税務ニュース2026年08月21日 R9改正でベストオーナー税制創設へ(2026年8月24日号・№1135) ノンコア事業を営む子会社の株式譲渡益への課税を繰り延べ
経済産業省が、令和9年度税制改正において、企業の事業ポートフォリオ転換・強化を促す新たな税制措置として「ベストオーナー税制」を要望する方針であることが本誌の取材により判明した。企業が「ベストオーナー原則」(42頁参照)に基づき、ノンコア事業を売却して得た売却益を、コア事業の強化(M&A)や成長投資へとシームレスに再配分する好循環を後押しする。
具体的には、ノンコア事業を営む子会社の株式譲渡によって生じる譲渡益を、一定の要件の下で課税を繰り延べる仕組みが想定される。また、一定の計画に基づく組織再編等に伴う登記について、登録免許税を軽減する措置も検討される。適用にあたっては、現行の産業競争力強化法に基づく事業再編計画の認定スキームと同様に、一定の計画について認定を受けることを適用要件とする方向だ。
気になる実現性だが、「ベストオーナー原則」に基づく事業ポートフォリオ転換は、近年の政府方針や与党の提言において一貫して掲げられてきたテーマでもある。高市内閣が令和8年7月に閣議決定した「日本成長戦略」には、ベストオーナー原則に基づく事業ポートフォリオ転換の促進が明記され、また、同じく7月に閣議決定された「骨太の方針2026(経済財政運営と改革の基本方針2026)」でも、必要な成長投資や事業ポートフォリオの見直しを促すための制度環境整備を推進する方針が示されていることから、実現可能性は高いと言えよう。
令和8年度税制改正では「パーシャルスピンオフ税制」が恒久化され、企業は期間の制約に縛られることなく中長期的な再編計画を立案できるようになったが、パーシャルスピンオフ税制の恒久化に加えて「ベストオーナー税制」が創設されれば、企業は、子会社の売却や一部持分を残すスピンオフといった事業分離の手法を比較するとともに、売却資金を活用したM&Aや成長投資を一体的に検討し、経営戦略に即した事業ポートフォリオの転換を進めやすくなる。本税制は令和9年度税制改正議論において検討が進められることが想定されるため、事業再編を視野に入れている企業は、今後示される対象取引や認定要件、課税繰延べの条件を確認し、再編スキームや実行時期への影響を見極める必要がある。
当ページの閲覧には、週刊T&Amasterの年間購読、
及び新日本法規WEB会員のご登録が必要です。
週刊T&Amaster 年間購読
新日本法規WEB会員
試読申し込みをいただくと、「【電子版】T&Amaster最新号1冊」と当データベースが2週間無料でお試しいただけます。
人気記事
人気商品
-

-

団体向け研修会開催を
ご検討の方へ弁護士会、税理士会、法人会ほか団体の研修会をご検討の際は、是非、新日本法規にご相談ください。講師をはじめ、事業に合わせて最適な研修会を企画・提案いたします。
研修会開催支援サービス -















