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経営・総務2019年11月18日 特別企画:東京五輪に関する企業の意識調査(2019年) 出典:帝国データバンク

五輪開催が日本経済の持続的な成長に有効と46.8%が認識
~ 五輪期間中の働き方、都内の 1 割超の企業で休暇の設定や時差通勤を検討 ~

はじめに
2020年7月から9月にかけて、東京五輪・パラリンピック(以下、東京五輪)が開催され、開催都市である東京にとどまらず、全国的に経済波及効果が期待されている。加えて、さらなるスポーツ振興や世界に先駆けた新エネルギー活用に向けた取り組みなど、さまざまな好影響をもたらすと言われている。一方で、大会期間中は輸送障害の発生やサイバーテロの増加など企業にとって弊害となる事象も想定される。
そこで、帝国データバンクは、東京五輪に関する企業の見解について調査を実施した。本調査は、TDB景気動向調査2019年10月調査とともに行った。
※調査期間は2019年10月17日~31日、調査対象は全国2万3,731社で、有効回答企業数は1万113社(回答率42.6%)。なお、東京五輪に関する調査は、2013年10月、2016年5月に続いて、今回で3回目
※本調査における詳細データは景気動向調査専用HP(http://www.tdb-di.com)に掲載している
調査結果(要旨)
1.東京五輪による自社の業績への影響について、「プラスの影響」は15.0%、「マイナスの影響」は10.5%となった。しかしながら、企業の56.1%で「影響はない」と回答。「プラスの影響」を地域別にみると、『南関東』が19.9%で最も高く、以下、『近畿』(17.5%)、『東海』(12.7%)が上位となった
2.五輪関連の売上額は、これまで(2013年~2019年)、これから(2020年~2024年)ともに東京五輪に関連する売り上げはないとする「0円」が5割超となり最も高かった。東京五輪に関連する平均の売上額は、それぞれ4億1,981万円と4億4,349万円
3.五輪期間中の働き方、「通常どおりの勤務」が51.9%と最も高かった(複数回答)。以下、「現時点で検討していない」(25.9%)、「物流や配送を抑制」(5.8%)、「五輪期間中の休暇を設定」(4.7%)、「(出張や外出など)移動制限」(4.4%)が続く
4.企業の 46.8%が日本経済の持続的成長のために東京五輪の開催は「有効」回答。他方、「有効思わない」は 27.0%なった
1. 東京五輪、企業の 15.0%が自社の業績に「プラスの影響」
2020年7月から開催される東京五輪によって、自社の業績にどのような影響があるのか尋ねたところ、「プラスの影響」が15.0%、「マイナスの影響」が10.5%となった。しかしながら、半数を超える企業で「影響はない」と認識していた。
「プラスの影響」を地域別にみると、『南関東』が19.9%で最も高く、『近畿』(17.5%)が続いた。また、開催都市である「東京」は21.4%となった。
同様に従業員数別にみると、「1,000人超」では37.9%の企業でプラスの影響があると考えていた。一方、「5人以下」では11.0%と、1,000人を超える企業と比較すると3倍以上の乖離がみられ、従業員規模が小さくなるほど割合は低くなる結果となった。
業界別では、旅館や建設機械器具賃貸などの『サービス』が17.5%でトップ。次いで、『金融』(16.8%)、『運輸・倉庫』(15.8%)が続いた。『運輸・倉庫』においては、「マイナスの影響」が「プラスの影響」を5.1ポイント上回っていた。企業からも「都内の交通規制や交通混雑のため通常配送ができない。そのため、時間外労働の増加や配送荷物の遅延などが想定される」(一般貨物自動車運送、東京都)や「五輪期間中は断続的に交通規制の影響を受けるため、荷主が配送制限を設ける可能性がある。G20サミットのように数日で終わるものではないため、代替手段を検討することになるが、当社の売上に大きなマイナス要因になると思われる」(一般貨物自動車運送、大阪府)といった声が聞かれた。
2. 2019年までの五輪関連の売上額は平均4億1,981万円、今後も同程度以上を見込む
東京五輪に関連するこれまで(2013年~2019年)の売上額1を訪ねたところ、東京五輪に関連する売り上げはないとする「0円」が54.9%で最も高かった。以下、「1億円以上10億円未満」(7.7%)、「10億円以上50億円未満」(4.8%)が続いた。東京五輪の開催が決定した2013年から2019年までの東京五輪に関連する売上額は、平均4億1,981万円となった。地域別に東京五輪に関連する平均の売上額をみると、開催都市である「東京」を含む『南関東』が4億9,125万円でトップ。次いで、『近畿』(4億5,726万円)、『東海』(4億4,735万円)が続き、大都市圏を有する地域で高い傾向がみられた。
同様に、これから(2020年~2024年)の東京五輪に関連する売上額を尋ねたところ、「0円」が51.3%でトップとなった。以下、「1億円以上10億円未満」(6.7%)、「10億円以上50億円未満」(4.8%)が続いた。東京五輪の開催年である2020年から2024年まで5年間の東京五輪に関連する売上額は、平均4億4,349万円となり、五輪の準備期間中と同程度以上の売上額を見込んでいる様子が表れた。「スポーツクラブにとっては、東京五輪をきっかけに会員数の増加が期待できる」(フィットネスクラブ、岐阜県)といった意見にあるように、業界によっては東京五輪終了後も引き続き恩恵を受けると感じている企業もみられた。地域別に平均の売上額をみると、準備期間と同様に、『南関東』(5億2,648万円)、『東海』(4億7,581万円)、『近畿』(4億7,268万円)が上位となった。

