税務ニュース2026年06月19日 最高裁、外国通貨取引の為替差益で判決(2026年6月22日号・№1127) 取得した外国通貨等の円換算額が「収入すべき金額」(所法36①)に
本件で争点となっていたのは、外国通貨で他の種類の外国通貨を取得する取引や外国通貨で同一通貨建ての有価証券を取得する取引により為替差益に係る所得が生ずるか否かという点であった。
この点に関し最高裁第三小法廷(林道晴裁判長)は令和8年6月16日、為替差益に係る所得が生じているという判断を示したうえで、納税者側の上告を棄却する判決を下した。本件では最高裁が口頭弁論を開催したことから、納税者敗訴となった原審判決が見直されるのか否かに大きな注目が集まっていたところ(本誌1122号10頁参照)、結果としては納税者敗訴の結論に変わりはなかった(納税者敗訴とした原審の判断の結論を是認)。
最高裁は、居住者が外国通貨により他の種類の外国通貨又は同一の外国通貨建ての有価証券を取得する取引を行った場合には、それらの取引を行った日の属する年分の所得の金額の計算上、それらの取引時における他の種類の外国通貨の金額又は有価証券の価額の円換算額が「収入すべき金額」(所法36①)となると解するのが相当であると判断したうえで、円換算額から支払に用いた外国通貨を得るのに要した金額等を控除した金額がその取引に係る所得の金額となると結論付けた。
なお、本件では、林道晴裁判官ら3名の裁判官の補足意見が付されている。具体的にみると、為替差益の所得実現時期や外貨建取引に係る収入すべき金額、必要経費等を定める明文の規定がなく、これらを所得税法36条1項等の一般的な解釈適用に委ねている現状は租税法律主義の観点から望ましくないと指摘した。そのうえで補足意見では、所得税法独自の観点から、為替差損益に係る課税の在り方について、「収入すべき金額」、収入すべき権利、具体的な所得の計算方法等の在り方、例外的取扱いを認めるのであればその要件や内容について抜本的に検討し、必要な法的な手当てを講じていくことが強く望まれているというべきであるとした。今後はこの指摘が税制改正につながるかどうかが注目を集めることになりそうだ。
当ページの閲覧には、週刊T&Amasterの年間購読、
及び新日本法規WEB会員のご登録が必要です。
週刊T&Amaster 年間購読
新日本法規WEB会員
試読申し込みをいただくと、「【電子版】T&Amaster最新号1冊」と当データベースが2週間無料でお試しいただけます。
人気記事
人気商品
-

-

団体向け研修会開催を
ご検討の方へ弁護士会、税理士会、法人会ほか団体の研修会をご検討の際は、是非、新日本法規にご相談ください。講師をはじめ、事業に合わせて最適な研修会を企画・提案いたします。
研修会開催支援サービス -















