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企業法務2021年03月10日 全国企業倒産集計2021年2月報 出典:帝国データバンク

□倒産件数は442件、2000年以降3番目の低水準

□負債総額は777億4500万円、7カ月ぶりの前年同月比増加

主要ポイント
1.倒産件数は442件(前年同月比30.3%減)と、2000年以降3番目の低水準
2.負債総額は777億4500万円(前年同月比17.1%増)と、7カ月ぶりの前年同月比増加
3.負債額最大の倒産は㈱枻出版社(東京都、民事再生)の負債約57億8800万円
4.業種別にみると、7業種中5業種で前年同月を下回った。なかでも建設業(72件、前年同月比32.7%減)は2020年5月に次ぐ過去2番目の低水準。小売業(82件、同46.1%減)は8カ月連続で減少し、飲食料品小売(15件)は家庭内消費需要の増加などで引き続き減少傾向。飲食店(28件)は2020年後半にかけての高止まり傾向から一転、3カ月連続の減少
5.主因別にみると、「不況型倒産」の合計は325件(前年同月比34.5%減)と、7カ月連続で前年同月を下回った。構成比は73.5%(同4.7ポイント減)を占める
6.負債規模別にみると、負債5000万円未満の倒産は275件(前年同月比31.9%減)、構成比は62.2%を占める
7.地域別にみると、全地域で前年同月比2ケタ減となった。2カ月連続での全地域減少は2000年以降初。東北(8件、前年同月比61.9%減)は過去最少。関東(188件、同19.3%減)は7カ月連続の減少
8.人手不足倒産は5件(前年同月比70.6%減)発生、6カ月連続の前年同月比減少
9.後継者難倒産は27件(前年同月比15.6%減)発生、5カ月連続の前年同月比減少
10.返済猶予後倒産は37件(前年同月比2.8%増)発生、6カ月ぶりの前年同月比増加
件数・負債総額
件数は2000年以降3番目の低水準
 倒産件数は442件(前年同月比30.3%減)と、2020年5月(288件)、2000年1月(354件)に次ぐ2000年以降3番目の低水準。負債総額は777億4500万円(同17.1%増)と、依然低水準なものの、2000年以降最小だった前年同月の影響もあり、7カ月ぶりの前年同月比増加。
業種別
5業種で前年同月比減少
 業種別にみると、7業種中5業種で前年同月を下回った。なかでも建設業(72件、前年同月比32.7%減)は2月としては過去最少、単月ベースでも2020年5月に次ぐ過去2番目の低水準。小売業(82件、同46.1%減)は8カ月連続で減少し、飲食料品小売(15件)は家庭内消費需要の増加などで引き続き減少傾向が続く。また、飲食店(28件、同56.3%減)は2020年後半にかけての高止まり傾向から一転、3カ月連続の減少。
 一方、運輸・通信業(25件、前年同月比8.7%増)不動産業(17件、同13.3%増)の2業種は増加となった。
主因別
「不況型倒産」は325件、構成比73.5%
 主因別にみると、「不況型倒産」の合計は325件(前年同月比34.5%減)と、7カ月連続で前年同月を下回った。構成比は73.5%(同4.7ポイント減)を占めた。
※倒産主因のうち、販売不振、輸出不振、売掛金回収難、不良債権の累積、業界不振を「不況型倒産」として集計
規模別
負債5000万円未満の構成比62.2%
 負債規模別にみると、負債5000万円未満の倒産は275件(前年同月比31.9%減)、構成比は62.2%を占めた。負債5000万円未満の倒産では、サービス業(80件)が構成比29.1%(同3.4ポイント増)を占め最多、小売業(63件)が同22.9%(同6.1ポイント減)で続く。
 資本金規模別では、資本金1000万円未満(個人事業主含む)の倒産が283件(前年同月比34.6%減)、構成比は64.0%を占めた。
地域別
全地域で前年同月比減少
 地域別にみると、全地域で前年同月比2ケタ減となった。2カ月連続での全地域減少は2000年以降初。東北(8件、前年同月比61.9%減)は過去最少。関東(188件、同19.3%減)は群馬や千葉、東京などで減少し、7カ月連続の減少。近畿(98件、同38.0%減)は、2020年5月に次ぐ過去2番目の低水準。小売業(20件)などの減少が目立ち、全業種でも2ケタ減。九州(29件、同44.2%減)は8カ月連続で減少し、2018年2月と並び過去最少となった。
態様別
「破産」は393件、構成比88.9%
 態様別にみると、破産は393件(構成比88.9%)、特別清算は25件(同5.7%)となった。民事再生法は24件で、うち14件を個人事業主が占めた。
特殊要因倒産
人手不足倒産
・5件(前年同月比70.6%減)発生、6カ月連続の前年同月比減少
後継者難倒産
・27件(前年同月比15.6%減)発生、5カ月連続の前年同月比減少
返済猶予後倒産
・37件(前年同月比2.8%増)発生、6カ月ぶりの前年同月比増加
主な当月倒産企業
