知的財産2026年04月22日 子ども用椅子に著作権は? 美術的実用品へ最高裁判断 提供:共同通信社

特徴的なデザインをした子ども用の椅子に著作権法上の保護が及ぶかどうかが争われた訴訟で、最高裁第2小法廷(岡村和美裁判長)が24日、判決を言い渡す。美術的要素を備える実用品に保護期間の長い著作権が認められるかを巡っては、現状では見解が分かれている。最高裁が考慮すべき要素などをどう判断するかが焦点だ。
椅子は、ノルウェー法人「ストッケ・エイエス」社が製造・販売する木製の「TRIPP TRAPP(トリップトラップ)」。両側面のL字形をした部品に、座る板と足を置く板を挟んだ形状で、国内では1974年ごろから輸入・販売されてきた。訴訟でストッケ社側は、類似製品の販売で著作権が侵害されたとし、兵庫県川西市の家具メーカー「Noz」に損害賠償などを求めた。
2024年の二審知財高裁判決は、主な目的が鑑賞ではない実用品は「意匠法での保護で足りる」とした。その上で、実用品が著作権法で保護されるのは「実用的機能を離れ、美的鑑賞の対象となる部分を含む」か「専ら美的鑑賞目的で制作された」場合と判断。今回の椅子の特徴は、あくまで実用機能にとどまり要件を満たさないとして一審に続き訴えを退け、ストッケ社側が上告した。
ただ、同種製品を巡る別の訴訟の判決で知財高裁は15年、実用目的でも一律で著作権法の保護対象とならないのは不相当だと指摘。椅子の特徴には作者の個性が発揮され、保護対象になるとした。同種製品への異なる司法判断。ストッケ社側は26年3月の上告審弁論で「実用品が適切に評価されるような解釈を示してほしい」と求めた。
美術的要素のある実用品は「応用美術」と呼ばれ、著作物として保護されるかどうか、著作権法上は明文の規定がない。著作権に詳しい早稲田大の上野達弘教授は「裁判例や学説もさまざまだ。最高裁判決はデザイナーの権利の在り方に影響があり、今後の議論の指針になるだろう」と話した。判決は24日午後3時に言い渡される。
(2026/04/22)
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