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解説記事2026年03月30日 法令解説 企業内容等の開示に関する内閣府令等の改正(2026年3月30日号・№1116) -サステナビリティ開示基準の適用、人的資本開示の拡充、総会前開示の促進に向けた対応 等-

法令解説
企業内容等の開示に関する内閣府令等の改正
-サステナビリティ開示基準の適用、人的資本開示の拡充、総会前開示の促進に向けた対応 等-
 金融庁企画市場局企業開示課 開示企画調整官 鳥屋尾大介
 金融庁企画市場局企業開示課    課長補佐  中里拓也
 金融庁企画市場局企業開示課      係長  水島達哉
 金融庁企画市場局企業開示課      係員  中村拓巳

一 はじめに

 2026年2月20日に「企業内容等の開示に関する内閣府令及び特定有価証券の内容等の開示に関する内閣府令の一部を改正する内閣府令」(令和8年内閣府令第5号。以下本内閣府令を「一部改正府令」、企業内容等の開示に関する内閣府令を「開示府令」、特に一部改正府令による改正後の開示府令を「改正開示府令」という。)が公布・施行された(脚注1)。併せて「企業内容等の開示に関する留意事項について(企業内容等開示ガイドライン)」が改正され(以下「開示ガイドライン」といい、特に本改正による改正後の開示ガイドラインを「改正開示ガイドライン」という。)、同日から適用された(本改正の概要は、図表1を参照)。

 今般の一部改正府令は、
・金融審議会サステナビリティ情報の開示と保証のあり方に関するワーキング・グループ(以下「SWG」という。)の「中間論点整理」(脚注2)(2025年7月17日公表。以下「中間論点整理」という。)における提言を踏まえ、サステナビリティ基準委員会(以下「SSBJ」という。)が作成・公表した開示基準(以下「SSBJ基準」という。)の適用開始に向けた環境整備を図ること
・近年、企業の中長期的な成長を実現していく上で、「人への投資」を促進していくことへの関心が高まっており、人的資本開示の充実を図る必要性が生じていること
・有価証券報告書の定時株主総会前の提出(以下「総会前開示」という。)の促進 等
について、制度的対応を行うことを目的とするものである。
 本稿では、一部改正府令の概要について、パブリックコメントに対する金融庁の考え方なども踏まえて解説する。なお、本稿において、意見にわたる部分については、筆者らの個人的見解であることをあらかじめ申し添えておく。

二 改正の概要

1 サステナビリティ開示基準の適用開始に向けた環境整備
(1)改正前の制度の概要

 2023年1月の開示府令の改正(脚注3)により、有価証券届出書及び有価証券報告書(脚注4)に「サステナビリティに関する考え方及び取組」の項目が新設され、同年3月期の有価証券報告書から同項目の記載が求められている。この時点における具体的な記載事項は、全ての提出会社を対象に、
i サステナビリティ関連の「ガバナンス」及び「リスク管理」を記載
ii サステナビリティ関連の「戦略」及び「指標及び目標」については、各提出会社が重要性を判断して記載
iii ただし、人的資本については、「戦略」として「人材育成方針」や「社内環境整備方針」を記載し、「指標及び目標」として当該方針に関する指標の内容や当該指標による目標・実績を記載することとされていた。
 加えて、提出会社及びその連結子会社が、女性の職業生活における活躍の推進に関する法律等に基づいて「女性管理職比率」、「男性育児休業取得率」、「男女間賃金差異」を公表している場合には、これらの情報を有価証券報告書の「従業員の状況」の項目に記載することとされた。
(2)改正の背景
 「サステナビリティに関する考え方及び取組」の項目における記載内容は、基本的には各提出会社がそれぞれの重要性に応じて判断することとされており、比較可能性の観点から課題があった。また、提出会社によって開示の分量や内容の深度等に幅があり、創意工夫により充実した開示を行っている例もある一方で、極めて簡素な開示にとどまっている例も認められたところである。そのため、比較可能性の向上と投資者に有用な情報を提供するとの観点から、統一的な基準によるサステナビリティ情報の開示を求めることが適当であると考えられる。
 この点、国際サステナビリティ基準審議会(以下「ISSB」という。)から、2023年6月に、サステナビリティ関連の情報開示に関する包括的なグローバル・ベースラインとなるISSB基準が公表され、南米、アジア・オセアニア等の各国において、ISSB基準の適用に向けた動きが進展することが見込まれている。
 そして、我が国においては、2025年3月に、ISSB基準との機能的な整合性が確保されたSSBJ基準が公表されているところである(脚注5)。
(3)中間論点整理におけるSSBJ基準の適用対象会社・適用開始時期の考え方
 中間論点整理においては、適用対象会社の範囲について、以下のような考え方が示されている。
・東京証券取引所プライム市場(以下「プライム市場」という。)上場会社の株式時価総額が圧倒的に大きく、グローバルな投資家との建設的な対話を志向する当該市場の上場会社にとってサステナビリティ情報が重要な対話のテーマの一つとなっている
・東京証券取引所全上場会社の株式時価総額の合計の7割超を占める株式時価総額1兆円以上のプライム市場上場会社までをSSBJ基準の適用対象とすることで、我が国全体としてISSBの「法域ガイド」(脚注6)にいう「ISSB基準が完全に導入された状態」が達成されたと言い得ると考えられる
・他方、株式時価総額1兆円以上のプライム市場上場会社の数は限定的で、投資ユニバースという観点からはやや不十分。株式時価総額5,000億円以上のプライム市場上場会社については、外国人株主保有比率が高いこと、EUでの開示対応を求められる場合もあること等から、早期にSSBJ基準の適用に向けた道筋を付けるべき
 また、その適用時期については、以下のような考え方が示されている。
・EUにおけるサステナビリティ開示制度との関係上、2028年3月期にはサステナビリティ情報の第三者保証制度を導入することが適当である一方、開示基準の適用開始については、保証制度の導入に先行させるべき
・プライム市場上場会社の中にも、現行制度に基づくサステナビリティ情報開示への対応状況に差があることや、提出会社によってリソースに相当ばらつきがあることを踏まえ、株式時価総額の規模に応じて段階的に適用していくことが合理的
 以上を踏まえ、中間論点整理においては、プライム市場上場会社のうち、 
・株式時価総額3兆円以上の会社については2027年3月期
・株式時価総額3兆円未満1兆円以上の会社については2028年3月期
・株式時価総額1兆円未満5千億円以上の会社については2029年3月期
からSSBJ基準の適用を開始することを基本としつつ、株式時価総額1兆円未満5千億円以上の会社の適用開始時期については、国内外の動向等を注視しつつ、引き続き検討し、2025年中を目途に結論を出すことが適当とされたところである。
(4)改正の内容
 ① サステナビリティ開示基準の適用義務化

