会社法ニュース2026年11月06日 株式交付制度、子会社株式も対象へ(2026年11月9日号・№1145) 法制審会社法制部会、反対株主の株式買取請求権は廃止せず
法制審議会会社法制(株式・株主総会等関係)部会では、会社法改正の見直しについて検討を行っている。検討項目の1つである株式交付制度については、株式会社がその子会社の株式を追加で譲り受ける場合も株式交付の対象とする。中間試案で提示されていたA案を採用する方向だ。株式交付を活用する場面を限定せず様々な場面での活用が可能となる。
ただし、規制を潜脱する意図で株式交付を複数回に分けて簡易株式交付として実施することを防止するため、簡易株式交付の算定の基礎となる対価額(会社法816条の4第1項1号)に、過去2年以内の同一の会社を対象会社とする簡易株式交付における対価額を加算する。また、株主が潜脱的な簡易株式交付の利用の有無を評価できるようにするため、事前開示事項として、①過去2年以内に同一の会社を対象会社とする簡易株式交付をしたにもかかわらず、更に株式交付をする場合にはその理由、②効力発生日後に同一の会社を対象会社とする株式交付をする予定がある場合にはその理由を加えることとしている。
また、持分会社又は外国会社を子会社とする場合についても株式交付制度の対象にするほか、持分会社又は外国会社の株式又は持分を譲り受ける場合も対象にする。
そのほか、株式交付親会社における債権者保護手続は廃止する。債権者保護手続は、1か月程度の期間が必要とされており、株式交付制度を利用する際の障害とされていただけに大きなメリットとなりそうだ。
なお、反対株主の株式買取請求権については、中間試案と同様、廃止しない方向となっている。一部には、反対株主の株式買取請求権はM&Aを阻害する要因となっていることから、少なくとも上場会社においては撤廃すべきとの強い意見があったが、①株式買取請求権には組織再編等が公正な条件で行われることを確保する機能がある、②新株発行の規制の都合のよい部分だけを切り取ることは不合理である、③株式交付によっても既存株主に合併や会社分割と同等の影響を与え得ること、④対価が不公正な場合の救済が図られるべきであることなどから、上場会社である株式交付制度親会社の反対株主の株式買取請求権を認めないとすることを正当化することは困難であると結論付けている。
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