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解説記事2026年06月22日 税制改正解説 令和8年度における納税環境整備に関する改正について(上)(2026年6月22日号・№1127)

税制改正解説
令和8年度における納税環境整備に関する改正について(上)
宮田まどか

はじめに

 令和8年度税制改正では、物価高への対応、「強い経済」の実現に向けた対応、税負担の公平性を確保する等の観点から、個人所得課税、資産課税、法人課税、消費課税、国際課税、納税環境整備等について所要の措置が講じられた。
 このうち納税環境整備関係については、国税犯則調査手続の見直し、特定電子移転財産権の徴収手続の整備等の改正が行われた。
 以下では、これらの法令改正の主な内容について説明することとする。

一 国税犯則調査手続の見直し

Ⅰ 国税通則法の改正

1 改正前の制度の概要
(1)国税に関する犯則事件の調査及び処分

 国税庁、国税局又は税務署の当該職員(国税に関する犯則事件の調査及び処分を行う事務に従事している者に限る。以下「当該職員」という。)は、国税に関する犯則事件(以下「犯則事件」という。)を調査するため必要があるときは、犯則嫌疑者又は参考人(以下「犯則嫌疑者等」という。)に対して出頭を求め、犯則嫌疑者等に対して質問し、犯則嫌疑者等が所持し、若しくは置き去った物件を検査し、又は犯則嫌疑者等が任意に提出し、若しくは置き去った物件を領置することができることとされている(旧通法131①)。
 また、当該職員は、犯則事件を調査するため必要があるときは、裁判官があらかじめ発する許可状により、臨検、犯則嫌疑者等の身体、物件若しくは住居その他の場所の捜索、証拠物若しくは没収すべき物件と思料するものの差押え又は記録命令付差押えをすることができることとされていた(旧通法132①)。
 この臨検、犯則嫌疑者等の住居等の捜索、証拠物等の差押え又は記録命令付差押えといった強制調査をする際に必要な許可状(強制調査に係る許可状)を当該職員が請求する場合においては、犯則事件が存在すると認められる資料を提供しなければならないこととされているが(旧通法132④)、この請求があった場合においては、裁判官は、次に掲げる事項が記載され、自己の記名押印した許可状を当該職員に交付しなければならないこととされていた(旧通法132⑤)。
① 犯則嫌疑者の氏名(法人については、名称)及び罪名
② 臨検すべき物件若しくは場所、捜索すべき身体、物件若しくは場所、差し押さえるべき物件又は記録させ、若しくは印刷させるべき電磁的記録及びこれを記録させ、若しくは印刷させるべき者
③ 請求者の官職氏名、有効期間、その期間経過後は執行に着手することができずこれを返還しなければならない旨、交付の年月日及び裁判所名
 また、臨検、捜索、差押え又は記録命令付差押えの許可状は、これらの処分を受ける者に提示しなければならないこととされていた(旧通法139)。
(2)通信履歴の電磁的記録の保全要請
 当該職員は、差押え又は記録命令付差押えをするため必要があるときは、電気通信を行うための設備を他人の通信の用に供する事業を営む者又は自己の業務のために不特定若しくは多数の者の通信を媒介することのできる電気通信を行うための設備を設置している者(以下「電気通信を行うための設備を他人の通信の用に供する事業を営む者等」という。)に対し、その業務上記録している電気通信の送信元、送信先、通信日時その他の通信履歴の電磁的記録のうち必要なものを特定し、30日(特に必要があって延長する場合には60日)を超えない期間を定めて、これを消去しないよう、書面で求めることができることとされていた。また、この場合において、その電磁的記録について差押え又は記録命令付差押えをする必要がないと認めるに至ったときは、その求めを取り消さなければならないこととされていた(旧通法134)。
(3)臨検、捜索又は差押え等に際しての必要な処分
 当該職員は、臨検、捜索、差押え又は記録命令付差押えをするため必要があるときは、錠を外し、封を開き、その他必要な処分をすることができることとされていた(旧通法137①)。また、この処分は、領置物件、差押物件又は記録命令付差押物件についてもすることができることとされていた(旧通法137②)。
(4)身分の証明
 当該職員は、質問、検査、領置、臨検、捜索、差押え又は記録命令付差押えをするときは、その身分を示す証明書を携帯し、関係人の請求があったときは、これを提示しなければならないこととされていた(旧通法140)。
(5)警察官の援助
 当該職員は、臨検、捜索、差押え又は記録命令付差押えをするに際し必要があるときは、警察官の援助を求めることができることとされていた(旧通法141)。
(6)所有者等の立会い
 当該職員は、人の住居又は人の看守する邸宅若しくは建造物その他の場所で臨検、捜索、差押え又は記録命令付差押えをするときは、その所有者等を立ち会わせなければならないこととされていた(旧通法142①)。
(7)目録の作成等
 当該職員は、領置、差押え又は記録命令付差押えをしたときは、書面でその目録を作成し、領置物件、差押物件又は記録命令付差押物件の所有者等にその謄本を交付しなければならないこととされていた(旧通法143)。
(8)物件の処置
 運搬又は保管に不便な領置物件、差押物件又は記録命令付差押物件は、その所有者、所持者その他当該職員が適当と認める者に、その承諾を得て、保管証を徴して保管させることができることとされていた(旧通法144①)。
(9)留置の必要がなくなった物件の還付等の手続