イ 適用対象
  改正開示府令では、(3)の中間論点整理の提言を踏まえ、その公表時点でSSBJ基準の適用開始時期が確定していた株式時価総額1兆円以上のプライム市場上場会社を適用対象会社としており、株式時価総額1兆円未満5千億円以上のプライム市場上場会社への適用については、今後予定される制度整備にて対応する予定である。
  このように、まずは株式時価総額1兆円以上のプライム市場上場会社を対象に制度整備を進めることとしたのは、株式時価総額3兆円以上のプライム市場上場会社の適用対象期が2026年4月から開始することから、十分な準備期間を確保するために早期に制度的枠組みを整備することが適当とのSWGでの議論(脚注7)を踏まえたものである。
  具体的には、金融庁長官が指定する取引所金融商品市場(東京証券取引所プライム市場を告示指定(脚注8))にその発行する株券等を上場する会社(脚注9)のうち、平均時価総額が1兆円以上のものに対し、「一般に公正妥当と認められるサステナビリティ情報の作成及び開示に関する基準」(後述のとおりSSBJ基準を告示指定)に従って、有価証券報告書における「サステナビリティ関連記載事項」(改正開示府令第19条の9第4項。端的には、改正開示府令第二号様式等の「サステナビリティに関する考え方及び取組」に記載する事項を意味する。)を記載することを義務付けることとした(改正開示府令第19条の9第1項)。なお、適用対象外の提出会社においても、当該基準の任意適用が可能である(改正開示府令第19条の9第2項)。
  このように、各提出会社は「平均時価総額」によって、SSBJ基準の適用の有無を判断することになるところ、「平均時価総額」については、前掲のISSBの「法域ガイド」において、主要な株式指数銘柄の時価総額全体に対するサステナビリティ情報開示が強制されている企業の株式時価総額の割合の過去5年間の平均値を各法域におけるISSB基準の導入状況の判断指標の一つとしていることに加え、提出会社の予見可能性を確保する観点も踏まえて、次のように算定することとしている(改正開示府令第19条の9第3項)。
i 有価証券報告書を提出しようとする日が上場日以後5事業年度(直前事業年度(脚注10)を除く。)を経過している場合には、直前事業年度の前事業年度の末日及び当該前事業年度の開始の日前4年以内に開始した事業年度の全ての末日における株券等の時価総額の合計を5で除して得た額(2027年3月期の有価証券報告書を例にとると、2022年3月31日、2023年3月31日、2024年3月31日、2025年3月31日、2026年3月31日の時価総額を合計し、5で除して得た額の意)
ii i以外の場合には、上場日以後に経過した事業年度(直前事業年度を除く。)の全ての末日における株券等の時価総額の合計を当該経過した事業年度の全ての末日の数で除して得た額(2023年10月1日を上場日とする会社の2027年3月期の有価証券報告書を例にとると、2024年3月31日、2025年3月31日、2026年3月31日の時価総額を合計し、3で除して得た額の意)
  ここで、前述の「上場日」は株券等が金融商品取引所に上場する有価証券(脚注11)に該当することとなった日を指し、「株券等の時価総額」は、取引所金融市場(脚注12)における時価総額(脚注13)を指しており、いずれもプライム市場におけるものに限定していない。そのため、「平均時価総額」の算定対象期間中に、提出会社が他の市場からプライム市場に市場区分を変更している場合には、当該他の市場における時価総額も算定の対象となる。また、「平均時価総額」の算定対象期間中に、提出会社が他の上場会社を吸収合併するなど組織再編を行っている場合には、吸収合併消滅会社の時価総額も算定対象となる(改正開示ガイドライン5−2−2参照)(脚注14)。
ロ 一般に公正妥当と認められるサステナビリティ基準について
  前述の「一般に公正妥当と認められるサステナビリティ情報の作成及び開示に関する基準」については、サステナビリティ情報の作成及び開示に関する基準についての調査研究及び作成を業として行う団体であって、一定の要件を満たすものが作成及び公表を行ったサステナビリティ情報の作成及び開示に関する基準のうち、金融庁長官が定めるものがこれに該当することとしている(改正開示府令第19条の9第5項)。これを受け、開示府令の改正と併せて、SSBJが本年2月20日までに公表している次の3つの基準を告示指定している(脚注15)。
 ・サステビリティ開示ユニバーサル基準(サステナビリティ開示基準の適用)(以下「適用基準」という。)
 ・サステナビリティ開示テーマ別基準第1号(一般開示基準)(以下「一般基準」という。)
 ・サステナビリティ開示テーマ別基準第2号(気候関連開示基準)
ハ 外国会社への適用について
