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税務ニュース2026年08月07日 繰越欠損金、別表七の記載に確定力なし(2026年8月10日号・№1134) 過少記載では本来の金額による控除を主張できる余地

  • 別表七の記載に繰越欠損金額を確定する効力なし。誤記載のあった期の更正可能期間経過後も、後続期の過大控除は更正対象に。一方、過少記載なら本来額による控除を主張する余地。

 法人税上の繰越欠損金額の残高は、申告書別表七の記載を翌期以降に順次引き継ぐことで管理される。そのため、過年度の記載に誤りがあった場合、いずれの期で是正すべきかが問題となる。この点について審判所は令和7年7月7日、約10年前の別表七の転記誤りを起点とする過大控除について、過大控除をした各期に係る更正処分を適法と判断している(大裁(法)令7第3号)。
 請求人は、平成25年8月期の別表一の「所得金額又は欠損金額」欄に欠損金額を記載しなかったが、翌平成26年8月期の別表七には、平成22年8月期~24年8月期の翌期繰越額の合計額を「平成25年8月期の欠損金額」として記載した。誤記載は以後の申告に引き継がれ、令和元年8月期~4年8月期の各期で控除されたため、原処分庁は令和6年10月29日付で更正処分等を行った。請求人は、繰越欠損金額は申告書への記載で一次的に確定し、誤記載のあった期で更正されない限り引き継がれるため、更正対象は誤記載のあった平成26年8月期に限られ、同期の更正期間が既に経過している以上、更正は認められないと主張した。
 審判所は請求人の主張を排斥。その理由として、欠損金を損金算入するには、過年度に法人税法2条19号の欠損金額が生じている必要があり(同法57①)、別表一「翌期へ繰り越す欠損金」欄の記載は以後の所得計算の便宜上のものにすぎないこと、また、更正処分の対象となる純損失等の金額(通則法2六ハ)も欠損金額欄の記載額を基礎とするから、別表七の控除未済欠損金額や翌期繰越額はそもそも更正処分の対象とならないことを挙げ、誤記載は過大控除をした期で是正すれば足りると結論付けた。
 実務上留意すべきは、誤記載のあった期の更正期間が経過しても、後続期の過大控除に係る更正を免れる防御にならない点だ。誤記載のあった平成26年8月期に係る純損失等の金額の更正期間(通則法70②)は既に経過していたが、繰越額を控除した各期は、更正可能な期間内である限り更正対象となる。他方、申告書の記載に確定力がないことは納税者に有利にも働く。過年度の別表一に欠損金額の記載があるのに別表七への転記漏れにより繰越欠損金額を過少に記載していた場合、当該期の更正の請求期限が経過していても、当期において本来あるべき額の控除を主張する余地があろう。

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