 当該職員は、領置物件、差押物件又は記録命令付差押物件について留置の必要がなくなったときは、その返還を受けるべき者にこれを還付しなければならないこととされていた(旧通法145①)。また、その返還を受けるべき者の住所等がわからないため、又はその他の事由によりこれを還付することができない場合においては、その旨を公告しなければならないこととされ(旧通法145②)、この公告の日から6月を経過しても還付の請求がないときは、これらの物件は、国庫に帰属することとされていた(旧通法145③)。
(10)鑑定等の嘱託
 当該職員は、犯則事件を調査するため必要があるときは、学識経験を有する者に領置物件、差押物件又は記録命令付差押物件についての鑑定を嘱託し、又は通訳若しくは翻訳を嘱託することができることとされていた(旧通法147①)。
 鑑定の嘱託を受けた者(以下「鑑定人」という。)は、裁判官の許可を受けて、その鑑定に係る物件を破壊することができることとされている(旧通法147②)。
 裁判官は、当該職員からその許可の請求があった場合において、その請求を相当と認めるときは、次に掲げる事項を記載し、自己の記名押印した許可状(鑑定人による破壊処分に係る許可状)を当該職員に交付しなければならないこととされていた(旧147③④)。
① 犯則嫌疑者の氏名(法人については、名称)及び罪名
② 破壊すべき物件及び鑑定人の氏名
③ 請求者の官職氏名、有効期間、その期間経過後は執行に着手することができずこれを返還しなければならない旨、交付の年月日及び裁判所名
(11)臨検等の夜間執行の制限
 日没から日出までの間は、許可状に夜間でも執行することができる旨の記載がなければ、臨検、捜索、差押え又は記録命令付差押えはしてはならないこととされていた(旧通法148①)。ただし、現行犯事件の場合において、その犯則の現場において臨検、捜索又は差押えをするとき及び課税貨物に課される消費税等(課税貨物に課される消費税、酒税、石油ガス税をいう。以下同じ。)について旅館、飲食店その他夜間でも公衆が出入りすることができる場所でその公開した時間内にこれらの処分をする場合は、日没から日出までの間であっても執行することができることとされている(旧通法148①ただし書、通令51)。
(12)処分中の出入りの禁止及び執行を中止する場合の処分
 当該職員は、質問、検査、領置、臨検、捜索、差押え又は記録命令付差押えをする間は、何人に対しても、許可を受けないでその場所に出入りすることを禁止することができることとされていた(旧通法149)。
 また、当該職員は、臨検、捜索、差押え又は記録命令付差押えの許可状の執行を中止する場合において、必要があるときは、執行が終わるまでその場所を閉鎖し、又は看守者を置くことができることとされていた(旧通法150)。
(13)捜索証明書の交付
 捜索をした場合において、証拠物又は没収すべき物件がないときは、捜索を受けた者の請求により、その旨の証明書(捜索証明書)を書面で交付しなければならないこととされていた(旧通法151)。
(14)調書の作成
① 質問に係る調書
  当該職員は、質問をしたときは、その調書を書面で作成し、質問を受けた者に閲覧又は読み聞かせて誤りがないかどうかを問い、質問を受けた者が増減変更の申立てをしたときは、その陳述を調書に記載した上で、質問を受けた者とともにこれに署名押印しなければならないこととされていた。ただし、質問を受けた者が署名押印せず、又は署名押印することができないときは、その旨を付記すれば足りるものとされていた(旧通法152①)。
② 検査又は領置に係る調書
  当該職員は、検査又は領置をしたときは、その調書を書面で作成し、これに署名押印しなければならないこととされていた(旧通法152②)。
③ 臨検、捜索、差押え又は記録命令付差押えに係る調書
  当該職員は、臨検、捜索、差押え又は記録命令付差押えをしたときは、その調書を書面で作成し、立会人に示した上で、立会人とともに署名押印しなければならないこととされていた。ただし、立会人が署名押印せず、又は署名押印することができないときはその旨を付記すれば足りるものとされていた(旧通法152③)。
(15)間接国税に関する犯則事件についての通告処分
 国税局長又は税務署長は、間接国税に関する犯則事件(申告納税方式による間接国税に関する犯則事件を除く。)の調査により犯則の心証を得たときは、その理由を明示し、罰金に相当する金額、没収に該当する物件、追徴金に相当する金額並びに書類の送達並びに差押物件又は記録命令付差押物件の運搬及び保管に要した費用を指定の場所に納付すべき旨を書面により通告しなければならないこととされていた(旧通法157①)。
(16)検察官への引継ぎ
 犯則事件の告発は、書面をもって行い、上記(14)の調書を添付し、領置物件、差押物件又は記録命令付差押物件があるときは、これを領置目録、差押目録又は記録命令付差押目録とともに検察官に引き継がなければならないこととされていた(旧通法159②)。
 また、領置物件、差押物件又は記録命令付差押物件が検察官に引き継がれたときは、これら物件は、刑事訴訟法の規定により検察官によって押収されたものとみなすこととされていた(旧通法159④)。
(17)犯則の心証を得ない場合の通知等
 国税局長又は税務署長は、間接国税に関する犯則事件を調査し、犯則の心証を得ない場合においては、その旨を犯則嫌疑者に通知しなければならないこととされている。また、この場合において、物件の領置、差押え又は記録命令付差押えがあるときは、その解除を命じなければならないこととされていた(旧通法160)。

