社会保険2026年04月22日 社会保険料の負担軽減 年金生活者優先度低い 提供:共同通信社

超党派の「社会保障国民会議」は、有識者会議で給付付き税額控除の制度設計について議論を進めている。有識者会議のメンバーで大和総研の是枝俊悟主任研究員(40)に課題を聞いた。是枝氏は、低所得の労働者を対象にした「社会保険料還付付き税額控除」を提唱している。
―給付付き税額控除を導入する目的は。
「働いても所得が少なく税や社会保険料の負担が重い人に手を差し伸べることだ。就労を促す制度設計も重要になる」
―支援すべき対象は。
「所得が平均より低い層は経済協力開発機構(OECD)加盟諸国と比べ、税金などの負担率が高く、特に社会保険料が重くのしかかっている。平均的な所得がある層は負担が重い水準にはない」
―提唱する社会保険料還付付き税額控除とは。
「まず一定の所得税の税額控除をし、引き切れない場合に、労働所得に応じて払う社会保険料の範囲で給付する。就労を促し、社会保険料負担の軽減に焦点を当てて支援できるのがポイントだ」
―支援の対象から外れる層の反発も予想される。
「客観的にデータを伝える必要がある。年金生活者は年金保険料を負担し終え、年金収入には所得控除もある。年金生活者や高所得層は、負担軽減の優先度が低い」
―金融資産の把握が必要という議論もある。
「制度設計による。支援の金額が高くなれば、それだけ対象者の資産を把握する必要性も高まる。一方、仮に平均以下の所得で働く人を支援する場合、資産を捕捉する必要性がどれだけあるのか。国民が何を重視し、何を選択するかだ」
―本格的な仕組みをつくるには時間がかかるのか。
「既存の子育て支援や生活保護、年金も含めた社会保障制度の組み替えが必要になる可能性がある。金融資産の把握が必要となれば、合意形成やシステム構築にも時間がかかる。10年から数十年の時間が必要だろう」
× ×
これえだ・しゅんご 1985年生まれ。2008年大和総研入社。22年から社会保障審議会年金部会委員。
(2026/04/22)
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