税務ニュース2026年07月03日 ギフト券使用不能分の損金算入を認める(2026年7月6日号・№1129) アカウント閉鎖で使用不能、チャージ残高の購入費相当額が損失に
本件の争点は、有限会社である原告が外注費として計上したAmazonギフトカード(以下「ギフト券」)の購入金額が平成28年12月期の損金に算入できるか否かである。税務署は、ギフト券の使途が明らかでなく損金に算入できないとして課税処分を行っていた。事実関係をみると、広告業等を営む原告は、他社がアマゾンで販売する商品について架空の評価をサイトに投稿するという本件取引を行っていた。複数のアマゾンのアカウントを所有していた原告は、平成28年12月期に合計8,450万円のギフト券を金券ショップサイトから購入したうえで、その購入したギフト券を各アカウントにチャージしていた。ところが、平成28年5月以降、各アカウントが順次アマゾンにより閉鎖された。これにより原告は平成28年12月期中に閉鎖されたアカウントにチャージされていた合計1,650万円の使用が不可能となった。裁判のなかで原告は、ギフト券の一部は使用不能となり、それ以外は本件取引の商品の購入に使用したことからギフト券の購入金額は損金に算入できる旨を主張していた。
裁判所は、原告が主張するギフト券の使用目的に照らすと、ギフト券を購入した時点では資産として計上すべきものであり、これが原告の業務の遂行上使用されるなどして初めて損金に算入することができるという判断を示した。そして使用不能分については、ギフト券が使用不能となることでその購入費用相当部分の損害又は損失を被ったものと認められるから、価値相当額は損失として平成28年12月期の損金に算入できると判断した。さらに、原告のアマゾン等に対する損害賠償請求又は不当利得返還請求が認められるかは疑問であることを考慮すると、損害賠償金又は不当利得金を益金として算入することは要しないという判断も示した。そのうえで裁判所は、原告がギフト券の大多数を券面額の97%以下で購入していることを踏まえ、1,600万円(1,650万円×0.97)の限度で損金に算入することができるとした。なお、使用不能分以外のギフト券購入金額については、客観証拠がなく、業務関連性が明らかでないから損金に算入できないと判断している。
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