  外国会社がイの適用対象会社に該当する場合にも、SSBJ基準に従ってサステナビリティ関連記載事項を記載する必要がある。他方、外国会社については、ISSB基準又はこれをベースとした自国の基準に基づいて、自国においてサステナビリティ情報の開示を行っていることも想定される。
  そのため、金融庁長官が認める場合には、
 ・SSBJ基準と整合的な外国の基準
 ・ISSB基準
 ・ISSB基準と整合的な外国の基準
 についても、一般に公正妥当と認められるサステナビリティ情報の作成及び開示に関する基準とみなすことができ、これらの基準に基づきサステナビリティ関連記載事項を記載することができることとした(改正開示府令第19条の9第6項)。
  この点、内国会社が適用する基準については、SSBJ基準のみとしている。これは、一の市場において適用されるサステナビリティ開示基準については、比較可能性を確保する観点から単一の基準とすることが適当であり、かつ、海外におけるサステナビリティ開示制度への対応を要する企業があることを踏まえると、ISSB基準との機能的な整合性が確保されているSSBJ基準の適用を求めることが適当と考えられるためである(脚注16)。
 ② 二段階開示
 有価証券報告書において、SSBJ基準に準拠した情報開示を行うに当たっては、提出会社による連結子会社も含む対応状況の把握やリソースの確保等のために一定の時間を要し、特に適用初期の段階では対応に苦慮する提出会社があることも予想される。そのため、改正開示府令では、経過措置として、SSBJ基準の適用開始年度及びその翌年度については、SSBJ基準に従って記載すべきサステナビリティ関連記載事項を有価証券報告書に記載しないことができ、その場合には、それぞれの翌期の半期報告書の提出期限までに、当該事項を記載した訂正報告書を提出すること(二段階開示)を可能としている(一部改正府令附則第2条第2項)。
 二段階開示を行うに当たっては、まず一段階目の有価証券報報告書に二段階開示の適用を受けている旨等を記載した上で、訂正報告書においては、次のいずれかの方法でサステナビリティ関連記載事項を記載することが考えられる(脚注17 18)。
i 有価証券報告書に記載した事項を含め、SSBJ基準に従って記載すべきサステナビリティ関連記載事項の全てを訂正報告書に記載する方法
ii 訂正報告書において、SSBJ基準に従って記載すべきサステナビリティ関連記載事項の一部が有価証券報告書に記載されている旨及びその具体的な記載箇所を明示し、有価証券報告書に記載した事項そのものについては、改めて記載しない方法
 なお、二段階開示を行うに当たり、SSBJ基準との関係で留意すべき事項は以下のとおりである。
 まず、i、iiのいずれの場合であっても、SSBJ基準への準拠表明(後述)については、訂正報告書において行う必要があると考えられる(脚注19)。
 次に、SSBJ基準上求められている「公表承認日」(サステナビリティ関連財務開示を公表することを承認する権限を有する社内の機関又は個人が公表を承認した日)(脚注20)は、訂正報告書に記載することになるものと考えられる。
 また、一段階目の有価証券報告書においてSSBJ基準に従って記載した事項について、二段階目の訂正報告書の公表承認日までの間に後発事象が生じた場合には、訂正報告書において記載内容の更新又は発生した事象及び状況に関する情報の開示を行う必要がある(脚注21)。このことから、上記ⅱの方法による二段階開示は、後発事象が生じていない場合に行われることを想定している。
 ③ 「サステナビリティに関する考え方及び取組」の項目の記載事項
イ SSBJ基準の適用対象会社の場合(改正開示府令第二号様式記載上の注意(30)a)
  必ずしも法令上の用語ではないものの、SSBJ基準を適用する提出会社は、強制適用会社(改正開示府令第19条の9第1項)、任意適用会社(改正開示府令第19条の9第2項)又は早期適用会社(一部改正府令附則第2条第1項ただし書)に区分されるものと考えられる。また、前述の二段階開示やSSBJ基準上の経過措置(適用初年度においてはScope3温室効果ガス排出量に関する定量情報(以下「スコープ3定量情報」という。)を開示しないことができるなど)の適用の有無によって、提出会社によりSSBJ基準の適用状況が異なることとなる。
  そのため、投資者に混乱が生じないようにする観点から、有価証券報告書の「サステナビリティに関する考え方及び取組」の冒頭において、SSBJ基準の適用状況に関する以下の事項を記載した上で、SSBJ基準上開示が求められる事項を記載することとしている。
・SSBJ基準に準拠している旨
・開示府令第19条の9第1項と第2項のいずれの規定の適用を受けるものかの別
・二段階開示の適用を受けている場合には、その旨及び翌期の半期報告書の提出期限までにSSBJ基準により開示することとされている事項を記載した訂正報告書を提出する旨
・SSBJ基準に基づく経過措置の適用を受けている場合には、その旨並びにその根拠となる規定及び内容
