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解説記事2013年07月29日 【税制改正解説】 平成25年度税制改正における法人税関係の改正について(2013年7月29日号・№509)

税制改正解説
平成25年度税制改正における法人税関係の改正について
 浅野健次

はじめに

 平成25年度税制改正においては、特に、現下の経済状況等を踏まえ、「成長と富の創出の好循環」の実現に向け、民間投資の喚起、雇用・所得の拡大、中小企業対策・農林水産業対策等のための税制上の措置を講ずること、また、社会保障・税一体改革を着実に実施するため、所得税、相続税及び贈与税についての所要の措置、住宅取得に係る税制上の措置を講ずること、さらに、震災からの復興を支援するための税制上の措置を講ずることとされ、関係法令の改正が行われた。
 このうち法人税関係(国際課税関係を除く。)について、解説するものである。

法人税法の改正

Ⅰ 企業再生関係税制

1 改正の内容
(1)民事再生等の場合の資産の評価益又は評価損の益金又は損金算入
 ① 評価損益の計上に適しない資産の範囲の見直し
 評価損益の計上に適しない資産の範囲から、評価損益が少額の資産が除外された(法令旧24の2④五)。
 この改正に伴い、少額の減価償却資産の取得価額の損金算入(法令133)又は一括償却資産の損金算入(法令133の2①)の規定の適用を受けた減価償却資産その他これに類する減価償却資産が追加された(法令24の2④五)。
 ② 株式会社企業再生支援機構の改組に伴う改正  株式会社企業再生支援機構法の一部を改正する法律(平25年法律第2号)により、株式会社企業再生支援機構法が改正され、株式会社企業再生支援機構が株式会社地域経済活性化支援機構に改組されたことに伴う規定の整備が行われた(法令24の2①一・五、法令96④十三、法規8の6①二・②)。
(2)民事再生等による債務免除等があった場合の欠損金の損金算入  民事再生等による債務免除等があった場合の欠損金の損金算入(民事再生等の場合の資産の評価益又は評価損の益金又は損金算入の適用を受ける場合を除く。)について、青色欠損金等の控除前の所得金額が債務免除等を受けた金額の合計額を超える場合における繰越欠損金の損金算入額は、青色欠損金等の控除後の所得の金額からその超える部分の20%相当額を控除した金額を限度とすることとされた(法法59②)。したがって、法人が民事再生等による債務免除等があった場合の欠損金の損金算入(民事再生等の場合の資産の評価益又は評価損の益金又は損金算入の適用を受ける場合を除く。)の適用を受ける事業年度において、債務免除等を受けた金額の合計額を超える所得の金額がある場合には、少なくともその超える部分の所得の金額の20%相当額の金額がその事業年度の最終的な所得の金額となる。
 なお、中小法人等については、これまでと同様に青色欠損金控除後の所得金額を限度として繰越欠損金を損金算入できることとされている。
(注)中小法人等とは、次の法人をいう。
 ① 普通法人のうち、資本金の額若しくは出資金の額が1億円以下であるもの又は資本金又は出資を有しないもの。ただし、次の法人を除く。
  ・ 大法人(資本金の額又は出資金の額が5億円以上である法人、相互会社及び外国相互会社並びに法人課税信託に係る受託法人をいう。)との間にその大法人による完全支配関係がある法人
  ・ 相互会社
  ・ 法人課税信託の受託法人
 ② 公益法人等又は協同組合等
 ③ 人格のない社団等

2 適用関係 (1)上記1(1)①の改正は、平成25年4月1日以後に再生計画認可の決定に準ずる事実が生ずる場合について適用し、同日前に再生計画認可の決定に準ずる事実が生じた場合については従前どおりとされている(改正法令附則3)。
(2)上記1(1)②の改正は、株式会社企業再生支援機構法の一部を改正する法律の施行に合わせ、平成25年3月18日から施行されている。
(3)上記1(2)の改正は、平成25年4月1日以後に再生手続開始の決定があったことその他これに準ずる事実が生ずる場合について適用し、同日前に再生手続開始の決定があったことその他これに準ずる事実が生じた場合については従前どおりとされている(改正法附則9)。

