税務ニュース2026年10月02日 プロ選手の同僚への飲食、経費性を否定(2026年10月5日号・№1140) 審判所、弁護士会役員の懇親会費等の東京高裁判決とは異なる
- プロスポーツ選手である請求人が同僚の選手に対して支出した飲食費が必要経費になるか争われた裁決(東裁(所)令7第59号)。請求人は、弁護士会役員の活動に伴う必要経費が争われた平成24年東京高裁判決を根拠に必要経費性があると主張も、審判所は本件とは事案が異なるとして請求棄却。
本件は、プロスポーツ選手である請求人が同僚の選手との飲食費を接待交際費として必要経費に算入したが、原処分庁から支出の一部は業務の遂行上必要なものではないとして否認されたため、原処分の一部の取消しを求めた事案である。請求人は、相手先は収益獲得目標のための共同事業者であるチームの選手であり、各支出は選手との意見交換など、請求人の事業所得を生ずべき業務に密接に関係するなどと主張した。
審判所は、ある支出が事業所得の金額の計算上必要経費に算入されるためには、当該支出が事業所得を生ずべき業務と直接の関係を持ち、かつ、業務の遂行上必要なものに限られると解するのが相当であるとした。その上で審判所は、チームの選手との連携強化及びチーム戦術の理解や周知徹底が、チームの勝利及び請求人の実績に影響し、その結果として選手としての能力の発揮及び各種報酬の獲得につながる可能性は否定できないものの、各支出を行った際に、飲食店においてどのような連携強化及びチーム戦術の理解や周知徹底を行ったのか明らかではなく、連携強化などを行ったとしても、それに伴う飲食費を請求人が負担することについて、社会通念に照らして客観的に必要とは認め難いとした。
請求人は、各支出は「特定の集団の円滑な運営に資するものとして社会一般でも行われるものであり、その費用の額も過大とはいえない」ものであるから平成24年東京高裁判決(平成23年(行コ)第298号、平成24年9月19日判決)に示された規範からすれば、必要経費性が認められるべきとも主張したが、審判所は、平成24年東京高裁判決は弁護士が弁護士会の役員活動で支出した懇親会費等が、事業所得の計算上、必要経費に算入できるか争われた事案であると指摘。弁護士については、弁護士会への強制入会制度が採られており、弁護士会等の活動は、弁護士として行う事業所得を生ずべき業務に密接に関係するとともに、会員である弁護士がいわば義務的に多くの経済的負担を負うことにより成り立っているものであることなどを理由として、懇親会費等の一定の範囲について、必要経費に算入できると判断した事例であって、本件とは事案を異にするものであるとしている。
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