  なお、SSBJ基準に従って記載すべき事項は、同基準に準拠して記載した部分を明確にすることや比較可能性を確保することに加え、今後制度化が予定されている第三者保証の範囲を明確にする観点から、原則として、「サステナビリティに関する考え方及び取組」の項目に記載することが適当と考えられる。ただし、例えば、SSBJ基準(一般基準)に基づく人的資本に関する事項と「従業員の状況等」の項目に記載すべき事項との間に重複が生じる場合には、参照文言を付した上で、「従業員の状況等」の項目においてその内容を記載することも否定されるものではないと考えられる(開示ガイドライン5−14、24−10参照)(脚注22)。
ロ SSBJ基準を適用しない提出会社の場合(改正開示府令第二号様式記載上の注意(30)b)
  SSBJ基準を適用しない提出会社の記載事項は、改正前の開示府令から変わっておらず、前述の(1)i及びiiの事項を記載することとなる。
ハ 共通記載事項(改正開示府令第二号様式記載上の注意(30)c)
  SSBJ基準の適用対象であるかどうかにかかわらず、改正前の開示府令から求められていた前述の(1)iiiの人的資本に関する事項については、その中長期的な企業価値の評価にとっての重要性に鑑み、引き続き記載する必要がある。
  ただし、SSBJ基準の適用対象会社が同基準に従って記載した人的資本に関する内容に前述の(1)iiiの人的資本に関する内容が含まれる場合には、同一の内容を重ねて記載する必要はないこととしている。
 ④ 「主要な経営指標等の推移」の項目の記載事項(改正開示府令第二号様式記載上の注意(25)h)
 前述のとおり、SSBJ基準の適用の有無は、株式時価総額によって判断されることとなるため、有価証券報告書に提出会社の株式時価総額に関する情報が記載されることは、利用者利便の観点からも、提出会社における管理上の観点からも望ましいといえる。
 このため、提出会社がその発行する株券等をプライム市場に上場している場合には、最近6事業年度の末日における株券等の時価総額及び平均時価総額(いずれも前述の改正開示府令第19条の9第3項の規定によるもの)を注記することとしている。
 ⑤ スコープ3定量情報の虚偽記載等に係るセーフハーバーに関連する制度整備
イ 記載事項の追加
  SSBJ基準の適用に当たり、有価証券報告書にスコープ3定量情報が記載されることとなるが、スコープ3定量情報は、提出会社の統制の及ばない第三者から取得した情報であるとともに、見積りによる算出も想定されるなど、相対的に不確実性が高いという特性がある。また、不確実性が高いという意味では、将来に関する事項も同様であるから、改正開示府令では、スコープ3定量情報と将来に関する事項について、次の記載を求めることとしている(脚注23)(改正開示府令第二号様式記載上の注意(1)k、(30)d)。
 i 将来に関する事項が含まれる旨及び当該事項は当連結会計年度末現在において判断したものである旨(スコープ3定量情報については記載不要。)
 ii 記載した内容が事後的に異なるものとなる可能性がある場合には、その旨及びその要因
 iii 記載に当たり前提とされた事実及び仮定並びに推論過程
 iv 情報の入手経路の確認を含む記載内容の適切性を検討し、評価するための社内の手続(開示に対し責任を有する機関又は個人について、その名称又は役職名及び役割を含む。)
ロ 開示ガイドラインの改正
  イに記載したスコープ3定量情報の性質を踏まえ、開示ガイドラインにおける虚偽記載等の責任に関するセーフハーバーの対象となる情報に、従前の将来に関する事項に加えて、スコープ3定量情報を追加することとした(脚注24)。
  具体的には、有価証券報告書に記載すべき重要な事項について、一般的に合理的と考えられる範囲で具体的な説明(脚注25)が記載されている場合には、スコープ3定量情報が事後的に誤りであることが判明し、又は見積りの方法により算出した数値についての確定値が判明したときにおいても、虚偽記載等(重要な事項について虚偽の記載があり、又は記載すべき重要な事項若しくは誤解を生じさせないために必要な重要な事実の記載が欠けていること)の責任を負うものではないとする考え方を明確化している(改正開示ガイドライン5−16−2、24−10)。
 ⑥ 半期報告書における確定値の開示
 スコープ3定量情報等、SSBJ基準において開示が求められる数値は、直接モニタリングする方法で測定する直接測定のほか、合理的な方法による見積りの方法を使用した測定も認められている。
 改正開示府令では、有価証券報告書に見積りの方法によって算定した数値を記載した場合において、その後、当該数値に係る確定値が判明し、当該数値と当該確定値とに差異があるときは、翌期の半期報告書において、当該差異の状況及び当該差異が生じた理由を記載することができることとしている(脚注26)(改正開示府令第四号の三様式記載上の注意(9−2))。