Ⅱ 組織再編税制の見直し

1 改正の内容
(1)支配関係がある法人の間で適格合併等が行われた場合の繰越青色欠損金額に係る制限制度における引継対象外未処理欠損金額の計算について、次の見直しが行われた。
 ① 支配関係がある法人間の適格合併等の日以前2年以内に特定支配関係法人を被合併法人等とする特定適格組織再編成等が行われていた場合において、その特定適格組織再編成等により移転があった一定の資産のうちその適格合併等に係る被合併法人等が有することとなったものは、その適格合併等に係る被合併法人等が支配関係発生日において有するものとみなして、引継対象外未処理欠損金額を計算することとされた(法令112⑥、法規26の2)。
 ② 支配関係がある法人間の適格合併等の日以前2年以内に特定支配関係法人を被合併法人とする適格合併が行われていた場合等において、その適格合併等に係る被合併法人等の各事業年度において生じた欠損金額とみなされたもののうちに、各特定支配関係法人の特定資産譲渡等損失相当欠損金額に相当する金額があるときは、その金額は引継対象外未処理欠損金額に加算することとされた(法令112⑦⑧)。
 ③ 上記②の引継対象外未処理欠損金額に加算する金額について、特定支配関係法人の支配関係事業年度の前事業年度終了の時における時価純資産価額に基づきその加算する金額の基礎となる特定資産譲渡等損失相当額を計算することができることとされた(法令113⑧~⑩、法規26の2の2③)。
(2)支配関係がある法人間で適格組織再編成等が行われた場合の繰越青色欠損金額に係る制限制度におけるないものとされる欠損金額の計算について、上記(1)と同様の見直しが行われた(法令112⑪、113⑪)。
(3)特定資産に係る譲渡等損失額の損金不算入制度について、次の見直しが行われた。
 ① 法人が特定適格組織再編成等により移転を受けた資産のうちに、支配関係法人がその特定適格組織再編成等の日以前2年以内に行われた関連法人を被合併法人等とする前特定適格組織再編成等により移転があった一定の資産で関連法人のいずれかが関連法人支配関係発生日前から有していたものがある場合には、その資産は、特定引継資産に該当することとされた(法令123の8⑫⑮⑰⑱、法規27の15③④)。
 ② 法人が特定適格組織再編成等の直前において有する資産のうちに、特定適格組織再編成等の日以前2年以内に行われた関連法人を被合併法人等とする前特定適格組織再編成等により移転があった一定の資産で関連法人のいずれかが関連法人支配関係発生日前から有していたものがある場合には、その資産は、特定保有資産に該当することとされた(法令123の9④⑦)。
 ③ 上記①及び②により特定引継資産又は特定保有資産に該当することとなる資産について、関連法人の支配関係事業年度の前事業年度終了の時における時価純資産価額によりその資産の譲渡等による損失の額等を計算することができることとされた(法令123の9⑥⑧)。

2 適用関係  上記1(1)の改正は、合併法人等と平成25年4月1日以後にその合併法人等との間に最後に支配関係があることとなった被合併法人等との間で行われる適格合併又は同日以後に合併法人等との間に最後に支配関係があることとなった被合併法人等の残余財産の確定について適用し、合併法人等と同日前にその合併法人等との間に最後に支配関係があることとなった被合併法人等との間で行われた適格合併又は同日前に合併法人等との間に最後に支配関係があることとなった被合併法人等の残余財産の確定については、従前どおりとされている(改正法令附則5①)。
 上記1(2)の改正は、内国法人と平成25年4月1日以後にその内国法人との間に最後に支配関係があることとなった支配関係法人との間で行われる適格組織再編成等について適用し、内国法人と同日前にその内国法人との間に最後に支配関係があることとなった支配関係法人との間で行われた適格合併又は同日以後に合併法人等との間に最後に支配関係があることとなった被合併法人等の残余財産の確定については、従前どおりとされている(改正法令附則5②)。
 上記1(3)の改正は、内国法人と平成25年4月1日以後にその内国法人と支配関係があることとなった支配関係法人との間で行われる特定適格組織再編成等について適用し、内国法人と同日前にその内国法人と支配関係があることとなった支配関係法人との間で行われた特定適格組織再編成等については従前どおりとされている(改正法令附則6)。

