入取引における需要家の会計処理に関する当面の取扱い(案)」に対して寄せられたコメントについて検討を行っている。
 実務対応報告案は、公表時の非化石価値取引制度に基づき、需要家が自己使用目的で非化石価値を購入することを前提として会計処理を示している。しかし、その一方では、制度上、グループの親会社が調達した非化石価値をグループ内の子会社等に融通したいとの要望を踏まえ、例外的な取扱いを認めるか否かの検討が行われており、親会社の口座で管理された非化石価値を子会社も利用可能とする制度変更案が示されていた。
 この点については、実務対応報告案の公表後、経済産業省の方で制度変更がなされ、最終的に非化石価値を取得した会社の子会社だけでなく、関連会社についても融通することができる対象となったため、実務対応報告についても一部見直しを行うこととしている。
 具体的には、需要家である親会社の口座で管理された非化石価値をその子会社又は関連会社も利用可能となり、親会社が子会社又は関連会社のために非化石価値を購入した場合であっても、当該親会社は需要家として取り扱うこととする。また、親会社とその子会社又は関連会社との間の取引については、両者の合意内容に基づき会計処理を行うことができるとしている。なお、子会社又は関連会社への融通を「転売」として扱わない旨も明確化する。
 そのほか、非化石価値の定義の明確化も行われる方向。実務対応報告案に対して、「エネルギー供給事業者によるエネルギー源の環境適合利用及び化石エネルギー原料の有効な利用の促進に関する法律」(高度化法)における「非化石エネルギー源」の定義と矛盾するとの指摘が寄せられているからだ。このため、定義規定(実務対応報告案第3項)について、非化石価値が再生可能エネルギー源に由来するものであることを明確化する。

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