2 改正の内容
 国税犯則調査手続は、国税の公平確実な賦課徴収という行政目的を実現するため、国税について犯則が疑われる場合に当該職員によって行われるものである。およそ犯罪については、特別の定めがない限りは刑事訴訟法の規定に従って、捜査機関が捜査し、裁判所で審理裁判すべきものであるが、犯則事件の調査及び処分については、その特殊性が考慮され、日常、納税義務者に接触し、国税に関する事務に従事している当該職員にその調査と処分を行わせることが便宜であるばかりではなく、証拠隠滅を防ぎ、できるだけ敏速な調査と適正公平な処分を行うことが可能となるため、国税通則法第11章において、刑事訴訟法による刑事手続との一体性にも配慮しつつ、それとは異なる手続が定められている。
 従前の刑事手続は、書面を前提として行われており、刑事訴訟法もこれを前提とした規定とされていた。国税犯則調査手続についても、これと同様で、証拠の収集・保全や、調査手続における書類等の作成、裁判所・検察官とのやり取りが書面を前提として行われており、国税通則法もこれを前提とした規定とされていた。
 そのため、例えば、許可状の請求や告発の際に膨大な量の資料を運搬したり、発付された許可状を受け取るために裁判所に赴いたりするなど、書面を前提とした手続は、迅速で効果的な調査の遂行の支障となる面もあった。
 また、電磁的記録に係る証拠収集手続として行われている記録命令付差押えについては、必要な電磁的記録を入手するために、捜査機関が現場に臨場して記録媒体等の差押えを行う必要があるが、オンラインで電子データを取得することができる手続の整備が課題とされていた。
 このような中、「『デジタル社会の実現に向けた重点計画』重点政策一覧」において、刑事手続及び刑事手続に関連する各種犯則調査手続について、デジタル化に対応するための法令及びIT基盤の整備を実現する旨の方針が示された。
 この方針を踏まえ、令和7年5月に成立した「情報通信技術の進展等に対応するための刑事訴訟法等の一部を改正する法律(令和7年法律第39号。以下「刑事訴訟法等改正法」という。)」により刑事訴訟法等が改正され、刑事手続における電磁的記録を提供させる強制処分、電磁的記録による公判調書の作成等、電磁的方法による告訴・告発及び電磁的記録による令状に関する規定の整備等が行われた。
 なお、これらの整備のうち「電磁的記録を提供させる強制処分に関する規定の整備」については刑事訴訟法等改正法の公布の日(令和7年5月23日)から起算して1年を超えない範囲内において政令で定める日(令和8年5月21日)から、それ以外の整備については令和9年3月31日までの間において政令で定める日から、それぞれ施行することとされている。
 国税犯則調査手続についても、こういった政府の方針を踏まえ、令和7年度税制改正の大綱(令和6年12月27日閣議決定)において、「刑事手続のデジタル化の実現のための法整備を前提として、令和8年度税制改正において、刑事手続のデジタル化との一体性に配慮しつつ、国税犯則調査手続のデジタル化に対応するための制度の詳細について結論を得る」との方向性が示されていたが、令和8年度税制改正においては、刑事訴訟法等改正法の改正内容を踏まえて、刑事手続のデジタル化との一体性に配慮しつつ、国税犯則調査手続のデジタル化に対応するための措置が講じられている。
 以下では、この改正の内容について説明することとする。
(1)電磁的記録に係る証拠収集手続の整備
 上記1(1)のとおり、当該職員は、裁判官が発する許可状により、電磁的記録を保管する者その他電磁的記録を利用する権限を有する者に命じて、必要な電磁的記録を記録媒体に記録又は印刷させた上で、その記録媒体を差し押さえること(記録命令付差押え)をすることができることとされていた(旧通法132①)。この記録命令付差押えは、ICT化対応のために改正された刑事訴訟法における同様の制度を参考として、平成29年度税制改正において整備されたものである。
 刑事手続では、刑事訴訟法等改正法により、電磁的記録を提供させる強制処分として電磁的記録提供命令が創設されたが、記録命令付差押えについては、電磁的記録提供命令に包含されるものであり、あえて存置する意義はないと考えられたことを踏まえ、廃止された。
 この刑事訴訟法における電磁的記録提供命令の整備の趣旨として、「『刑事手続における情報通信技術の活用に関する検討会』取りまとめ報告書(令和4年3月15日 刑事手続における情報通信技術の活用に関する検討会)」では、次のとおり説明がされている。
・記録命令付差押えは、保管者に命じて必要な電磁的記録を記録媒体に記録させ、当該記録媒体を差し押さえることを内容とするものであるため、捜査機関は、必要な電磁的記録が記録された記録媒体が所在する場所に赴き、その占有を取得して差し押さえる必要がある。
