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企業法務2020年08月13日 全国企業倒産集計 2020年7月報 出典:帝国データバンク

□ 倒産件数は847件、2カ月連続の前年同月比増加

□ 負債総額は1048億100万円、2カ月連続の前年同月比増加

主要ポイント
1.倒産件数は847件(前年同月比8.2%増)と、前月を上回り今年最多を更新
2.負債総額は1048億100万円(前年同月比14.3%増)と、2カ月連続の前年同月比増加
3.負債額最大の倒産は㈱AIKジャパンコーポレーション(東京都、破産)の約47億9000万円
4.業種別にみると、7業種中3業種で前年同月を上回った。なかでもサービス業(210件)は、専門サービス業や広告業の増加で、前年同月比30.4%増。製造業(105件、前年同月比34.6%増)は飲食料品製造や自動車部品製造などで増加
5.主因別にみると、「不況型倒産」の合計は674件(前年同月比10.0%増)、構成比は79.6%を占める
6.負債規模別にみると、負債5000万円未満の倒産は530件(前年同月比6.6%増)、構成比は62.6%を占める
7.地域別にみると、9地域中6地域で前年同月を上回り、なかでも近畿(228件、前年同月比30.3%増)は、2府4県すべてで増加。中部(123件、同9.8%増)は、卸売業で前年同月比66.7%の増加となり、地域としては2カ月連続の増加
8.人手不足倒産は6件(前年同月比57.1%減)発生、2カ月ぶりの前年同月比減少
9.後継者難倒産は46件(前年同月比11.5%減)発生、2カ月ぶりの前年同月比減少
10.返済猶予後倒産は51件(前年同月比8.9%減)発生、2カ月ぶりの前年同月比減少
件数・負債総額
倒産件数は847件、前月を上回り今年最多を更新
 倒産件数は847件(前年同月比8.2%増)と、前月を上回り今年最多を更新。また、7月としては6年ぶりに800件を上回った。
 負債総額は1048億100万円(前年同月比14.3%増)と、2カ月連続の前年同月比増加。負債50億円以上の倒産は発生しなかったものの、負債5億~50億円未満の倒産が前年同月比55.2%増となり、負債総額全体を押し上げた。
業種別
サービス、製造など3業種で前年同月比増加
 業種別にみると、7業種中3業種で前年同月を上回った。なかでもサービス業(210件)は、経営コンサルタントや音楽教室、スイミングスクールなどの専門サービス業のほか、広告業で増加し、前年同月比30.4%増。製造業(105件、前年同月比34.6%増)は飲食料品製造や自動車部品製造などで増加。運輸・通信業(35件、同59.1%増)は道路貨物運送業で前年同月比83.3%の増加。
 一方、4業種は前年同月を下回り、なかでも建設業(120件、前年同月比11.1%減)は3カ月連続の減少となった。
主因別
「不況型倒産」は674件、構成比79.6%
 主因別にみると、「不況型倒産」の合計は674件(前年同月比10.0%増)と、2カ月連続で前年同月を上回った。構成比は79.6%(同1.3ポイント増)を占めた。
 ※倒産主因のうち、販売不振、輸出不振、売掛金回収難、不良債権の累積、業界不振を「不況型倒産」として集計
規模別
負債5000万円未満の構成比62.6%
 負債規模別にみると、負債5000万円未満の倒産は530件(前年同月比6.6%増)、構成比は62.6%を占めた。負債5000万円未満の倒産では、サービス業(159件)が構成比30.0%(同7.7ポイント増)を占め最多、小売業(148件)が同27.9%(同3.5ポイント減)で続く。
 資本金規模別では、資本金1000万円未満(個人事業主含む)の倒産が556件(前年同月比7.3%増)、構成比は65.6%を占めた。
地域別
北海道、関東など5地域で前年同月比減少
 地域別にみると、9地域中6地域で前年同月を上回り、なかでも近畿(228件、前年同月比30.3%増)は、2府4県すべてで増加。業種では運輸・通信業を除く6業種で増加し、特に製造業は2倍以上の増加となった。中部(123件、同9.8%増)は、卸売業で前年同月比66.7%の増加となり、地域としては2カ月連続の増加となった。
 一方、北海道(12件、前年同月比20.0%減)、東北(28件、同36.4%減)九州(51件、同13.6%減)の3地域は前年同月を下回った。
態様別
「破産」は790件、構成比93.3%
 態様別にみると、破産は790件(構成比93.3%)、特別清算は35件(同4.1%)となった。民事再生法は22件で、うち19件を個人事業主が占めた。
特殊要因倒産
人手不足倒産
 ・6件(前年同月比57.1%減)発生、2カ月ぶりの前年同月比減少
後継者難倒産
 ・46件(前年同月比11.5%減)発生、2カ月ぶりの前年同月比減少
返済猶予後倒産
 ・51件(前年同月比8.9%減)発生、2カ月ぶりの前年同月比減少
主な当月倒産企業