Ⅲ 連結納税制度

1 連結子法人株式の帳簿価額の修正
(1)改正の内容
 投資簿価修正を行うこととなる事由が、他の連結法人にみなし配当が生ずる基因となる事由が生じたことである場合において、他の連結法人の調整積立金額が0を超えるとき又はみなし配当の額があるときに限り、修正額を零から既修正等額を減算した金額とすることとされた(法令9③一)。したがって、調整積立金額が零又はマイナスである場合で、かつ、みなし配当の額が生じない場合における修正額は、連結期間中の連結個別利益積立金額の増加額又は減少額に相当する金額から既修正等額を減算した金額となる。
 なお、調整積立金額とは、連結期間中の連結個別利益積立金額の増減額から①の金額を減算し、連結個別利益積立金額の増減額に②の金額を加算した金額をいう。
① 適格合併等により他の連結法人から引き継いだ他の連結法人の連結加入前の利益積立金額
② 適格分割により他の連結法人に引き継いだ分割法人である連結法人の連結加入前の利益積立金額
(2)適用関係  上記(1)の改正は、平成22年10月1日以後のみなし配当が生ずる基因となる事由について適用することとされている。ただし、法人又は連結親法人の選択により、その法人の平成25年4月1日前に開始した事業年度の所得に対する法人税又はその連結親法人若しくはその連結親法人による連結完全支配関係にある連結子法人の連結親法人事業年度が同日前に開始した連結事業年度の連結所得に対する法人税については、改正前の規定を適用することができることとされている(改正法令附則2)。

2 連結特定同族会社の特別税率
(1)改正の内容
 留保金額又は連結留保金額に加算することとなるその配当等の額の支払に係る基準日においてその連結法人との間に連結完全支配関係がある他の法人に支払う配当等の額に適格現物分配に係る配当等の額を含めることとされた(法令139の8②、155の23②)。したがって、連結法人間で適格現物分配が行われた場合において、その適格現物分配に係る配当等の額は、連結留保金額に加算することとなる。
 なお、この改正に伴い、留保金個別帰属額の計算においては、適格現物分配により資産の移転を受けたことにより生ずる収益の額で個別益金額に算入されなかった金額として連結所得の金額の計算上益金の額に算入されなかった金額は、その連結法人の連結留保金個別帰属額に加算することとされた(法令155の43②二)。したがって、留保金個別帰属額を計算する場合には、現金による配当等の額と同様に、受け手である法人(被現物分配法人)の留保金個別帰属額を構成することとなる。
(2)適用関係  上記(1)の改正は、連結法人の連結親法人事業年度が平成25年4月1日以後に開始する連結事業年度の連結所得に対する法人税について適用し、連結法人の連結親法人事業年度が同日前に開始した連結事業年度の連結所得に対する法人税については、従前どおりとされている(改正法令附則11、14)。

3 連結子法人を被合併法人とする合併等が行われた場合に連結欠損金額からないものとされる連結欠損金個別帰属額に相当する金額等の範囲の明確化  連結グループ内で連結子法人を被合併法人とする適格合併を行った場合又は連結子法人の残余財産が確定した場合には、これらの連結子法人の連結欠損金個別帰属額のうち最後の単体申告において欠損金額とみなされてこれらの連結子法人の所得の金額の計算上損金の額に算入された連結欠損金個別帰属額相当額は、連結欠損金額からないものとされるが、この連結欠損金額からないものとされる連結欠損金個別帰属額相当額には、法人税法第59条の規定により被合併法人である連結子法人又は残余財産が確定した連結子法人の所得の金額の計算上損金の額に算入された金額として法人税法第57条第5項の規定によりないものとされた金額が含まれることが明確化された(法法81の9⑤一・二、法令155の20①一、155の21②二⑤二)。