・しかし、当該事業者等が、その保管する電磁的記録を捜査機関が管理する電子計算機にオンラインで送信する方法により提供することができるような場合には、記録命令付差押えの処分の内容のうち、電磁的記録の保管者に命じて当該電磁的記録を「記録媒体に記録させ、その記録媒体を差し押さえる」部分は、その意義に乏しい。むしろ、そのような場合には、被処分者が当該電子データをオンラインで提供し得ることとすれば、必要な電子データの収集という目的を達することができるとともに、捜査機関にとっても移動の負担がなくなるだけでなく、処分を受ける事業者等にとっても、記録媒体を捜査機関等に手渡すための対応や記録媒体の準備等の負担を省くことができることとなる。
・そこで、令状の発付を受けた捜査機関が、電子データを保管する者に対し、必要な電子データをオンラインで提供させることを可能とする強制処分を設けることが考えられる。
 国税犯則調査手続については、一種の行政手続であって、犯則嫌疑者の身柄を拘束する権限がないなど刑事訴訟法に基づく犯罪捜査と完全に同質なものではないが、上記の趣旨については、国税犯則調査手続にも同様に当てはまり、犯罪捜査との間に差を設けるべき理由は見出しがたいと考えられることを踏まえ、刑事訴訟法の改正内容に倣い、記録命令付差押えを廃止するとともに、次のとおり、電磁的記録提供命令を創設することとされた。
① 電磁的記録提供命令の創設
 イ 当該職員は、犯則事件を調査するため必要があるときは、裁判官があらかじめ発する許可状により、電磁的記録を保管する者又は電磁的記録を利用する権限を有する者に対して、次に掲げる方法(電磁的記録を利用する権限を有する者に対しては、電磁的記録を記録媒体に記録させるものに限る。)により必要な電磁的記録を提供することを命ずる命令(以下「電磁的記録提供命令」という。)をすることができることとされた(通法132①)。
 (イ)電磁的記録を記録媒体に記録させ又は移転させてその記録媒体を提出させる方法
 (ロ)電気通信回線を通じて電磁的記録をその命令をする者の管理に係る記録媒体に記録させ又は移転させる方法
 ロ 当該職員は、電磁的記録提供命令をする場合において、必要があるときは、裁判官の許可を受けて、その電磁的記録提供命令を受ける者に対し、1年を超えない期間を定めて、みだりにその電磁的記録提供命令を受けたこと及びその電磁的記録提供命令により提供を命じられた電磁的記録を提供し又は提供しなかったことを漏らしてはならない旨を命ずること(以下「秘密保持命令」という。)ができることとされた(通法132③)。
  また、秘密保持命令をした後、必要がなくなったときは、当該職員は、自ら又はその命令を受けた者の請求により、これを取り消さなければならないこととされている(通法132⑦)。
  なお、秘密保持命令は、裁判官の許可を受けて行うこととされているが、裁判官は、その許可をするときは、許可状にその旨及びその電磁的記録提供命令により提供を命じられた電磁的記録を提供し又は提供しなかったことを漏らしてはならない旨を命ずる期間を記載し、又は記録しなければならないこととされている(通法132⑪)。
 ハ 正当な理由がなく、上記イ又はロの命令に違反したときは、その違反行為をした者は、1年以下の拘禁刑又は300万円以下の罰金に処することとされた(通法127の2)。また、この罰則は両罰規定の対象とされた(通法130)。
② 電磁的記録提供命令の創設に伴う国税犯則調査手続の整備
  電磁的記録提供命令の創設に伴い、次のとおり、その電磁的記録提供命令をする場合における手続等が整備された。
 イ 電磁的記録提供命令に際しての必要な処分(上記1(3)参照)
   当該職員は、電磁的記録提供命令により提出させた記録媒体について、錠を外すこと等の必要な処分をすることができることとされた(通法137②)。また、当該職員は、電磁的記録提供命令により提供させた電磁的記録について、その内容を確認するための措置をとることその他必要な処分をすることができることとされた(通法137③)。
 ロ 電磁的記録提供命令の許可状の提示措置・夜間執行の制限等(上記1(1)(11)参照)
   電磁的記録提供命令の許可状については、これらの処分を受ける者に対し、許可状の提示措置(下記(2)①参照)をとらなければならないこととされている(通法139①)。
  これは、電磁的記録提供命令については、処分を受ける者に対し、命令により行うべき具体的な行為の内容を告知する必要があるところであるが、許可状の提示措置をとることによって、命令により行うべき具体的な行為の内容を告知することとしたものである。
  また、当該職員は、電磁的記録提供命令の許可状の提示をするため必要があるときは、裁判官の許可を受けて、人の住居又は人の看守する邸宅、建造物若しくは船舶内(以下「人の住居等」という。)に入ることができることとするとともに、次に掲げる処分その他必要な処分をすることができることとされた(通法139②④)。
