会計ニュース2003年01月06日 エンロン事件の余波!開示項目の拡充の方向性固まる 金融審・リスク情報、MD&A、ガバナンス関連情報の開示へ
エンロン事件の余波!開示項目の拡充の方向性固まる
金融審・リスク情報、MD&A、ガバナンス関連情報の開示へ
金融審議会金融分科会第一部会(部会長:神田秀樹東京大学法学部教授)は12月16日に部会を開催。有価証券報告書の記載事項の拡充方針を定めた。今回、新たに開示の対象となるのがリスク情報、ガバナンス関連情報、MD&A(経営者による財務・経営分析)の3つ。また、財務諸表の記載内容の適正性に関する代表取締役の確認も容認規定として加わる。エンロン事件への反省点を踏まえ、かつ、米国の企業会計改革法を意識した提案となっている。
一方、日本公認会計士協会は平成14年12月10日に「特別目的会社(SPC)に関する調査結果報告」をまとめ、12月19日に公表した。エンロン事件においてSPCが粉飾決算に用いられていたことを受けて、日本におけるSPCの実態調査に乗り出したもの。そこでは、SPCに関する開示項目不足が指摘されており、今後拡充するよう提案されている。
経営者報酬、監査報酬の開示も
リスク情報としては、現行の有価証券届出書における「事業の概況等に関する特別記載事項」として例示されている事項(特定の取引先・製品・技術等への依存、特有の法的規制・取引慣行・経営方針、重要な訴訟事件等の発生など)が想定されている。
ガバナンス関連情報としては、会社の機関の内容、内部統制システム・リスク管理体制の整備の状況、役員報酬、監査報酬などに関する情報等が例示されている。
ここで注目に値するのは、役員報酬と監査報酬の開示だ。役員報酬については社内取締役と社外取締役とに分けて開示(おのおの総額のみ)されることとなる。
また、監査報酬については監査契約に基づく監査証明に係る報酬とそれ以外の報酬の区分となる。それ以外の報酬に関して、金融審議会公認会計士制度部会は、被監査企業への非監査証明業務の同時提供の原則禁止の方針を打ち出していることから、今後は契約の見直しを迫られることが必至の状況だ。
MD&Aの具体例としては、経営成績に重要な影響を与える要因についての分析、資本及び流動性の源泉に係る情報等が考えられている。
会計士協会はSPCに関する開示求める
一方、会計士協会がまとめた報告書では、現状のSPCに関する情報の開示不足を認め、統一した開示基準の設定等を検討する必要があると指摘している。具体的に、<1>SPCの概要、<2>SPC設立の目的、<3>SPCとの取引の内容、<4><3>の取引がオリジネーターの財務諸表に与える内容、<5>関連当事者に関する開示と同様の情報-について開示を行うことを提案している。減損会計導入を目前に、不動産流動化目的のSPC設立は今後増大すると思われることから、一刻も早い制度整備が求められるといえそうだ。
金融審・リスク情報、MD&A、ガバナンス関連情報の開示へ
金融審議会金融分科会第一部会(部会長:神田秀樹東京大学法学部教授)は12月16日に部会を開催。有価証券報告書の記載事項の拡充方針を定めた。今回、新たに開示の対象となるのがリスク情報、ガバナンス関連情報、MD&A(経営者による財務・経営分析)の3つ。また、財務諸表の記載内容の適正性に関する代表取締役の確認も容認規定として加わる。エンロン事件への反省点を踏まえ、かつ、米国の企業会計改革法を意識した提案となっている。
一方、日本公認会計士協会は平成14年12月10日に「特別目的会社(SPC)に関する調査結果報告」をまとめ、12月19日に公表した。エンロン事件においてSPCが粉飾決算に用いられていたことを受けて、日本におけるSPCの実態調査に乗り出したもの。そこでは、SPCに関する開示項目不足が指摘されており、今後拡充するよう提案されている。
経営者報酬、監査報酬の開示も
リスク情報としては、現行の有価証券届出書における「事業の概況等に関する特別記載事項」として例示されている事項(特定の取引先・製品・技術等への依存、特有の法的規制・取引慣行・経営方針、重要な訴訟事件等の発生など)が想定されている。
ガバナンス関連情報としては、会社の機関の内容、内部統制システム・リスク管理体制の整備の状況、役員報酬、監査報酬などに関する情報等が例示されている。
ここで注目に値するのは、役員報酬と監査報酬の開示だ。役員報酬については社内取締役と社外取締役とに分けて開示(おのおの総額のみ)されることとなる。
また、監査報酬については監査契約に基づく監査証明に係る報酬とそれ以外の報酬の区分となる。それ以外の報酬に関して、金融審議会公認会計士制度部会は、被監査企業への非監査証明業務の同時提供の原則禁止の方針を打ち出していることから、今後は契約の見直しを迫られることが必至の状況だ。
MD&Aの具体例としては、経営成績に重要な影響を与える要因についての分析、資本及び流動性の源泉に係る情報等が考えられている。
会計士協会はSPCに関する開示求める
一方、会計士協会がまとめた報告書では、現状のSPCに関する情報の開示不足を認め、統一した開示基準の設定等を検討する必要があると指摘している。具体的に、<1>SPCの概要、<2>SPC設立の目的、<3>SPCとの取引の内容、<4><3>の取引がオリジネーターの財務諸表に与える内容、<5>関連当事者に関する開示と同様の情報-について開示を行うことを提案している。減損会計導入を目前に、不動産流動化目的のSPC設立は今後増大すると思われることから、一刻も早い制度整備が求められるといえそうだ。
当ページの閲覧には、週刊T&Amasterの年間購読、
及び新日本法規WEB会員のご登録が必要です。
週刊T&Amaster 年間購読
新日本法規WEB会員
試読申し込みをいただくと、「【電子版】T&Amaster最新号1冊」と当データベースが2週間無料でお試しいただけます。
人気記事
人気商品
-
-
団体向け研修会開催を
ご検討の方へ弁護士会、税理士会、法人会ほか団体の研修会をご検討の際は、是非、新日本法規にご相談ください。講師をはじめ、事業に合わせて最適な研修会を企画・提案いたします。
研修会開催支援サービス -
Copyright (C) 2019
SHINNIPPON-HOKI PUBLISHING CO.,LTD.