Ⅳ 貸倒引当金

1 改正の内容
(1)債務者について更生手続開始の申立て、再生手続開始の申立て、破産手続開始の申立て、特別清算開始の申立て又はこれらに準ずる事由が生じている場合の個別評価金銭債権につき貸倒引当金繰入額の損金算入ができることとされる再生手続開始の申立て等に準ずる事由に、次の要件を満たす電子債権記録機関による取引停止処分が追加された(法規25の3②)。
 ① 金融機関の総数の100分の50を超える数の金融機関に業務委託をしていること
(注)業務委託とは、電子記録債権法(平成19年法律第102号)第58条第1項の規定による同法第51条第1項に規定する電子債権記録業の一部の委託をいう。
 ② その業務規程に、業務委託を受けている金融機関はその取引停止処分を受けた者に対しその金融機関の有する債権を保全するための資金の貸付け以外の資金の貸付けをすることができない旨の定めがあること
(2)株式会社企業再生支援機構法が改正され、株式会社企業再生支援機構が株式会社地域経済活性化支援機構に改組されたことに伴い、の貸倒引当金繰入額の損金算入ができる法人の範囲(銀行、保険会社等の類型)について、所要の規定の整備が行われ、株式会社地域経済活性化支援機構は、引き続き貸倒引当金繰入額の損金算入ができる法人とされた(法令96④十三)。

2 適用関係  上記1(1)の改正は、平成25年4月1日から施行することとされている。なお、経過措置は設けられていないので、同日以後に債務者について、上記1(1)の事由が生じた債権について適用されることとなる。

Ⅴ 減価償却資産の耐用年数

1 改正の内容
 減価償却資産の耐用年数等に関する省令別表第2(機械及び装置の耐用年数表)55番「前掲の機械及び装置以外のもの並びに前掲の区分によらないもの」に区分される機械及び装置のうち、ブルドーザー、パワーショベルその他の自走式作業用機械設備の耐用年数が8年(改正前:17年)に短縮された(耐用年数省令別表第2)。

2 適用関係  上記の改正は、平成25年4月1日以後に開始する事業年度の所得に対する法人税について適用し、同日前に開始した事業年度の所得に対する法人税については、従前どおりされている(改正耐用年数省令附則②)。連結納税制度の場合についても同様である。

Ⅵ 青色申告書を提出しなかった事業年度の災害による損失金の繰越し
 災害損失欠損金額が生じた事業年度の確定申告書において災害損失の額の計算に関する明細を記載した確定申告書を提出していることとの要件について、災害損失欠損金額の生じた事業年度の確定申告書、修正申告書又は更正請求書に災害損失の額の計算に関する明細を添付していることとされた(法法58⑤)。これにより、災害損失欠損金額の生じた事業年度の確定申告書に災害損失の額の計算に関する明細の記載がない場合においても、その後において災害損失の額の計算に関する明細を記載した修正申告書又は更正請求書を提出している場合には、本制度の適用があることが明確化された。
 また、適格合併等が行われた場合においてその適格合併等に係る合併法人等に引き継がれる災害損失欠損金額の被合併法人等に係る要件及び連結欠損金額とみなされる災害損失欠損金額の連結子法人に係る要件についても同様の改正が行われている(法法58②⑤、81の9②、法令116の2①、155の19③二)。

租税特別措置法(法人税関係)の改正

第一 税額控除関係

Ⅰ 試験研究を行った場合の法人税額の特別控除制度

1 改正の内容
 特別試験研究費の範囲に他の者と共同して行う試験研究で一定の事項が定められているその他の者との契約又は協定に基づいて行われるもの、技術研究組合の組合員が協同して行う試験研究で一定の事項が定められているその技術研究組合の定款等に基づいて行われるもの及び特定中小企業者に委託する試験研究で一定の事項が定められているその特定中小企業者との契約又は協定に基づいて行われるものが追加される等の見直しが行われた(措法42の4⑫三、措令27の4⑧⑨、措規20①~⑧)。
 なお、連結納税制度の場合についても、同様の改正が行われている(措法68の9⑫三、措令39の39⑨⑩、措規22の23①~⑧)。

2 適用関係  上記1の改正は、法人が平成25年4月1日以後に支出する試験研究費の額について適用し、法人が同日前に支出した試験研究費の額については、なお従前の例によることとされている(改正法附則62、改正措令附則15)。連結納税制度の場合についても同様である(改正法附則74、改正措令附則21)。