 (イ)錠を外すこと。
 (ロ)何人に対しても、当該職員の許可を受けないでその提示をする場所に出入りすることを禁止すること。
 (ハ)上記(ロ)の処分に従わない者について、これを退去させ、又はその提示が終わるまでこれに看守者を付すること。
  なお、上記にかかわらず、日没から日出までの間には、許可状に夜間でも許可状の提示をすることができる旨の記載又は記録がなければ、電磁的記録提供命令の許可状の提示措置をとるために人の住居等に入ることはできないこととされている(通法148③)。ただし、課税貨物に課される消費税等について旅館、飲食店その他夜間でも公衆が出入りすることができる場所でその公開した時間内に入る場合は、日没から日出までの間であっても、電磁的記録提供命令の許可状の提示措置をとるために人の住居等に入ることができることとされている(通法148③ただし書)。
 ハ 身分の証明(上記1(4)参照)
   当該職員は、電磁的記録提供命令をするときは、その身分を示す証明書を携帯し、関係人の請求があったときは、これを提示しなければならないこととされた(通法140)。
 ニ 警察官の援助(上記1(5)参照)
   当該職員は、電磁的記録提供命令をするに際し必要があるときは、警察官の援助を求めることができることとされた(通法141)。
 ホ 留置の必要がなくなった物件の還付等の手続(上記1(9)参照)
   当該職員は、電磁的記録提供命令により提出させた記録媒体について留置の必要がなくなったときは、その返還を受けるべき者にこれを還付しなければならないこととされた(通法145①)。
  また、国税庁長官、国税局長又は税務署長は、その記録媒体について、その返還を受けるべき者の住所若しくは居所がわからないため、又はその他の事由によりこれを還付することができない場合においては、その旨を公告しなければならないこととされ(通法145②)、その公告に係る記録媒体について公告の日から6月を経過しても還付の請求がないときは、これらの物件は、国庫に帰属することとされた(通法145③)。
 へ 電磁的記録提供命令により移転させた電磁的記録の複写
   当該職員は、電磁的記録提供命令により移転させた電磁的記録について、その電磁的記録提供命令を受けた者に保管させないこととする理由がなくなったときは、その者の請求により又は職権で、その者に対し、その電磁的記録の複写を許さなければならないこととされた(通法146の2①)。また、国税庁長官、国税局長又は税務署長は、その電磁的記録提供命令を受けた者の住所若しくは居所がわからないため、又はその他の事由により電磁的記録の複写の許可をすることができない場合においては、その旨の公告をしなければならないこととするとともに、その公告の日から6月を経過しても複写の請求がないときは、その複写をさせることを要しないこととされた(通法145②、146の2②③)。
 ト 鑑定の嘱託(上記1(10)参照)
   当該職員は、犯則事件を調査するため必要があるときは、学識経験を有する者に電磁的記録提供命令により提出させた記録媒体又は提供させた電磁的記録についての鑑定を嘱託することができることとされた(通法147①)。
 チ 間接国税に関する犯則事件についての通告処分(上記1(15)参照)
   通告処分により納付すべき金額等の範囲に、電磁的記録提供命令により提出させた記録媒体の運搬及び保管に要した費用が追加された(通法157①)。
 リ 犯則の心証を得ない場合の通知等(上記1(17)参照)
   国税局長又は税務署長は、間接国税に関する犯則事件を調査し、犯則の心証を得ない場合において、電磁的記録提供命令があるときは、その解除を命じなければならないこととされた(通法160)。
 ヌ その他の国税犯則調査の手続
   上記イからリに掲げるもののほか、電磁的記録提供命令をする場合における次の手続の整備が行われた。なお、これらについては手続の電子化等の見直しも併せて行われているため、改正後の具体的な手続については、下記(2)をご参照いただきたい。
 (イ)通信履歴の電磁的記録の保全要請(通法134)(上記1(2)参照)
   電磁的記録提供命令により電磁的記録を提供させるための通信履歴の保全要請の手続が整備された。
 (ロ)目録の作成等(通法143)(上記1(7)参照)
   電磁的記録提供命令により提出させた記録媒体又は提供させた電磁的記録に係る目録の作成手続等が整備された。
 (ハ)調書の作成(通法152③)(上記1(14)参照)
   電磁的記録提供命令に係る調書の作成手続が整備された。
(2)許可状等の電子化
