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税務ニュース2026年07月17日 信託受益権譲渡で受贈益&低額譲渡課税(2026年7月20日号・№1131) 審判所、評価通達額を認めず不動産鑑定評価額を採用した処分は適法

  • 信託受益権(信託財産は建物等)の個人から法人への譲渡をめぐり、個人に低額譲渡課税・法人に受贈益課税がなされた事案が発生。
  • 審判所は、請求人主張の評価通達による評価額を認めず。税務署が採用した不動産鑑定士による鑑定評価額を基にされた課税処分をいずれも支持する裁決を下す(名裁(所)令7−6・同(法)令7−7)。

 被相続人は生前に、法人(代表理事は被相続人の長男)に対して信託受益権を有償で譲渡していた。この信託受益権に係る信託財産は、被相続人が所有する建物(5階建の共同住宅・店舗・駐車場)及び土地上の構築物であった。信託受益権の譲渡価額は、評価通達を基に算定されていた。具体的には、建物は固定資産税評価額に借家権割合を控除した割合(0.7)を乗じて算出した金額、構築物は帳簿価額(未償却残高)であった。長男及び法人は、被相続人の所得税等の準確定申告や法人税申告の際に信託受益権の価額を通達評価額としていた。これに対し税務署は、信託受益権の価額(時価)は不動産鑑定士による鑑定評価額であるとして、法人への譲渡価額が鑑定評価額の2分の1に満たないことから長男には低額譲渡課税、法人には信託受益権の取得価額として計上した価額との差額を受贈益として益金に算入する課税処分を行った。これを不服とした長男及び法人は、評価通達の定めに従って算定した信託受益権の通達評価額も時価に当たるというべきであるなどと主張して、審査請求において課税処分の取消しを求めた。
 審判所は、相続税及び贈与税は相続や贈与による財産の取得に担税力を認めて課税するものであるに対し、譲渡所得に対する課税は保有期間中の増加益(キャピタルゲイン)に課税するものであると指摘したうえで、相続税及び贈与税とは対象や目的を異にするから評価通達の定める評価方法に従い算定された通達評価額を受益権の譲渡時の価額とみることはできないという判断を示した。また、受贈益に対する法人税法上の課税は資産の譲受け時にその資産の時価に相当する経済的価値が認められる点に担税力を認めて課税するものであると指摘したうえで、相続税及び贈与税とは対象や目的を異にするから評価通達の定める評価方法に従い算定された通達評価額を受益権の譲渡の時の価額とみることはできないとした。そのうえで審判所は、税務署が採用した鑑定評価額を基に信託受益権の譲渡時における価額(時価)を算定したことは合理性が認められると判断したうえで審査請求を棄却する裁決を下した。

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