2 人的資本に関する開示の拡充
(1)改正の背景

 人的資本は、企業が中長期的な価値を向上させていくために極めて重要な要素であり、人的資本の開示の充実を図ることは、投資者が中長期的な企業価値を評価するための重要な施策であると考えられる。
 現状の開示府令における人的資本開示は、1(1)に記載したとおりであるが、SSBJ基準の個別開示基準としては人的資本開示の基準が定められていないこと、また、SSBJ基準の適用対象会社であるか否かにかかわらず、人的資本開示の充実を図ることが投資者保護に資すると考えられることを踏まえ、開示府令において人的資本に関する新たな記載事項を定めることとした。
 なお、人的資本開示の拡充については、「新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画2025年改訂版」等(脚注27)においても指摘されているところである。
(2)改正の内容
 改正開示府令では、まず、従前有価証券報告書の上方(「第1【企業の概況】」の5)に記載されていた「従業員の状況」の項目を下方(「第4【提出会社の状況】」の5)に「従業員の状況等」として移動し、当該項目を「(1)【人材戦略に関する基本方針等】」と「(2)【従業員の状況】」に分けた上で、主に人的資本に係る定性的情報の拡充を図る観点から、新たに以下の事項について記載を求めることとしている。
i 企業戦略と関連付けた人材戦略
ii iを踏まえた従業員給与等の額及び内容に関する決定方針
iii 従業員の平均給与の対前年比増減率
 iについては、連結子会社ごとに記載を求めるものではなく、開示府令第二号様式の「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」の項目に記載した連結会社全体としての経営方針・経営戦略等と関連付けて、連結会社全体としての人材戦略について記載を求めるものである。
 iiについては、提出会社が連結会社全体の方針についてまで関与しないことも考えられることや、連結会社全体の方針についてまで記載を求めた場合の負担にも配慮し、提出会社に係るものに限定した記載も可能としている。ただし、提出会社が主として子会社の経営管理を行う会社である場合には、提出会社に加えて、最大人員会社(外国会社を除く連結子会社のうち、従業員数が最も多い会社(当該会社の従業員数が連結会社の従業員数の過半数を超えない場合には、次に従業員数の多い会社を含む。))の方針も記載することとしている(脚注28)。
 なお、「人材戦略に関する基本方針等」の項目に記載される内容としては、基本的には従業員給与等の待遇面に関連するものを想定しているが、「サステナビリティに関する考え方及び取組」の項目に記載される内容との間で重複が生じることも考えられる。その場合には、投資者の理解の向上の観点からより望ましいと考えられる項目にまとめて記載した上で、もう一方の項目に参照文言を記載することも可能である(改正開示府令第二号様式記載上の注意(30)c、(58−2)c)(脚注29)。
 また、iiiについては、定量情報の記載を求めるものであるが、これは、従業員給与等の額及び内容の決定方針がどのように平均給与に反映されているのかを時系列で確認する上で有用であると考えられる(脚注30)。提出会社が主として子会社の経営管理を行う会社である場合には、最大人員会社についても、従業員数、平均年齢、平均勤続年数、平均年間給与(賞与を含む。)及び平均年間給与の対前年比増減率を記載する必要がある(脚注31 32)。
 その他、使用人のみを対象としたストックオプション制度や役員・従業員株式所有制度を導入している場合には、これらの制度の概要を、「第4【提出会社の状況】」の「1 株式等の状況」に代えて、「5【従業員の状況等】」において記載することもできることとしている。