Ⅱ 試験研究を行った場合の法人税額の特別控除制度の特例

1 改正の内容
 試験研究を行った場合の法人税額の特別控除制度の特例が改組され、青色申告書を提出する法人の平成25年4月1日から平成27年3月31日までの間に開始する各事業年度において、その各事業年度の所得の金額の計算上損金の額に算入される試験研究費の額がある場合に、試験研究費の総額に係る法人税額の特別控除制度における税額控除限度額等の上限を当期の法人税額の30%(本特例適用前:20%)とする措置とされた(措法42の4の2)。
 なお、連結納税制度の場合についても、同様の改正が行われている(措法68の9の2、措令39の39の2)。

2 適用関係  上記1の改正による改組後の制度は、法人の平成25年4月1日以後に開始する事業年度分の法人税について適用することとされている(改正法附則61)。連結納税制度の場合についても同様である。
 なお、連結子法人の平成25年4月1日前に開始した各連結事業年度においてその各連結事業年度の連結所得に対する調整前連結税額から控除された金額のうちその連結子法人に帰せられる金額については、本制度は、従来どおり適用できることとされており、この経過措置の適用について、所要の読替えを行うこととする調整規定が設けられている(改正法附則63、改正措令附則16)。連結納税制度の場合についても同様である(改正法附則75、改正措令附則22)

Ⅲ エネルギー環境負荷低減推進設備等を取得した場合の特別償却又は法人税額の特別控除制度(環境関連投資促進税制)

1 改正の内容
 次の見直しが行われた。
(1)平成25年4月1日から平成27年3月31日までの間に取得等をする特定エネルギー環境負荷低減推進設備等について、その事業の用に供した事業年度において、その普通償却限度額に加え、その取得価額まで特別償却ができる措置が講じられた。なお、この改正に伴い、本制度の適用期限が平成28年3月31日まで2年延長された(措法42の5①⑥⑦、措令27の5①③)。
(2)適用対象から補助金等をもって取得等をしたエネルギー環境負荷低減推進設備等が除外された(措法42の5⑨)。
(3)対象資産について、新エネルギー利用設備等に中小水力発電設備及び下水熱利用設備が、二酸化炭素排出抑制設備等に高断熱窓設備、氷蓄熱式冷凍機組込型空気調和機、高効率照明設備及び定置用蓄電設備が、それぞれ追加されるとともに、エネルギー使用合理化設備が除外される等の見直しが行われた(措法42の5①、旧措法42の5①二イ、旧措令27の5④⑥一、旧措規20の②一)。
 なお、連結納税制度の場合についても、同様の改正が行われている(措法68の10①⑥~⑩、旧措法68の10①二イ、措令39の40①~③、旧措令39の40②③一、旧措規22の24②一)。

2 適用関係 (1)上記1(1)の改正は、法人が平成25年4月1日以後に取得等をする特定エネルギー環境負荷低減推進設備等について適用することとされている(改正法附則64③)。連結納税制度の場合についても同様である(改正法附則76③)。
(2)上記1(2)の改正は、法人が平成25年4月1日以後に取得等をするエネルギー環境負荷低減推進設備等について適用することとされている(改正法附則64④)。連結納税制度の場合についても同様である(改正法附則76④)。
(3)上記1(3)の改正は、法人が平成25年4月1日以後に取得等をする新エネルギー利用設備等及び二酸化炭素排出抑制設備等について適用し、法人が同日前に取得等をした新エネルギー利用設備等、二酸化炭素排出抑制設備等及びエネルギー使用合理化設備については、なお従前の例によることとされている(改正法附則64①②、改正措令附則17、改正告示前文)。連結納税制度の場合についても同様である(改正法附則76①②、改正措令附則23)。

Ⅳ 国際戦略総合特別区域において機械等を取得した場合の特別償却又は法人税額の特別控除制度

1 改正の内容
 対象資産に専ら開発研究の用に供される器具備品でその取得価額が1,000万円以上のものが追加された(措法42の11①、措令27の11①②、措規20の6②)。
 なお、連結納税制度の場合についても、同様の改正が行われている(措法68の15①、措令39の45①)。

