税務ニュース2026年09月11日 輸出先と仕向地相違で輸出免税否認指摘(2026年9月14日号・№1138) 伝票と帳簿の記載不一致でも免税認めたEMS事案との整合性が焦点に
消費税法上、資産の輸出について輸出免税の適用を受けるには、税関長から交付を受ける輸出許可書等、輸出の事実を証する書類の保存が求められる(消規5①一)。そして、輸出許可書への記載事項の一つに「当該資産の仕向地」がある(同ニ)。この規定を巡り、輸出許可書に記載された仕向地と実際の輸出先が異なることを理由として、税務調査で輸出免税の適用を否認する旨の指摘を受けた事例が発生していたことが本誌取材により判明した。本件は、和牛肉の輸出申告書に仕向地をカンボジアと記載して輸出許可を受けていたが、実際には香港で荷下ろしが行われていたという事案であり、一部新聞等でも報道された。調査担当者は、事実と異なる仕向地を記載した輸出申告書に基づいて交付された輸出許可書を保存していても、消規5①一の要件を満たさないとの見解を示した。課税当局は、他の輸出事業者についても同様の指摘をして調査を行っている模様だ。
これに対し当該事業者側は、①税関が交付した輸出許可書は対象資産が国外に出たことを証明するものであり、課税当局も仕向地の相違を問題としている以上、「輸出の事実」そのものに争いがない、②当該取引では、輸出許可書と総勘定元帳に対象資産の同一の個体番号が記載されており、その照合によって帳簿上の資産が輸出されたことが明らか、③事実と異なる仕向地による輸出申告が関税法違反に当たることをもって輸出免税の適用を認めないとする規定は消費税法にはないなどと主張している。
本件から想起されるのが、EMS伝票の控えと帳簿に記載された品名や価額が一致していないとして一旦は輸出免税の適用は不可とされたものの、事業者が郵便局の書類に記載された追跡番号と関連付けた取引明細書を作成し、輸出商品の内容や取引価額を明らかにしていたことから、最終的に適用が認められた事案(以下、EMS事案)だ(本誌1066号)。本件とEMS事案は、書類の記載に事実との相違があっても、保存資料の照合によって帳簿上の資産が実際に輸出されたことを確認できるという点では共通している。
本件は、輸出の事実と法定の証明要件の関係をどう捉えるかという、輸出免税の基本的な考え方に関わる問題であるだけに、今後の動向が注目される。
当ページの閲覧には、週刊T&Amasterの年間購読、
及び新日本法規WEB会員のご登録が必要です。
週刊T&Amaster 年間購読
新日本法規WEB会員
試読申し込みをいただくと、「【電子版】T&Amaster最新号1冊」と当データベースが2週間無料でお試しいただけます。
人気記事
人気商品
-

-

団体向け研修会開催を
ご検討の方へ弁護士会、税理士会、法人会ほか団体の研修会をご検討の際は、是非、新日本法規にご相談ください。講師をはじめ、事業に合わせて最適な研修会を企画・提案いたします。
研修会開催支援サービス -















