一般2026年07月22日 続発する葬儀トラブル 相談千件超、料金絡み センター対策呼びかけ 提供:共同通信社

葬儀のトラブルが増加傾向だ。2025年度に全国の消費生活センターなどに寄せられた相談は千件を超え、記録の残る16年度以降で最多となった。高額なプランの勧誘や追加費用の請求など料金が絡んだものが多い。国民生活センターはトラブル防止策として、必要なサービスの早期確認などを求めている。
「インターネット広告には50万円のプランがあったが、120万円のプランを提案された」「見積書にはプラン名程度しか記載がなかったが、会食などの追加費用で総額200万円を超えた」
センターによると、こうした内容を含め今年6月末時点で、葬儀関連の相談は25年度に1007件あった。内訳(複数回答)は「高価格・料金」が527件と最多で、「説明不足」は382件、見積もりに関するものが213件と続いた。
センターは背景に、参列者を身内に絞る家族葬や、通夜を省略する1日葬など葬儀形態の変化のほか、遺体に防腐処置を施し一定期間保存可能にする「エンバーミング」などサービスの複雑化を指摘。「家族葬なら安いはずだ」といった思い込みや、葬儀社の説明不足が影響しているとみている。
対策として、1家族が亡くなる前など早いうちから参列者の人数や必要なサービスを確認する2葬儀社との打ち合わせは喪主1人ではなく複数人で参加する3見積書の内容をよく確認する―の三つを挙げた。
葬儀コンサルタントの松瀬教一さんによると、火葬場の使用料や仕出し料理代のような葬儀社が受け取らない料金が追加請求されるケースが多い。「ただ見積書を読むのではなく、『総額』以外に料金は発生しないのかを業者に質問してほしい」と呼びかけた。
背景に「仲介業者」も 許認可不要、参入容易
葬儀トラブル増加の背景に何があるのか。葬祭業関係者や有識者は、葬儀形態の変化などのほか、葬祭業が新規参入しやすいことや、インターネットで依頼を受け付け、別の業者に仕事を割り振る「仲介業者」の存在を指摘した。
葬儀や法要などを執り行う葬祭業は、開業に国や自治体の許認可を必要としない。約1200社が加盟する全日本葬祭業協同組合連合会(全葬連)の松本勇輝専務理事は「高齢化社会をチャンスと考え、行き過ぎた営業をかける事業者も参入しているのではないか」との見方を示す。
全葬連はトラブル防止のため、消費者と事業者に向けた「葬祭サービスガイドライン」をネットで公開している。ただ、全葬連に非加盟の葬祭業者は数千社あるとみられ「やれることに限りがある」と明かす。
京都市の寺院の住職でジャーナリスト鵜飼秀徳さんは、ネット広告で集客する仲介業者の登場が問題を複雑化させたとみる。「広告では安くて内容も充実しているとうたうが、実務を請け負う葬儀社はそんな価格では引き受けられない」。依頼人からすると「話が違う」となり、トラブルに発展しがちだという。
(2026/07/22)
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