主な2021年倒産企業
今後の見通し
2月の企業倒産、件数は月ベースで過去3番目の低水準
 2021年2月の倒産件数(442件、前年同月比30.3%減)は、7カ月連続で前年同月を下回った。金融機関による中小企業への資金繰り支援策などの効果が続くなか、月ベースでは2020年5月(288件)、2000年1月(354件)に次ぐ2000年以降3番目の低水準となった。負債総額(777億4500万円、同17.1%増)は、7カ月ぶりに前年同月比で増加。負債10億円以上の倒産(18件)が前年同月(11件)の1.6倍となり負債総額を押し上げた。
長期的な資金繰り対策が増加、中小は支援策が追い付かないケースも
 コロナ禍の長期化を見据えた企業の資金繰り対策が多様化している。不測の事態へ備え、円滑な資金調達を目的とする「コミットメントライン契約」を金融機関と締結する上場企業が増加。2020年に同契約締結を公表した上場企業は前年比4.6倍(185社)に達した(「上場企業のコミットメントライン契約動向調査(2020年)」帝国データバンク、2021年2月発表)。また、税制上中小企業の扱いとなる資本金1億円以下に減資し、税負担の軽減による資金繰り改善を目指す動きも、観光や飲食関連の大手企業で散見される。
 企業の資金繰りを支える各種支援策が展開されるなか、急激な売上減少に対策が追い付かず、息切れするケースも出ている。趣味の雑誌・書籍の出版を手がけていた㈱枻出版社(東京都、民事再生、負債57億8800万円)は、出版事業が低迷するなか金融機関から支援を受けるも、コロナ禍で集客イベント関連事業や広告収入が激減、2月の負債額最大の倒産となった。また、冷凍マグロなどの卸売を手がける㈱海商(静岡県、民事再生、負債16億7400万円)は、コロナ禍で金融機関の支援を取り付けていたものの、時短営業などで厳しい経営が続く飲食店向けの受注が低迷し自力再建を断念した。
建設業の倒産件数、過去最低水準ながら懸念材料も
 建設業の年度ベースの倒産件数に目をむけると、土木工事や木造建築工事を中心に倒産が減少した結果、2月までの累計は1068件と前年同期比19.0%減となった。建設業の倒産はリーマン・ショックの影響を受けたピーク時の2008年度には3556件を記録。その後、倒産件数は総じて減少基調をたどり、2020年度はピーク時から6割以上減少し過去最低になると見込まれる。
 他方、懸念材料もある。2020年の新設住宅着工戸数は、前年比9.9%減の81万5340戸と4年連続で減少。2021年1月も前年同月比3.1%減と19カ月連続で前年同月を下回った(国土交通省)。分譲住宅が15カ月ぶりに前年同月比で増加したものの、金融機関の審査厳格化などを背景にアパートなどの貸家が低迷。同建築に特化した業者は、コロナ禍における対面型営業の見直しをはじめ、業態転換への対応などが注目される。
2020年度の倒産件数は過去最低水準の見込み、倒産抑制のひずみ解消が課題に
 新型コロナの新規感染者数は一定の落ち着きをみせ、加えて国内でのワクチン接種拡大などを背景に経済活動が正常化にむかうことが期待されている。国をあげた新型コロナ対応の資金繰り支援策が奏功するなか、年度ベースの倒産件数は、2020年4月~2021年2月累計で6666件(前年同期比13.8%減)に抑制された。
 宿泊業の倒産が年度ベースで2月までに累計114件発生し、すでに前年度(75件)の1.5倍に達するなど、業種によって明暗が分かれる課題を抱えているものの、2020年度の倒産件数は前年度(8480件)から減少し、過去最低水準となる見込みになった。他方、借入金の返済猶予等で支えられている企業を中心に、業況回復や業態転換等への取り組みが課題となっており、倒産抑制が続く水面下で生じているひずみと反動を注視したい。
業種中分類
都道府県別
業種別推移
地域別推移
件数推移
負債総額推移
件数・負債総額推移(年・年度別)
*倒産について
倒産とは以下のいずれかに該当する場合をいう。
◆ 銀行取引停止処分を受ける ※1
◆ 内整理入りする(代表が倒産を認めた時)
◆ 裁判所に会社更生手続開始を申請する ※2
◆ 裁判所に民事再生手続開始を申請する ※2
◆ 裁判所に破産手続開始を申請する ※2
◆ 裁判所に特別清算開始を申請する ※2
※1 手形交換所または電子債権記録機関の取引停止処分を受けた場合
※2 第三者(債権者)による申し立ての場合、手続き開始決定を受けた時点で倒産となる
●倒産態様の区分
●倒産集計について
  倒産集計では、法的整理(会社更生、民事再生、破産、特別清算)手続きによる倒産のみを集計対象としている。
 一般的に、「事業停止=倒産」とのイメージが強いものの、倒産以外にも、資産超過状態による廃業、株主総会決議を経た解散、所在確認困難な移転先不明、相手先企業に事業統合される被合併など、さまざまなケースで事業停止(消滅)する企業が存在する。
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