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税務ニュース2026年07月24日 AIで変わる税務調査(2026年7月27日号・№1132) 帳簿データの事前提出が一般調査にも拡大、臨場最終日に提出要請も

  • 税務調査着手前や臨場最終日に仕訳日記帳や総勘定元帳をデータで提出するよう求められるケースが増加傾向。背景に、税務調査におけるAI活用の進展がある可能性。

 最近の税務調査について多くの税理士から聞かれるのが、事前通知の際に、仕訳日記帳や総勘定元帳を調査着手前にデータで提出するよう求められるケースが増えたという話だ。これは、特別国税調査官(42頁参照)の担当法人のみならず、一般の調査部門の担当法人でも起きている。
 データの提出を求める目的が、AIで帳簿内容を分析し、実地調査で検討する項目をあらかじめ絞り込むことにあるのは容易に想像がつく。このように、調査着手前のデータ提出は課税当局に調査の効率化をもたらす一方で、調査日数自体は短縮されていないようだ。これに対し税理士からは、事前提出によって確認資料を絞り込み、臨場日数を短縮すべきとの声が上がっている。
 また、臨場最終日に帳簿データの提出を求められるケースも本誌取材で把握されている。調査着手前なら、「事前分析のため」との説明も成り立つ。しかし、臨場最終日の提出となると、目の前の調査以外に別の目的があるのではないかとの疑念も生じる。国税局主催の会議資料によれば、実地調査終了後はデータを速やかに廃棄するよう指示が出ているが、ここでいう「廃棄」が元データをそのまま廃棄することを意味するのか、KSKに必要な情報を取り込んだ後に廃棄することを意味するのかは明らかでない。仮に、帳簿データやその分析結果がKSKに蓄積されれば、調査対象法人の選定や、取引先法人の調査にも利用される可能性がある。こうした中、税理士からは、データ提出を求めるのであれば、少なくとも提出データの利用目的と廃棄方法を明確にすべきとの声が上がっている。
 このほか、AIの分析結果を基に調査項目を決める手法の一般化により、調査対象として抽出されやすい法人と、そうでない法人が生じるとの懸念も聞かれる。AIが抽出しやすいのは、摘要欄に取引内容がある程度詳しく記載された仕訳であろう。摘要欄に取引内容、取引先、目的などがあれば、特定のキーワード、取引先、金額、計上時期などから、検討対象となる仕訳を抽出できると考えられる。これに対し、摘要欄に支払先のみが記載されている場合や、「諸経費」「立替金精算」「一式」といった簡単な記載しかない場合、帳簿データだけでは取引内容を把握できず、結局、請求書や契約書等の原始資料を確認し、担当者から取引の経緯を聞かなければ、検討の要否を判断できない可能性もあろう。

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