会計ニュース2026年07月24日 無償取引の排出枠は資産計上せず(2026年7月27日号・№1132) ASBJ、排出枠取引制度に係る会計上の取扱いを検討
企業会計基準委員会(ASBJ)は現在、企業会計基準諮問会議から提言があった「排出量取引制度に係る会計上の取扱い」について検討を開始している。
日本では、脱炭素成長型の経済構造への円滑な移行を推進するため、「脱炭素成長型経済構造への円滑な移行の推進に関する法律及び資源の有効な利用の促進に関する法律の一部を改正する法律」により、排出量取引制度が法定化。具体的には、令和8年度から、二酸化炭素の直接排出量が一定規模以上の事業者に対して、排出量取引制度に参加することを義務付け、業種ごとの特性等を考慮した政府指針に基づき政府が排出枠を無償で割り当てた上で、制度対象事業者に対して、排出枠の割当に係る年度の翌年度に排出実績の報告及び実績と等量の排出枠の保有が義務付けられることになった。
まず、大きな論点として挙げられるのは、制度対象事業者の届出に基づき国から無償で割り当てられた排出枠の会計処理だ。無償割当の排出枠には市場取引等を通じて購入した排出枠と同様に財産的価値があり、制度対象事業者は保有義務の充足以外の目的で排出枠を市場などで売却することが可能であるともに、無償割当の排出枠は購入した排出枠と同様にこれを担保に供することもできるとされている。
しかし、企業会計基準委員会の事務局では、制度対象事業者は排出目標に相当する保有義務を負うことと合わせて無償割当の排出枠を割り当てられており、排出目標を達成したかどうかが確定していない途中段階において市場等で売却しても、排出目標を達成しない限り、市場等からの購入により必要な排出枠を調達することが必要となると指摘。このため、制度対象事業者は排出目標を達成したかどうかが確定するまでの間は経済的な便益を支配していないと考えられ、無償割当の排出枠を資産計上しないこととしている。また、この場合には、無償割当の排出枠を資産に計上しないことに合わせて、割当時には負債を計上しないことになる。
なお、同委員会では、令和8年12月頃を目途に最終化するとしている。
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