主な2020年倒産企業
今後の見通し
倒産件数は今年最多製造・サービスが大幅に増加、小売も高水準に
 2020年7月の倒産件数(847件、前年同月比8.2%増)は、2カ月連続で前年同月および前月比で増加し今年最多を更新。7月としては6年ぶりに800件を上回った。業種別では、繊維製品や食料品をはじめとした製造業(105件、前年同月比34.6%増)が9カ月ぶりに100件を上回った。また、サービス業(210件、同30.4%増)が2カ月連続で200件超。自動車販売、飲食店を含む小売業(205件、同1.4%減)は12カ月ぶりに200件超となり件数全体を押し上げた。
 負債総額は、1048億100万円と前年同月を14.3%上回り、2カ月連続の前年同月比増加となった。負債上位をみると、厨房機器卸の㈱AIKジャパンコーポレーション(破産、東京都、負債約47億円)や自動車シート部品製造の㈱イワヰ(民事再生、愛知県、負債約47億円)は、新型コロナウイルス感染症の拡大にともないそれぞれ、得意先飲食店の不振や自動車メーカーの生産調整を受け売り上げが低迷していた。また、コロナ禍の行動自粛が経営不振に追い打ちをかけた医療機関や第三セクターの倒産が初めて発生した。
飲食店の倒産が過去最多ペース
 7月の飲食店の倒産は80件(前年同月比3.9%増)で、2020年1月~7月の累計は478件となった。飲食店の倒産が年間で過去最多となる732件を記録した2019年の1月~7月累計(427件)を1割以上、上回るペースで推移している。負債5000万円未満の小規模倒産が7割超を占めたが、ショッピングセンター内でのFC展開強化など近時の店舗増設にあたり金融機関から多額の借入金を導入していた企業が、コロナ禍の急激な客足減少で資金繰りが悪化して行き詰る事例も複数あり、倒産件数を押し上げた。
 新型コロナ感染者の急増を受けて東京都は8月に入り、酒を提供する飲食店などに対して営業時間短縮を要請。大阪府をはじめ各地にその動きは広がっており、消費者の巣ごもりが加速すると、飲食店の倒産は高止まりする可能性が高い。
コロナ禍の影響は幅広い業種へ、経済活動の停滞が懸念
 新型コロナウイルスの影響で売り上げの大幅な減少などを強いられている中小企業や個人事業主などへの資金繰り支援を目的とした「家賃支援給付金」の給付が8月4日から始まった。8月3日までに約289万件実行(経済産業省)された「持続化給付金」とともに、中小企業などの急場の資金繰りを支える。また、金融機関は返済猶予等の条件変更への対応や実質無利子・無担保の新型コロナ対応融資も実施し、中小企業などの経営を支援している。
 他方、新型コロナ感染者数が再び増加に向かうなかで人々の消費マインドは低下。業種によっては業績回復に水を差しかねず、影響が危惧されている。観光関連業界の需要を喚起するGoToトラベル事業が政府主導で7月22日にスタートしたものの、東京都発着が除外されているうえ、自粛ムードが再び広まると想定通りの経済効果が発揮されない公算が高い。夏季の季節需要を見込む業界の売り上げや資金繰りの下振れリスクにも注意が必要である。さらに、7月の豪雨による直接被害や天候不順を背景とした農作物の価格高騰も懸念材料となろう。
 倒産件数は6年ぶりに2カ月連続の800件超を記録し、1月から7月の累計件数(4790件)は前年同期(4781件)を上回るなど増加トレンドがうかがわれる。コロナ禍に起因する倒産について、消費者に近い小売・サービス業などに加え、製造業といった業種へも広まりつつある。経済活動が再び急激に停滞した場合、多額の借入金などをかかえ、これまでの事業モデルの継続に展望をもてない企業を中心に倒産件数は今後も増加基調を辿るものと推測される。
業種中分類
都道府県別
業種別推移
地域別推移
件数推移
負債総額推移
件数・負債総額推移(年・年度別)
*倒産について
倒産とは以下のいずれかに該当する場合をいう。
◆ 銀行取引停止処分を受ける ※1
◆ 内整理入りする(代表が倒産を認めた時)
◆ 裁判所に会社更生手続開始を申請する ※2
◆ 裁判所に民事再生手続開始を申請する ※2
◆ 裁判所に破産手続開始を申請する ※2
◆ 裁判所に特別清算開始を申請する ※2
※1 手形交換所または電子債権記録機関の取引停止処分を受けた場合
※2 第三者(債権者)による申し立ての場合、手続き開始決定を受けた時点で倒産となる
●倒産態様の区分
●倒産集計について
 倒産集計では、法的整理(会社更生、民事再生、破産、特別清算)手続きによる倒産のみを集計対象としている。
 一般的に、「事業停止=倒産」とのイメージが強いものの、倒産以外にも、資産超過状態による廃業、株主総会決議を経た解散、所在確認困難な移転先不明、相手先企業に事業統合される被合併など、さまざまなケースで事業停止(消滅)する企業が存在する。

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