 刑事手続では、刑事訴訟法等改正法により、差押え等の令状(刑訴法219)、鑑定物件の破壊処分に係る許可状(刑訴法168)、通信履歴の電磁的記録の保全要請(刑訴法197③)、押収目録(刑訴法120)、捜索証明書(刑訴法119)及び調書(刑訴法198等)など、書面が前提とされていた手続について、電子的方法により行うことを可能とするための整備が行われた。この趣旨として、『「刑事手続における情報通信技術の活用に関する検討会」取りまとめ報告書(令和4年3月15日 刑事手続における情報通信技術の活用に関する検討会)』では、次のとおり説明がされている。
・捜査報告書、供述調書等をはじめとする、捜査等の過程で作成され、主に証拠として利用されることが想定される書類や、起訴状、令状、不服申立書等をはじめとする、訴訟行為や処分のための書類は、現在紙媒体で作成・管理・発受されているが、署名・契印や運搬等にも、それらの書類の謄写にも物理的作業を伴うため、実務においては、それらに多大な手間と時間を要する場合が少なくない。
・その一方で、情報通信技術の高度化・汎用化が進んだ現代においては、これらの書類を、紙媒体ではなく電子データとして作成・管理し、そのままオンラインで発受することは、技術的に十分可能であり、それが法的にも許容されるのであれば、紙媒体の書類を取り扱うことに伴う負担を解消し、事務を大幅に合理化することにつながることのほか、オンラインで閲覧・謄写の機会を与えることにもつながることが期待される。
 国税犯則調査手続についても、上記の趣旨は同様に当てはまることから、刑事訴訟法の改正に倣い、次のとおり、書面が前提とされていた手続について、電子的方法により行うことを可能とするための整備が行われた。
① 許可状の電子化(上記1(1)参照)
  臨検、捜索、差押え又は電磁的記録提供命令の許可状について、書面によるほか、電磁的記録によることができることとされた(通法132⑥)。
  また、これらの許可状が電磁的記録による場合には、裁判官により記名押印に代わる措置がとられたものでなければならないこととされたほか、記載事項及び処分を受ける者に対する表示等について所要の整備が行われた。
  具体的には、臨検、捜索、差押え又は電磁的記録提供命令の許可状の請求があった場合において、裁判官が許可状を発するときは、その裁判官は、一定の事項を記載し、又は記録した許可状を当該職員に発しなければならないこととされた(通法132⑧)。
  なお、臨検、捜索、差押え又は電磁的記録提供命令の許可状については、これらの処分を受ける者に対し、次に掲げる場合の区分に応じ、次の措置(許可状の提示措置)をとらなければならないこととされた(通法139①)。
 イ 許可状が書面である場合 許可状を示すこと。
 ロ 許可状が電磁的記録である場合 許可状に記録された事項及び下記(注2)の措置に係る裁判官の氏名を、電子計算機の映像面、書面その他のものに表示して示すこと又は処分を受ける者をしてその使用に係る電子計算機の映像面、書面その他のものに表示させて示すこと。
② 通信履歴の電磁的記録の保全要請の電子化(上記1(2)参照)
  通信履歴の電磁的記録の保全要請について、書面によるほか、電磁的記録により求めることができることとされた。
  具体的には、当該職員は、差押えをし、又は電磁的記録提供命令により電磁的記録を提供させるため必要があるときは、電気通信を行うための設備を他人の通信の用に供する事業を営む者等に対し、その業務上記録している電気通信の送信元、送信先、通信日時その他の通信履歴の電磁的記録のうち必要なものを特定し、30日(特に必要があって延長する場合には60日)を超えない期間を定めて、これを消去しないよう、書面により又は電磁的記録により求めることができることとされた。また、この場合において、その求めに係る電磁的記録について差押えをし、又は電磁的記録提供命令により当該電磁的記録を提供させる必要がないと認めるに至ったときは、その求めを取り消さなければならないこととされた(通法134①)。
③ 目録の作成等の電子化(上記1(7)参照)
  領置目録、差押目録又は電磁的記録提供命令により提出させた記録媒体若しくは提供させた電磁的記録に係る目録(以下「領置目録等」という。)について、書面によるほか、電磁的記録をもって作成することができることとされた。
  具体的には、領置目録等について、書面又は電磁的記録をもって作成し、領置物件若しくは差押物件の所有者、所持者若しくは保管者若しくは当該電磁的記録提供命令を受けた者又はこれらの者に代わるべき者に提供しなければならないこととされた(通法143①②)。ただし、電磁的記録をもって作成する目録の提供は、これを受ける者に異議があるときは、することができないこととされている(通法143③)。
④ 捜索証明書の提供の電子化(上記1(13)参照)
  捜索証明書について、書面によるほか、電磁的記録をもって作成するものを提供することができることとされた(通法151)。ただし、電磁的記録をもって作成する捜索証明書の提供は、これを受ける者に異議があるときは、することができないこととされている(通法151ただし書)。
