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税務ニュース2026年07月03日 取引相場のない株の年内贈与等は慎重に(2026年7月6日号・№1129) 新方式による評価額上昇は限定的、類似業種比準価額が下がる可能性も

  • 取引相場のない株式の評価方法の見直しを見据え、年内に株式の贈与等を行う動き。ただ、政策的配慮等により新方式による評価額上昇幅が限定的となる可能性があり、また、類似業種比準価額が下がるケースもあり得るため、贈与等は慎重に検討する必要。

 周知のとおり、国税庁は現在、取引相場のない株式の評価方法の見直しを進めている。今後は、本年末に取りまとめられる与党税制改正大綱で評価方法の見直しの方向性が示され、来年中のパブリックコメントを経て、再来年(令和10年)1月1日から新たな評価方法の適用が開始されるものと考えられる。
 新たな評価方式の導入により懸念されているのが、現行の取引相場のない株式の評価額に比べて評価額が上がることだ。また、令和7年以降、日経平均株価が2倍以上に上昇しているため、類似業種の株価(類似業種比準方式の算式中の「A」の価額)は、来年は(今年に比べ)上昇することが見込まれる。さらに、株式を譲渡する場合には、来年から実施される超富裕層向けミニマムタックスの課税強化にも留意する必要がある。こうした状況の中、新たな評価方法の詳細が明らかになるのを待たずに、年内に株式の贈与又は譲渡(贈与等)を行う動きがみられる。
 もっとも、上記のとおり新たな評価方式の適用開始は令和10年1月からとなる見込みのため、評価会社の次の決算を確認してから贈与等の判断をする場合でも、現行の類似業種比準方式を適用することができる。また、上昇の幅自体も、評価会社の株式について既に相続税対策を講じているような場合を除けば、政策的な配慮から評価の安全性等が考慮され、小幅なものになる可能性がある。さらに、来年は、類似業種比準方式の算式中の「A」の価額は上昇するものの、比準要素である類似業種の1株当たりの「配当金額」(B)、「年利益金額」(C)、「純資産価額」(D)は、類似業種を構成する上場会社の業績等の伸びによってAを上回る上昇傾向にあるため、評価会社の業績等(算式中の)がさほど伸びていなければ、類似業種比準株価は下がることも想定される。
 以上を踏まえると、ミニマムタックスの影響を受けるのであれば年内に株式の贈与等を行うことも選択肢とはなるものの、新たな評価方式の見直しの方向性と評価会社の次の決算を見てから株式の贈与等を行うかどうかを判断したとしても、その間、株価対策を講じることも可能であることを考えれば、遅くはないと言えよう。

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