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税務ニュース2020年09月04日 非上場株式評価の税賠事案は上告不受理(2020年9月7日号・№848) 2人の最高裁判事の補足意見が影響した可能性

  • 非上場株式の低額譲渡に伴う税賠事件で、最高裁第一小法廷(深山卓也裁判長)は令和2年7月30日、上告不受理を決定。
  • 3月24日に高裁差戻し判決があった関連事案では、2人の最高裁判事から評価通達について補足意見。これにより、一時は「相応の根拠」が補強され、税理士の賠償責任が回避されたとの観測も。

 非上場株式の低額譲渡については令和2年3月24日、最高裁第三小法廷が評価通達の文理適用は違法と認定し、審理を東京高裁に差し戻したところだ(本誌828号40頁参照)。この事案に関連し、相続人の一人は、国に対する課税処分の取消しではなく、配当還元価額での申告に関与した税理士に対して、「税務当局からの課税リスクが発生することを説明しなければならないなどの注意義務があったところ、このような注意義務に違反し、漫然と第2の見解(配当還元価額によるものとする見解)に立脚し、被相続人に対する助言・指導を行っていたのであるが、これは税理士として負うべき適正な調査・確認義務、助言・指導義務を懈怠するものである。」などとして、税理士賠償訴訟を提起していた。
 本税賠事案の控訴審では、「税理士は、本件株式譲渡の課税関係についても被相続人から相談を受けて助言を行い、助言の内容に沿って譲渡価格(1株75円)や数量(議決権総数の7.88%)が決定されて、本件株式譲渡が実行されたものと推認するのが相当である。この助言関係は、本件準委任契約に当たるものと解される。」と認定されたが、「本件株式譲渡時における本件株式の価額の評価方法については、関係法令等の解釈をめぐって見解が対立しており、配当還元方式によって評価すべきとする第2の見解にも相応の根拠が認められ、別件訴訟の控訴審においても採用されているところである。」として、賠償請求は斥けられていた。
 別件最高裁判決で第2の見解が排除されたことで、申立人の主張が受け入れられやすい環境が整ったようにも思われたが、最高裁第一小法廷は、上告審として受理しない決定を行った。
 別件最高裁判決では第2の見解が排除されたものの、2人の最高裁判事から評価通達について補足意見が付されている。補足意見により図らずも「相応の根拠」が補強されることとなり、税理士の賠償責任が回避されたとの観測もあったが、不受理決定には、「本件は、民訴法318条1項により受理すべきものとは認められない。」とだけ理由が示されている。

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