3 総会前開示の促進に向けた対応
(1)改正の背景

 株主総会の招集に当たり、株式会社は、株主に対し、会社法上の事業報告や計算書類を提供しなければならないとされている(会社法第437条、第325条の3)。これに加え、上場会社等については、有価証券報告書の総会前開示を進めることが、株主との建設的な対話の促進のために有用であると考えられる。
 この点、我が国の上場会社(3月決算会社)における総会前開示の割合は2024年3月期では1.8%と低い水準であったところ、2025年3月28日に行われた金融担当大臣の要請後の2025年3月期は57.7%と著しい向上がみられたところであり、こうした流れを一層促進していく必要がある(脚注33)。
(2)改正前の株主総会に関わる開示事項の概要
 提出会社が総会前開示を行う場合であって、当該有価証券報告書に記載した事項等が定時株主総会又はその直後に開催が予定される取締役会の決議事項になっているときは、それぞれ該当する箇所において、その旨及びその概要を記載する必要があるとされていた(開示府令第三号様式記載上の注意(1)g)。
 加えて、
・総会前開示の実施の有無にかかわらず、株主総会において決議事項が決議された場合(開示府令第19条第2項第9号の2)
・総会前開示を行った場合において、有価証券報告書に記載した定時株主総会の決議事項が修正又は否決されたとき(開示府令第19条第2項第9号の3)
には、臨時報告書を提出する必要がある。
(3)改正の内容
 ① 有価証券報告書における決議事項の記載について

 (2)のとおり、別途臨時報告書の提出が求められることも踏まえ、改正開示府令においては、総会前開示を行う場合の開示負担を軽減することを通じて、総会前開示を促進する観点から、総会前開示を行った場合における定時株主総会又は取締役会の決議事項に係る記載事項を、投資者にとって特に関心が高いと考えられる自己株式の取得及び剰余金の配当に関する事項に限定することとした(改正開示府令第三号様式記載上の注意(1)g)(脚注34 35)。
 ② 半期報告書における「大株主の状況」及び「議決権の状況」の記載について
 実務においては、議決権行使及び剰余金の配当に係る基準日(会社法第124条第1項)を決算日と同日とすることが一般的であるが、総会前開示を進めるに当たっては、議決権行使に係る基準日を後倒しした上で、総会開催日を後倒しする方策が有効と考えられる。その場合、併せて、剰余金の配当に係る基準日に加え、実務上中間会計期間の末日に設定されている中間配当に係る基準日も後倒しする対応も考えられる。
 このような場合における開示負担を考慮し、従前、中間会計期間の末日時点の状況を記載することとされていた半期報告書における「大株主の状況」及び「議決権の状況」について、中間配当に係る基準日現在の状況を記載することができることとした(改正開示府令第四号の三様式記載上の注意(15)a、(16)a)。

4 適用開始時期
 改正開示府令のうち「1 サステナビリティ開示基準の適用開始に向けた環境整備」に係る各条項は、原則として2028年3月31日以後に終了する事業年度に係る有価証券報告書から適用することとしている。
 ただし、2026年3月31日以後に終了する事業年度の末日を基準として、5事業年度の末日における時価総額の合計を5で除して得た額(脚注36)が3兆円以上となるプライム市場上場会社については、2027年3月31日以後に終了する事業年度に係る有価証券報告書から適用することとなる(有価証券報告書につき、一部改正府令附則第2条第1項、第8項。図表2参照)。

 また、改正開示府令のうち、「2 人的資本に関する開示の拡充」及び「3 総会前開示の促進に向けた対応」に係る条項は、2026年3月31日以後に終了する事業年度に係る有価証券報告書から適用することとしている(有価証券報告書につき、一部改正府令附則第2条第6項)。
 なお、「1」から「3」までのいずれについても、一部改正府令の施行日以後に提出される有価証券報告書について、早期適用することも可能である。

5 その他の主な改正事項
(1)特定有価証券に係る半期報告書の提出期限延長申請に係る手続規定の整備

 特定有価証券に係る半期報告書の提出期限延長申請について、従前存在しなかった手続規定を整備することとした(特定有価証券の内容等の開示に関する内閣府令第28条の2)。
(2)株式転換条項の付された社債券に係る解釈の明確化
 株式転換条項の付された社債券について、あらかじめ定められた条件に基づき株式を発行・交付する場合には、「有価証券の募集」・「有価証券の売出し」には該当しない旨、開示ガイドラインにおいて明確化することとした(改正開示ガイドライン2−4−1、2−11)。