⑤ 調書の作成の電子化(上記1(14)参照)
  「質問に係る調書」、「検査、領置又は電磁的記録提供命令に係る調書」及び「臨検、捜索又は差押えに係る調書」について、書面によるほか、電磁的記録をもって作成することができることとされた。また、その調書が電磁的記録をもって作成されたものである場合には、当該職員等により署名押印に代わる措置がとられたものでなければならないこととされた(通法152)。
  具体的には、その調書の区分に応じて、次のとおりとされている。
 イ 質問に係る調書
   当該職員は、質問をしたときは、その調書(電磁的記録をもって作成するものを含む。以下同じ。)を作成し、調書(調書を電磁的記録をもって作成する場合については、調書の内容を表示したもの)を質問を受けた者に閲覧させ、又は読み聞かせて、誤りがないかどうかを問い、質問を受けた者が増減変更の申立てをしたときは、その陳述を調書に記載し、又は記録しなければならないこととされた(通法152①)。
   また、その調書には、当該職員は、質問を受けた者とともに次に掲げる場合の区分に応じた措置(以下「署名押印等の措置」という。)をとらなければならないこととされた(通法152②)。
 (イ)調書を書面をもって作成する場合……調書に署名押印すること。
 (ロ)調書を電磁的記録をもって作成する場合……調書に署名押印に代わる一定の措置をとること。
   ただし、質問を受けた者がその署名押印等の措置をとらず、又はその署名押印等の措置をとることができないときは、その旨を付記すれば足りることとされている(通法152②ただし書)。
 ロ 検査、領置又は電磁的記録提供命令に係る調書
   当該職員は、検査、領置又は電磁的記録提供命令をしたときは、その調書を作成し、署名押印等の措置をとらなければならないこととされた(通法152③)。
 ハ 臨検、捜索又は差押えに係る調書
   当該職員は、臨検、捜索又は差押えをしたときは、その調書を作成し、調書(調書を電磁的記録をもって作成する場合については、調書の内容を表示したもの)を立会人に示さなければならないこととされた(通法152④)。
   また、その調書には、当該職員は、立会人とともに署名押印等の措置をとらなければならないこととされた(通法152⑤)。ただし、立会人がその署名押印等の措置をとらず、又はその署名押印等の措置をとることができないときは、その旨を付記すれば足りることとされている(通法152⑤ただし書)。
(3)検察官への引継手続の整備(上記1(16)参照)
 刑事手続では、刑事訴訟法等改正法により、電子情報処理組織を使用する方法等による申立て、請求その他の裁判所若しくは裁判長又は裁判官に対してする申述(以下「申立て等」という。)の手続が整備されている(刑訴法54の2)。
 また、検察官等は、申立て等については、口頭でする場合を除き、電子情報処理組織を使用して当該申立て等に係る事項をファイルに記録する方法又は当該事項を記録した記録媒体を裁判所若しくは裁判長若しくは裁判官に提出する方法によりしなければならないこととされている(刑訴法54の3)。
 これらの改正の趣旨として、「『刑事手続における情報通信技術の活用に関する検討会』取りまとめ報告書(令和4年3月15日 刑事手続における情報通信技術の活用に関する検討会)」では、次のとおり説明がされている。
・電子データは、紙媒体と比較して、運搬、保管、検索・整理、複製等に伴う事務の負担やコストが小さく、特にその量が増すにつれてその効果は高まるから、刑事手続において取り扱われる書類、特に、刑事手続に携わる者がその職務の過程で作成する書類については、紙媒体の書類と電子データとして管理される書類が混在することを避けるためにも、可能な限り、始めから電子データとして作成・管理され、発受されることが望ましい。そのような観点からは、少なくとも、裁判所と訴訟関係人や捜査機関との間、訴訟関係人相互や訴訟関係人と捜査機関との間における書類の発受については、オンラインで行うことを原則とすることが、目指すべき方向性であると考えられる。
 国税犯則調査手続についても、検察官の申立て等が電子情報処理組織を使用して行うことが可能となるよう検察官への調書及び目録の引継手続等を電子化するための整備が行われた。
 具体的には、犯則事件の告発について、書面により又は一定の電磁的方法により行い、「質問に係る調書(通法152①)」、「検査、領置又は電磁的記録提供命令に係る調書(通法152③)」又は「臨検、捜索又は差押えに係る調書(通法152④)」を添えて、領置物件、差押物件又は電磁的記録提供命令により提出させた記録媒体若しくは提供させた電磁的記録があるときは、これを領置目録、差押目録又は電磁的記録提供命令により提出させた記録媒体若しくは提供させた電磁的記録に係る目録とともに検察官に引き継がなければならないこととされた(通法159②)。

