会計ニュース2026年07月03日 決算短信にのれん償却前営業利益を開示(2026年7月6日号・№1129) ASBJ、第9回のれんに関する公聴会を開催
のれんを非償却とする見直しに関しては、スタートアップ企業と一部の学識有識者を除き、賛同を得られていない状況の中、企業会計基準委員会(ASBJ)は6月29日、第9回のれんに関する公聴会を開催した(公聴会の模様は、同委員会のHPから閲覧可)。
今回は、財務諸表作成者の立場から株式会社ブイキューブの間下直晃取締役会長から意見を聴取した。間下氏は、経済同友会の25年度規制改革委員会委員長を務めており、同会が新たに取りまとめた意見書を基に説明を行った。それによれば、のれんの非償却の導入が本来的に望ましいとした上で、短期的には開示の見直しを行うべきなどと述べた。具体的には、決算短信において、「のれん償却前営業利益」「のれん償却前経常利益」「のれん償却前純利益」を、のれんの有無にかかわらず必須の記載項目とすることを求めている。のれんを計上していない企業も含め、一律に記載を求めることで、比較可能性が確保され、日本の会計基準以外にはない、M&A後に発生するのれんの償却の影響を控除した実態ベースでの収益力比較が可能になると指摘。会計基準を変更しなくても、日本のM&Aを促進させる実質的な効果を得ることができるとしている。
経済同友会は、従来からのれんの会計処理を非償却とすべきと主張。日本基準を適用する企業が、IFRSや米国会計基準を適用する企業と比較して、のれんの償却による利益圧迫を受けることで、買収競争において不利な立場に置かれているとしているが、これまで企業会計基準委員会が実施したのれんに関する公聴会では、選択制を含め、のれんの非償却化に賛同する意見は少ない。ただし、「のれん償却前営業利益」の開示の見直しについては、のれん償却費を営業外費用又は特別損失として計上する必要はなくなるため、企業会計基準諮問会議(会計基準の検討テーマなどを審議する機関)でも一定の支持がある。このため、今回の開示の見直しは、実現に向けた検討に進む可能性もありそうだ。
なお、のれんの会計処理を見直すかどうかは、公聴会による意見聴取の結果を踏まえ、企業会計基準諮問会議が最終的に判断することになる。
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