三 おわりに

 本改正が、有価証券報告書における非財務情報の開示の充実や総会前開示の促進につながり、もって投資者保護や投資家との建設的な対話に寄与することを期待したい。

脚注
1 一部改正府令等の内容については、金融庁「『企業内容等の開示に関する内閣府令及び特定有価証券の内容等の開示に関する内閣府令の一部を改正する内閣府令』等の公布及びパブリックコメントの結果について」(2026年2月20日公表)を参照。(https://www.fsa.go.jp/news/r7/shouken/20260220/20260220.html
2 金融審議会「『サステナビリティ情報の開示と保証のあり方に関するワーキング・グループ』中間論点整理の公表について」(2025年7月17日公表)(https://www.fsa.go.jp/singi/singi_kinyu/tosin/20250717.html
3 企業内容等の開示に関する内閣府令及び特定有価証券の内容等の開示に関する内閣府令の一部を改正する内閣府令(令和5年内閣府令第11号)
 金融庁「『企業内容等の開示に関する内閣府令』等の改正案に対するパブリックコメントの結果等について」(2023年1月31日公表)(https://www.fsa.go.jp/news/r4/sonota/20230131/20230131.html
4 有価証券届出書の記載様式は開示府令第二号様式であり、大きく、勧誘対象の証券に関する情報と企業情報で構成される。有価証券報告書の記載様式は開示府令第三号様式であり、その記載内容は、基本的に第二号様式の企業情報に係る「記載上の注意」を準用する方法で定められている。本稿では、便宜上、有価証券報告書のみに言及する一方、様式中の「記載上の注意」については、必要がある場合を除き、開示府令第二号様式のもののみに言及することとする。
5 SSBJウェブサイト(サステナビリティ開示基準)(https://www.ssb-j.jp/jp/ssbj_standards.html
6 ISSBが2024年2月に公表した、各法域がISSB基準と機能的な整合性が確保された基準に基づくサステナビリティ開示制度を導入するに当たっての指針。「法域ガイド」では、公的説明責任のある企業(PAE)の全て又は大半(all or most)に対して、ISSB基準又はISSB基準と機能的な整合性が確保された基準を適用した状態をもってISSB基準が完全に導入された状態と捉え、各法域における導入プロセスを2029年末までに完了すること等を求めている。
7 2025年10月30日のSWG第9回会合
8 企業内容等の開示に関する内閣府令第十九条の九第一項に規定する取引所金融商品市場を指定する件(令和8年2月20日金融庁告示第2号)
9 法令上は特段明記していないが、有価証券報告書を提出しようとする日の属する事業年度の直前事業年度の末日(2027年3月期の有価証券報告書を例にとれば、2027年3月31日)時点で株券等がプライム市場に上場されている会社を意味している(金融庁「『企業内容等の開示に関する内閣府令の一部を改正する内閣府令』(案)等に対するパブリックコメントの概要及びコメントに対する金融庁の考え方」(2026年2月20日)(以下「パブリックコメントに対する金融庁の考え方」という。)No.12、No.13参照)。
10 有価証券報告書を提出しようとする日の属する事業年度の直前事業年度(2027年3月期に係る有価証券報告書の場合は、2027年3月期)の意。
11 特定上場有価証券(いわゆるプロ向け銘柄)を除く(金融商品取引法第24条第1項第1号参照)。
12 特定取引所金融商品市場(いわゆるプロ向け市場)を除く。
13 各事業年度の末日における時価総額は、東京証券取引所が公表している各事業年度の末日における終値に発行済株式数(自己株式含む)を乗じて算出することとなる(パブリックコメントに対する金融庁の考え方No.14~No.16参照)。
14 その他、他の会社を完全子会社化している場合のほか、提出会社が新設合併設立会社又は株式移転設立完全親会社である場合の算定方法について明確化している。
15 企業内容等の開示に関する内閣府令第十九条の九第五項に規定するサステナビリティ開示基準を指定する件(令和8年2月20日金融庁告示第3号)
16 パブリックコメントに対する金融庁の考え方No.32~No.37参照。
17 パブリックコメントに対する金融庁の考え方No.73、No.74参照。
18 二段階開示の適用を受ける場合の二段階目の訂正報告書の記載内容は本文のとおりであるが、一段階目の有価証券報告書の記載内容については、次のように考えられる。
 まず、後述のとおり、改正開示府令第二号様式記載上の注意(30)cによる人的資本に関する情報は、SSBJ基準の適用の有無を問わず、有価証券報告書に記載されることとなる。
 次に、人的資本以外のサステナビリティ事項につき従来ベースの内容を記載しておく必要があるかどうかについては、「中間論点整理」で示されたように「既に制度上定められている記載事項は一段階目の有価証券報告書において引き続き開示」することも考えられる。もっとも、改正開示府令第二号様式記載上の注意(30)a(c)の記載事項としてどのサステナビリティ事項につき二段階開示を行うのかという点が記載され、実際に当該情報が訂正報告書に記載されれば、一段階目と二段階目の開示をトータルでみることにより、その提出会社にとって必要なサステナビリティ事項が開示される状態を確保でき、投資者に誤解を与えることはないと考えられるため、必ずしも従来ベースのサステナビリティ情報を有価証券報告書に記載する必要はないと考えられる(パブリックコメントに対する金融庁の考え方No.73参照)。
