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一般2025年07月19日 偽情報、何度も接触で信用 不安や不満あおる言説警鐘 提供:共同通信社

 20日投開票の参院選で、外国人を巡る偽情報や誤情報が出回っている。報道機関などのファクトチェックで否定されても、交流サイト(SNS)や街頭演説では「外国人犯罪が増えている」「日本人より優遇されている」といった言説が広がる。専門家は、人は偽情報でも繰り返し触れると信じてしまいやすいとして、不安や不満をあおる情報に警鐘を鳴らしている。
 「人の脳は自分にとって分かりやすい情報や、何度も見た情報を正しいと思いやすい」と指摘するのは、安野智子(やすの・さとこ)中央大教授(社会心理学)だ。
 「認知的流ちょう性」や「真実性の錯覚」と呼ばれ、人間の思考判断の偏りを示す認知バイアスの代表例だ。ほかに自分の考えに近い情報は注目する半面、反対の情報を無視しやすい「確証バイアス」などが知られる。
 目立つものに原因を求めやすいバイアスもあるといい、安野氏は「一度信じてしまうと、偽情報と分かっても訂正を受け入れにくい。人の脳はだまされやすいと知ることが大切だ」と説明する。
 北星学園大の真嶋良全(まじま・よしまさ)教授(認知心理学)は社会への不安や不満が高まると、理由を説明してくれるストーリーを信じやすくなると指摘する。
 「自分が報われていない感覚があると、誰かのせいだと考えたい欲求が高まる。『共通の敵』として分かりやすいのが外国人。陰謀論と地続きにある」。犯罪増加や優遇が否定されても「結論が先にあり、事実をそれに合うように解釈してしまいやすい」と警告する。
 近年、在留外国人数と訪日観光客は急増する一方、外国人の刑法犯は過去20年で減少が顕著だ。だが、人々の抱くイメージにはずれがある。
 大阪大の五十嵐彰(いがらし・あきら)准教授(移民・差別研究)は実験で、過去1年の国内刑法犯のうち何%が外国人だと思うか質問。実際は観光客を含めても5%だが、参加者は平均30%と回答したといい「認知のゆがみ」を指摘する。
 五十嵐氏は、日本は国際的にも、これまで移民に対し極端に否定的ではなかったとして「政治家が誤情報を振りまき排外主義をあおっている。人々の排外意識が高まりかねない」と危惧した。

(2025/07/19)

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