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2023年07月11日 ステマ規制の内容と広告主の実務対応 執筆者:美谷島隆明

ステマとは

 ステルスマーケティング(ステマ)とは、広告主が、広告であることを隠して、あたかも消費者等の第三者からの発信を装ってSNSや口コミサイトその他媒体において商品やサービスの宣伝をする手法のことである。近時、広告主が芸能人やインフルエンサーを使ってステマを行っていたことなどがしばしば問題となった。
 ステマの問題点は、広告であることが巧妙に隠されていることで一般消費者が誤った前提にたったまま、商品の良しあしや購入の判断をしてしまうところにある。
 このような問題点があることを踏まえ、今般、ステマは、景品表示法が禁じている「不当表示」の一つとして「一般消費者が事業者の表示であることを判別することが困難である表示」(以下「ステマ表示」)という形で指定されることになり、その告示と運用基準が公表された。

規制の内容

 公表された告示においては、違法となるステマ表示は以下のとおり定義されている。
 ・「事業者が自己の供給する商品又は役務の取引について行う表示」であって
 ・「一般消費者が当該表示であることを判別することが困難」
 であると認められるもの。』
 そして、告示とあわせて上記の定義に関する「運用基準」も消費者庁により公表されている。その詳細はここでは割愛するが、例えば、第三者の発信であっても「事業者がその表示内容の決定に関与したと認められるような場合」、「客観的な状況に基づいて第三者の自主的な発信と認められないような場合」などがこれにあたるとされている。
 なお、今回の規制では、規制対象となるのはあくまで広告主であって、SNSなどで投稿を行ったインフルエンサーなどは規制の対象外である。

実務対応

 ステマ表示に関する規制は、2023年10月1日から施行予定である。
 規制に反した場合、消費者庁や都道府県からの措置命令(違法な広告を止めるようにとの命令)の対象になる。措置命令が出されると企業名とあわせ公表されるため企業の信用に大きな影響を与える。また、消費者庁から課徴金の納付命令の対象にもなり得る。
 これらのペナルティを受けることを防ぐために、各企業は、10月1日からの規制施行に備えて、どのようなケースがステマ規制に反することになるのかについて、運用基準の内容を踏まえて確認し、その内容を社内の広告・販促部門にも共有しておく必要がある。そのうえで、具体的に自社が行っている現在の広告や、インフルエンサーを使ったウェブその他の媒体での商品の表示・ブログ記事などがステマ規制に反しないのか、反するおそれが場合どのような対応が必要なのか、などについて専門家にも相談の上で、準備を進めることが必須である。




<プロフィール>
美谷島隆明
弁護士(桜川協和法律事務所パートナー弁護士)

平成17年3月 大阪大学法学部 卒業
平成19年9月 弁護士登録
平成30年1月 桜川綜合法律事務所パートナー就任
令和 4年 9月 桜川協和法律事務所 設立
       現職

顧客に一部上場企業から中小企業まで多くの顧問先を有し、企業法務を中心に、特にM&A案件、会社の再生案件に豊富な実績を有する。

所属
東京弁護士会所属

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