19 適用基準第79項
20 適用基準第70項
21 適用基準第71項、第72項
22 パブリックコメントに対する金融庁の考え方No.42、No.43、No.46参照。
23 なお、スコープ3定量情報の記載箇所は基本的に「サステナビリティに関する考え方及び取組」となるが、将来に関する事項の記載箇所は多岐にわたることが考えられるため、将来に関する事項についての本文中iからivまでの事項については、投資者に誤解を生じさせない範囲において、将来に関する事項の記載箇所を特定した上で、一定程度、集約することができるとしている。
24 なお、金融審議会「ディスクロージャーワーキング・グループ報告」(2025年12月26日公表)において提言された、非財務情報のうちの将来情報、統制の及ばない第三者から取得した情報、見積り情報に係るセーフハーバー・ルールについては、今後、制度整備を検討。
25 説明事項としては、本文中イのiからivまでの事項が考えられる。
26 なお、かかる記載事項は、「中間論点整理」の「次年度に提出する有価証券報告書を待たずに、早期に確定値の更新を行いたいという企業側のニーズもあり得ることから、事業環境の大幅な変化があった場合など概算値と確定値との差が大きくなるような場合には、これを自主的に開示できるような枠組を検討するべきではないかとの意見があった。(略)金融庁において、半期報告書等を利用した自主的な開示の枠組を検討するべきである」との提言に対する制度的対応として追加したものである。
27 「新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画2025年改訂版」(2025年6月13日公表)
 (https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/atarashii_sihonsyugi/pdf/ap2025.pdf
「経済財政運営と改革の基本方針 2025~「今日より明日はよくなる」と実感できる社会へ~」(2025年6月13日公表)
 (https://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/cabinet/honebuto/2025/2025_basicpolicies_ja.pdf
「コーポレートガバナンス改革の実質化に向けたアクションプログラム2025」(2025年6月30日公表)
https://www.fsa.go.jp/singi/follow-up/statements_8.pdf
28 パブリックコメントに対する金融庁の考え方No.143、No.144参照。なお、この場合、必ずしも提出会社と最大人員会社における従業員給与等の決定方針を明確に区分して記載する必要はなく、提出会社と最大人員会社をカバーできるような記載がされていれば足りると考えられる。
29 パブリックコメントに対する金融庁の考え方No.127~No.134参照。
30 なお、業績の影響等により、給与等の額及び内容の決定方針と実際の平均年間給与の推移とに差異が生じることも考えられるが、その場合には、必要に応じてその旨を注記することも考えられる(パブリックコメントに対する金融庁の考え方No.174、No.175参照)。
31 最大人員会社の決算日が提出会社と異なる場合には、従業員数等について、提出会社の決算日時点の情報を収集する方法や最大人員会社の決算日時点の情報を記載する方法などが想定されるが、各企業におけるデータ集計の容易さ等を勘案し、適切な方法により開示することが考えられる(パブリックコメントに対する金融庁の考え方No.171参照)。
32 最大人員会社の従業員数を記載するに当たり、臨時従業員が相当数以上ある場合、従業員の人員に著しい増減があった場合、労働組合との間に特記すべき事項等があった場合の取扱いは、提出会社の従業員数の記載における取扱いと同様とすることが考えられる。
33 金融庁「有価証券報告書の定時株主総会前の開示について」参照。
https://www.fsa.go.jp/policy/kaiji/sokaimaekaiji.html
34 今回の改正により、例えば役員選任議案に係る決議について有価証券報告書での開示が不要となるが、総会前開示を行った場合において、定時株主総会又はその直後に開催される取締役会を経て役員の異動が生じたときの手続は、以下のとおり。
・臨時報告書の提出(開示府令第19条第2項第9号(代表取締役の異動)、第9号の2(株主総会における決議))
・半期報告書の「役員の状況」の開示
 ただし、当該役員の異動について、総会前に開示する有価証券報告書に任意に記載した場合であって、その者が予定通り選任されたときは、開示府令第19条第2項第9号に基づく臨時報告書の提出及び半期報告書の「役員の状況」の開示は不要と考えられる(パブリックコメントに対する金融庁の考え方No.184、No.185参照)。
35 金融庁「有価証券報告書を定時株主総会前に提出する場合の留意点」(2026年2月20日更新)
https://www.fsa.go.jp/policy/kaiji/sokaimaekaiji_ryuuiten20260220.pdf
36 直前事業年度を除き、上場日から5事業年度を経過していない場合には、別途の算定方法が定められている。

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