一般2026年08月15日 副首都、振興へ追い風期待 具体像見えず困惑自治体も 提供:共同通信社

「副首都」構想が地域振興の追い風になるとの期待が自治体に広がっている。「大阪ありき」と批判を集めた副首都関連法だが、税制措置などを念頭に準備を急ぐ動きもあり、競争になりそうだ。一方で、制度の具体像が見えず、検討に踏み出せないという困惑の声も。識者は「国は早期に公正公平な制度を整えるべきだ」と指摘する。
▽波及効果
愛知県と福岡県は8月、副首都指定に向けた協議会の初会合をそれぞれ開いた。先行して準備を進めてきた大阪を見据え、取り組みを加速する。愛知県は「製造品出荷額が48年連続で全国1位だ」と強調。副首都を目指す理由の一つに「日本の経済の中心であることを改めて認識してもらうブランディング効果」を挙げた。
福岡県の担当者は、人口や経済の規模に加え「災害リスクが低く、国の出先機関が集積している」点をアピールする。「想定される指定要件と照らして高いポテンシャルを有している」と自信を見せた。
副首都法が目指す「多極分散型経済圏の形成」や、それに伴う東京一極集中の是正には、副首都申請を検討していない地域でも賛同が広がる。共同通信のアンケートでは「周囲の県にも経済的な発展のメリットがある」(三重県)など、周辺地域への波及効果に期待する自治体が複数あった。
▽様子見
一方で、制度の詳細が分からないとの困惑の声も相次いだ。岩手県は「制定過程が性急で詳細が不明」と指摘。栃木県は「現時点では報道などの情報に基づく判断とならざるを得ない」と様子見の姿勢を示した。
ある政令市の担当者は、副首都法の政令や基本方針が定まった段階で検討したいと話す。「関心はあるが何をしたらよいのか分からず、動き出せないのが正直なところだ」と戸惑いを見せた。
▽異例
副首都を検討する広島県は、まだ具体的な手続きには着手していない。国がまず副首都の役割や機能などを整理すべきだとした上で「地方の意見を反映しながら議論を進めてほしい」と訴えた。
中央大の礒崎初仁教授(地方自治論)は、副首都を目指す自治体の狙いを「税制上の優遇などに加え、候補として手を挙げることで存在感の向上につなげたいのでは」と分析する。
一方で、副首都の要件をほとんど政令に委ねる副首都法は立法例として「異例」と指摘。制度の全体像が見えず自治体が対応しづらいとして「国は地方側の意見も聞いて早期に基準と手続きを示し、公正に選定すべきだ」と話した。
東京一極集中の是正狙う 「大阪ありき」批判も
「副首都」構想関連法の成立を受け、複数の自治体が指定に名乗りを上げています。
Q 副首都構想とは。
A 災害時に首都機能を東京都以外の道府県が代替し、副首都を中心とした経済圏の形成による東京一極集中の是正も同時に図る政策です。日本維新の会が提唱し、2025年10月、自民党との連立政権合意書に「法案を成立させる」と盛り込まれました。
Q 副首都になったらどうなるの。
A 東京が被災した際にバックアップを担います。指定された道府県は規制緩和や税制優遇の対象になります。
Q 選定方法は。
A 道府県の申請を受け、首相が指定します。東京圏との同時被災の可能性が低い地域が対象になる見込みです。さらに1国の出先機関の立地2人口・経済の集積3必要な地方行政体制―について、政令で定める要件を満たす必要があります。3は東京23区のような特別区の設置や、道府県と政令市による「連携協約」の締結が想定されています。政府は今秋にも具体的な要件を政令で定める見通しです。複数の道府県が指定される可能性もあります。
Q いつ指定されるの。
A 明確に決まっていませんが、維新の一部には年内の「大阪指定」を期待する声があります。「大阪ありき」と批判する野党側は、拙速な指定に反対しています。
(2026/08/15)
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