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解説記事2025年12月22日 SCOPE 富裕層への課税、30億円から6億円に引下げへ(2025年12月22日号・№1104)

教育資金一括贈与は令和8年3月末で廃止
富裕層への課税、30億円から6億円に引下げへ


 令和5年度税制改正で導入された富裕層に対する課税だが、令和8年度税制改正では、課税の対象が現行の30億円から6億円程度に引き下げられることになった。ガソリンの暫定税率の廃止に伴う財源措置とするもの。また、令和7年末に適用期限を迎える住宅ローン減税については、適用期限を5年間延長するとともに、既存住宅に係る借入限度額を拡充する。
 NISAのつみたて投資枠は対象を18歳未満に拡大する一方、教育資金一括贈与に係る贈与税非課税措置は令和8年3月末で廃止されることになる。

住宅ローン減税は5年間延長、既存住宅に係る借入限度額を拡充

 令和8年度税制改正における所得税関係では、ガソリンの暫定税率の廃止に伴う財源措置の1つとして、富裕層に対する課税(極めて高い水準の所得に対する負担の適正化の見直し)の見直しが行われる。具体的には、特別控除額を現行の3.3億円から1.65億円に引き下げるとともに、税率を現行の22.5%から30%に引き上げる。したがって、「(合計所得金額−特別控除額(1.65億円))×30%」で算定した金額が通常の所得税額を上回る場合に限り、差額分を申告納税することになる。現行制度では、年間所得がおよそ30億円から課税されているが、6億円程度に引き下がることになる。
 なお、合計所得金額とは、株式の譲渡所得のみならず、土地建物の譲渡所得や給与・事業所得、その他の各種所得を合算した金額となる。スタートアップ再投資やNISA関連の非課税所得は対象外となる。令和9年分の所得から適用される。
 令和7年末に適用期限を迎える住宅ローン減税については、適用期限を5年間延長し、令和12年入居分までとする。既存住宅に係る借入限度額を拡充(表1参照)。子育て上乗せ措置の対象範囲を省エネ基準適合以上の既存住宅にも拡充する。また、省エネ基準適合以上の既存住宅の控除期間を10年間から13年間に拡充する。

 そのほか、既存住宅も床面積要件を40㎡に緩和。ただし、合計所得金額1,000万円以下とする所得要件は変更しない。
110万円の贈与税の非課税枠見直しはなし
 また、NISAのつみたて投資枠を拡充する(表2参照)。現行制度では18歳以上としているが、「0~17歳」についても対象とする。ただし、年間投資枠は60万円とし、非課税保有限度額は600万円とする。18歳未満ということになれば、NISAを行う資金は両親や祖父母からの贈与ということになるが、110万円の非課税枠を見直すことは想定されていない。

 なお、18歳以上になった場合には、自動的に現行制度に移行し、非課税保有限度額は1,800万円に拡大される。
 今回の改正では、18歳未満のつみたて投資枠が拡充される一方、教育資金一括贈与に係る贈与税非課税措置は、適用期限である令和8年3月31日で廃止される。ただし、令和8年3月31日までに拠出された金銭等は、引き続き同特例を適用することができる。

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