1 五輪関連に関連する売上額とは、競技場や選手村の建設など直接的な売り上げだけでなく、関連する商品・サービスなど間接的な売り上げも含めている

3. 五輪期間中の働き方、「通常どおりの勤務」が半数超え
東京五輪期間中の働き方について、通常とは異なる働き方を検討しているか尋ねた ところ、企業の半数以上が「通常どおりの勤務」(51.9%)と考えていた(複数回答、以下同)。次いで、「現時点で検討していない」(25.9%)が4社に1社にのぼった。以下、「物流や配送を抑制」(5.8%)、夏季休暇や振替休暇などの設定や有給休暇の取得奨励など「五輪期間中の休暇を設定」(4.7%)、「(出張や外出など)移動制限」(4.4%)が続いた。五輪期間中に通常と異なる働き方を検討している企業は少なく、多くの企業で五輪期間中も通常どおりの働き方を継続する様子がうかがえた。
他方「東京」では、「通常どおりの勤務」は35.2%で3分の1程度にとどまり、1割を超える企業で「五輪期間中の休暇を設定」や、時差通勤など「出社時間の変更」を検討していた。
そのようななか、企業からは、「五輪開催中、東京で予定している展示会(イベント)を前倒しする」(男子服卸売、愛知県)や「五輪期間に本来であれば開催する会議等についてはビデオ会議で対応」(建設機械器具賃貸、北海道)など、五輪期間の混乱を避ける働き方を検討している声もあげられた。他方で、「東京方面の宿が取れない場合、やむを得ず顧客に事情説明し、出張の延期又は顧客より出向いてもらうなどの対処を考えている」(金属加工機械製造、三重県)や「運送業では荷主にコントロールしてもらわないと独自では働き方を変えられない」(一般貨物自動車運送、東京都)とあるように、顧客との調整など自社の判断だけでは五輪期間中の働き方を検討することができないという意見もみられた。
また、一部の企業からは、「社員旅行に東京五輪の観戦を組み込む」(配線器具・配線付属品製造、岩手県)や「テレビやラジオの東京五輪の放送を業務中も映しておく」(一般土木建築工事、宮城県)など、福利厚生面での対応や就業時間内であってもテレビをつけておくといった特別な対応を検討する様子もみられた。
4. 企業の46.8%が日本経済の持続的成長に東京五輪開催が「有効」と認識
日本の持続的な経済成長のために、東京五輪開催は有効と思うか尋ねたところ、「(有効だと)思う」とした企業は半数近くの46.8%となった。他方、「(有効だと)思わない」は27.0%となった。また、東京五輪の開催が決定した直後に実施した調査(2013年10月)と比較すると、「(有効だと)思う」が18.1ポイント減少した一方で、「(有効だと)思わない」は13.8ポイント増加となった。
企業からは、「最近、多くの経営層と の会話では五輪開催後のマイナス景気 が話題となる」(文房具・事務用品卸売、 東京都)といった東京五輪終了後の景気 後退を危惧する意見や「一時的な成長は当然あるが、前回のようなインフラ整備等のレガシーは それほど見込めない」(一般電気工事、新潟県)など、五輪開催による経済効果は一時的と想定し ており、持続的な経済成長には懐疑的な声もあげられた。
まとめ
メガスポーツの祭典は、インフラ投資や関連商品・サービスの販売など多岐にわたり経済効果を生み出す。また、国内の盛り上がりにとどまらず、訪日客を呼び込み、大会の観戦だけでなく、地域振興の一役を担うことも期待される。
本調査においては、東京五輪が開催されることにより業績にプラスの影響があると捉えている企業は15.0%にとどまっていた。しかし、東京五輪決定後の2013年から2024年までの12年間で東京五輪関連の売上額は平均8億6千万円以上にのぼり、開催都市を含む『南関東』を中心とし、全国各地に経済的な効果が表れている。
他方、五輪期間中の働き方は、多くの企業で通常どおりの働き方を予定しているが、一部の企業では、物流の抑制や休暇の設定など通常とは異なる働き方を検討している企業もみられた。また、この東京五輪が日本経済の持続的成長に有効と考える企業は、半数近くにのぼったが、五輪開催決定直後に行った調査と比較すると18ポイント以上減少していた。五輪による経済効果はあるとみている反面、終了後の景気減速を不安視する声や持続的な成長に懐疑的な意見も聞かれた。
2020年7月に東京五輪が開催され、その成功を契機とし、さらに日本経済が成長していくことが望まれている。我々は、日本経済の持続的な成長のためにも関連施設などが負の遺産とならないようレガシーを生かしていく必要があろう。また、政府には、東京五輪後における景気浮揚策が期待される。
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