税務ニュース2026年07月17日 続報・仕入控除否認の理由附記巡る裁決(2026年7月20日号・№1131) 取引の特定と根拠法令の明示をもって理由提示の不備を否定
本件は、消費税の仕入税額控除を否認する更正処分の理由の記載が、行政手続法14条1項本文(42頁参照)の要請を満たすかが争われた事案である。本件各更正通知書の「更正の理由」欄には、「株式会社●●の国内での活動が確認できないことから、貴法人は、株式会社●●から本件商品を仕入れたとは認められず、実際に貴法人に対して課税資産の譲渡等を行った者の名称とは認められませんので……」と記載されていた。請求人は、同社の国内での活動が確認できないと判断した根拠となる事実関係が示されておらず、理由の提示として不十分であると主張したが、審判所は請求を棄却した。
本誌が確認した裁決書によると、審判所は、更正の理由欄には、①株式会社●●の国内での活動が確認できない旨、②そのため、請求人が同社から本件各仕入れを行ったとは認められない旨が記載されていると認定した。さらに、③本件各請求書及び本件各元帳に記載された同社名は、実際に請求人に対して課税資産の譲渡等を行った者の名称とは認められず、本件各請求書及び本件各元帳には、消費税法所定の事項の記載がないと認められる旨、④その結果、請求人は同法30条7項に規定する帳簿及び請求書等を保存していないこととなり、同条1項が適用されず、仕入税額控除ができない旨も、個々の取引を特定しつつ記載されているとした。その上で審判所は、これらの記載について、原処分庁が本件各更正処分の判断の基礎とした事実関係を、具体的な取引の年月日、取引先名及び金額を挙げて示すとともに、判断結果及び根拠法令を明らかにしたものと評価した。そして、本件各更正処分の理由は、行政手続法14条1項本文の趣旨を充足する程度に具体的に示されており、理由の提示として欠けるところはないと結論付けている。
さらに本誌取材で、「国内での活動が確認できない」との記載すらなく、「株式会社●●から本件商品を仕入れたとは認められず」とのみ附記された別事案も、理由提示の不備を争点として審判所で審理中であることが分かった。仕入れを否定する根拠自体が示されていない場合でも「理由の提示として欠けるところはない」との判断が示されるのか、注目される。
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