3 適用関係等
(1)適用関係

 上記2の改正は、令和9年10月1日から施行される(改正法附則1七ロ)。これは、刑事訴訟法等改正法による刑事訴訟法の改正が令和9年3月までの間に段階的に施行されることやシステム整備等の準備期間が考慮されたものである。
 なお、記録命令付差押えについては、令和9年10月1日に廃止されることとなるが、刑事訴訟法における記録命令付差押えの廃止の経過措置(刑事訴訟法等改正法附則2)と同様、令和9年10月1日前に記録命令付差押えに係る許可状が発せられた場合におけるその記録命令付差押えについては、従前どおりとされている(改正法附則23)。
(2)電磁的記録提供命令等における留意事項
 所得税法等の一部を改正する法律(令和8年法律第12号)においては、刑事訴訟法等改正法に倣い、電磁的記録提供命令等における留意事項が附則に規定された。
 具体的には、電磁的記録提供命令により電磁的記録を提供させ、又は電磁的記録に係る記録媒体の領置若しくは差押えをするに当たっては、デジタル社会において個人情報の保護がより重要となっていることに鑑み、できる限り犯則事件又は必要犯則情報と関連性を有しない個人情報を取得することとならないよう、特に留意しなければならないこととされた(改正法附則102)。

Ⅱ 国税徴収法の改正(保全差押えの要件の見直し)

1 改正前の制度の概要
 納税義務があると認められる者が不正に国税を免れ、又は国税の還付を受けたことの嫌疑に基づき、国税通則法第11章(犯則事件の調査及び処分)の規定による差押え、記録命令付差押え若しくは領置又は刑事訴訟法の規定による押収、領置若しくは逮捕を受けた場合において、その処分に係る国税の納付すべき額の確定(申告、更正又は決定による確定をいい、源泉徴収等による国税についての納税の告知を含む。以下同じ。)後においてはその国税の徴収を確保することができないと認められるときは、税務署長は、その国税の納付すべき額の確定前に、その確定をすると見込まれる国税の金額のうちその徴収を確保するためあらかじめ滞納処分を執行することを要すると認める金額(以下「保全差押金額」という。)を決定することができることとされていた。この場合において、徴収職員は、その保全差押金額を限度として、その者の財産を直ちに差し押さえることができることとされている(旧徴法159①)。

2 改正の内容
 国税犯則調査手続及び刑事手続の見直しによる電磁的記録提供命令の創設に伴い、保全差押えの要件について、電磁的記録提供命令を受けた場合(記録命令付差押えを受けた場合は廃止)が追加された。
 これは、上記1のとおり、保全差押えは、国税犯則調査手続による差押え、記録命令付差押え又は領置を受けた場合が要件とされていたが、国税犯則調査手続の見直しによる電磁的記録提供命令の創設に伴い、従前の記録命令付差押えと同様、その電磁的記録提供命令を受けた場合が、保全差押えの要件として位置付けられたものである。
 また、刑事手続による押収、逮捕又は領置を受けた場合についても保全差押えの要件とされているが、刑事手続の見直しにより創設される電磁的記録提供命令のうち電気通信回線を通じて電磁的記録をその命令をする者の管理に係る記録媒体に記録させ又は移転させる方法により提供を命ずるものについては、物の占有を取得するものではなく「押収」には該当しないため、国税犯則調査手続による電磁的記録提供命令と同様、その電磁的記録提供命令を受けた場合が、保全差押えの要件として位置付けられたものである。
 具体的には、納税義務があると認められる者が不正に国税を免れ、又は国税の還付を受けたことの嫌疑に基づき、国税通則法第11章(犯則事件の調査及び処分)の規定による差押え、電磁的記録提供命令若しくは領置又は刑事訴訟法の規定による押収、電磁的記録提供命令若しくは逮捕を受けた場合において、その処分に係る国税の納付すべき額の確定後においては当該国税の徴収を確保することができないと認められるときは、税務署長は、その国税の納付すべき額の確定前に、保全差押金額を決定することができることとされた(徴法159①)。

3 適用関係
 上記2の改正のうち国税犯則調査手続の見直しによる電磁的記録提供命令の創設に伴うものについては、令和9年10月1日から施行される(改正法附則1七ハ)。
 他方、上記2の改正のうち刑事手続の見直しによる電磁的記録提供命令の創設に伴うものについては、刑事訴訟法等改正法の公布の日(令和7年5月23日)から起算して1年を超えない範囲内において政令で定める日(令和8年5月21日)から施行される(改正法附則1十二イ)。これは、刑事手続の見直しによる電磁的記録提供命令の創設と併せて施行することとされたものである。

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