カートの中身空

閲覧履歴

最近閲覧した商品

表示情報はありません

最近閲覧した記事

行政2026年05月04日 揺らぐ秩序、9条焦点 抑止と対話「第三の道を」 提供:共同通信社

 憲法改正の「時は来た」とアクセルを踏む高市早苗首相の下で初めて憲法記念日を迎えた。改めて焦点となるのが、9条改正の是非だ。軍事大国による武力行使や威嚇に歯止めがかからず、抑止力強化が不可欠だとする改憲派に対し、護憲派は「誤った戦争」に巻き込まれかねないと危機感を強める。国際秩序が揺らぐ中、深まり続ける両者の溝。元防衛官僚は、抑止と対話の両輪を回す「第三の道」を進むべきだと訴える。

▽一変
 「中国の核戦力強化を見れば、憲法を改め、自国の防衛の在り方を示すべきだ」。3日、東京都内で開かれた改憲派の集会に参加した杉並区の菱倉義成さん(74)はこう指摘した上で「侵略された際、9条の条文を見せれば、引き返してくれるのか」と問題提起した。
 以前は自衛隊違憲論を解消し「普通の国になる」との訴えが中心だった改憲派だが、最近は「安全保障環境の悪化」を強調する機会が増えた。
 念頭にあるのは台湾有事だ。2021年、当時の米軍司令官が「脅威は6年以内に明白になる」と言及。その後も中国が台湾に侵攻するとの観測はやまず、台湾問題が「武力紛争に発展する現実の可能性はない」(1972年の外相答弁)としていた状況は一変した。
 国際情勢の緊迫化を受け、政府は専守防衛の転換を進める。岸田政権下の22年、敵基地を攻撃する「反撃能力」の保有が決まり、高市首相は今年4月に「武器輸出解禁」を決定。安保関連3文書の改定に向けた有識者会議では「ロシアのウクライナ侵攻や中東情勢を教訓に、長期戦に備えた継戦能力の確保が必要だ」と踏み込んだ。

▽ハードル
 護憲勢力の危機感はかつてなく高まっている。自民党が圧勝した衆院選以降、改憲反対を掲げる集会が各地で開かれ、国会前では回を重ねるごとに参加者が増加。4月8日の集会には主催者発表で約3万人が集まった。
 背景にあるのは、国民に十分な説明をしないまま「戦争参加」のハードルを下げたことへの怒りと不信感だ。
 会社員の山本歩美さん(29)は同16日に東京・新宿で行われた集会でマイクを握り「弟が誰かを殺すことも、誰かに殺されることも絶対にあってはならない」と訴えた。
 3歳下の弟は災害救助に取り組む自衛隊の姿に憧れ、高校卒業後に入隊した。米国によるイラン攻撃後、ホルムズ海峡への自衛隊派遣が取り沙汰されると「戦闘に巻き込まれるのでは」と不安が募り、眠れなくなった。

▽価値
 現時点で自衛隊はホルムズ海峡に派遣されていない。憲法上の制約が歯止めをかけていると言え、山本さんは「戦争放棄の仕組みを緩めるべきではない」とも語った。
 憲法記念日の3日に護憲派の集会に足を運んだ横浜市の高橋聡明さん(82)は「首相は今こそ平和憲法の価値を世界に発信すべきなのに、戦争に向かうようなことばかりしている」と批判した。
 日本の平和という目標を一にしながら、対立を深める改憲派と護憲派。旧防衛庁出身の柳沢協二・元内閣官房副長官補は「資源を持たず、人的リソースも限られる日本が他国と軍事力を競い合うのは現実的ではない」とし「戦争回避の取り組みは抑止力だけでなく、対話を通じて緊張を緩和する外交との両輪にすべきだ」と語った。

(2026/05/04)

(本記事の内容に関する個別のお問い合わせにはお答えすることはできません。)

ここから先は新日本法規WEB会員の方のみ
ご覧いただけます。

会員登録していただくと、会員限定記事・動画の閲覧のほか、様々なサービスをご利用いただけます。登録は簡単・無料です。是非ご利用ください。

ログイン新規会員登録

人気記事

人気商品

  • footer_購読者専用ダウンロードサービス
  • footer_法苑WEB
  • footer_裁判官検索