コラム2026年01月12日 年頭所感 年頭所感 財務省主税局長 青木孝德(2026年1月12日号・№1106)
年頭所感
財務省主税局長 青木孝德

令和8年の新春を迎え、謹んで新年のご挨拶を申し上げます。昨年12月26日に「令和8年度税制改正の大綱」を閣議決定しました。今回の改正では、物価高への対応や「強い経済」の実現など現下の経済情勢を巡る課題、租税特別措置の適正化や税負担の公平性の一層の確保など税制の構造上の課題の解決に取り組んでまいります。
まず、物価上昇局面における対応として、CPIに連動して2年毎に、所得税の基礎控除等を引き上げる仕組みを創設します。また、就業調整への対応、物価高で厳しい状況にある中低所得者への配慮として、幅広く基礎控除の上乗せを実施します。
さらに、「強い経済」を実現するため、新たな設備投資促進税制により、高付加価値化型の設備投資を支援します。
一方で、租税特別措置は的を絞り、メリハリを明確にしていきます。研究開発税制は、AI・量子・バイオ等の戦略技術分野の研究開発を重点的に促進するとともに、研究開発投資の増加や国内の研究人材・研究開発拠点の強化を促す見直しを行います。また、賃上げ促進税制は、既に高水準の賃上げを実施している大企業は対象外とし、中堅企業には一層の賃上げを促す見直しを行います。
また、税負担の公平性の一層の確保に向けて、いわゆる「一億円の壁」への対応として極めて高い水準の所得に対する負担の更なる適正化を図るとともに、国内外の事業者のイコールフッティングのため国境を越えて行われる電子商取引について消費税の適正化を行います。
防衛力強化の裏付けとなる安定財源を確保するため、防衛特別所得税(税率1%の付加税)を創設します。併せて、足下で家計負担が増加しないよう、復興特別所得税の税率を1%引き下げます。
このほか、インボイス制度導入に係る経過措置の見直し、自動車関係諸税の見直し、国際観光旅客税の税率の引上げなど、多岐にわたる改正を盛り込んでいます。
新しい年が皆様にとってご多幸の年となりますよう心から祈念して、新年のご挨拶とさせていただきます。
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