2 適用関係  上記1の改正は、法人が平成25年4月1日以後に取得又は製作をする器具及び備品について適用することとされている(改正法附則65)。連結納税制度の場合についても同様である(改正法附則77)。なお、この場合の器具及び備品は、指定法人事業実施計画に記載されたものに限られる。

Ⅴ 雇用者の数が増加した場合の法人税額の特別控除制度(雇用促進税制)

1 改正の内容
 次の見直しが行われた。
(1)税額控除限度額を計算する場合における基準雇用者数を乗ずる金額が40万円(改正前:20万円)に引き上げられた(措法42の12①)。
(2)離職者に係る要件における離職者に高年齢雇用者が追加されるとともに、雇用の増加に係る要件における雇用者から高年齢雇用者が除外されたほか、所要の規定の明確化等が行われた(措法42の12①②⑤、措令27の12⑤~⑦⑨⑩)。
 なお、連結納税制度の場合についても、同様の改正が行われている(措法68の15の2①②⑤、措令39の45の2⑤~⑦⑨⑩)。

2 適用関係  上記1の改正は、法人の平成25年4月1日以後に開始する事業年度分の法人税について適用し、法人の同日前に開始した事業年度分の法人税については、なお従前の例によることとされている(改正法附則61)。連結納税制度の場合は、連結法人の連結親法人事業年度が平成25年4月1日以後に開始する連結事業年度分の法人税について適用し、連結法人の連結親法人事業年度が同日前に開始した連結事業年度分の法人税については、なお従前の例によることとされている(改正法附則78)。

Ⅵ 国内の設備投資額が増加した場合の機械等の特別償却又は法人税額の特別控除制度(生産等設備投資促進税制)(創設)

1 制度の概要
 青色申告書を提出する法人の平成25年4月1日から平成27年3月31日までの間に開始する各事業年度においてその法人が取得等をした生産等資産でその事業年度終了の日において有するものの取得価額の合計額が、その法人がその有する減価償却資産につきその事業年度においてその償却費として損金経理をした金額を超え、かつ、比較取得資産総額の110%を超える場合において、その法人がその事業年度において、その生産等資産のうち機械装置を国内にあるその法人の事業の用に供したときは、その機械装置の取得価額の30%の特別償却とその取得価額の3%の税額控除との選択適用ができる制度が創設された(措法42の12の2、措令27の12の2)。ただし、税額控除を適用する場合における税額控除限度額は、当期の法人税額の20%を上限とすることとされている。
(注)比較取得資産総額とは、適用対象年度開始の日の前日を含む事業年度において法人が取得等をした生産等資産でその事業年度の終了の日において有するものの取得価額の合計額とされている。すなわち、前事業年度における取得等をした生産等資産の取得価額の合計額となる。
 なお、連結納税制度の場合についても、同様の措置が講じられている(措法68の15の3、措令39の45の3)。

2 適用関係  上記の制度は、法人の平成25年4月1日以後に開始する事業年度から適用することとされている(措法42の12の2①)。また、連結納税制度の場合には、連結親法人又はその連結子法人の連結親法人事業年度が平成25年4月1日以後に開始する連結事業年度から適用することとされている(措法68の15の3①)

Ⅶ 特定中小企業者等が経営改善設備を取得した場合の特別償却又は法人税額の特別控除制度(連結:特定中小連結法人が経営改善設備を取得した場合の特別償却又は法人税額の特別控除制度)(創設)

1 制度の概要
 特定中小企業者等が、平成25年4月1日から平成27年3月31日までの間に、経営改善設備の取得等をして、その特定中小企業者等の営む指定事業の用に供した場合には、その指定事業の用に供した日を含む事業年度において、その経営改善設備の取得価額の30%の特別償却(特定中小企業者等のうち資本金の額等が3,000万円以下の法人等については、その取得価額の30%の特別償却とその取得価額の7%の税額控除との選択適用)ができる制度が創設された(措法42の12の3、措令27の12の3、措規20の8)。なお、税額控除を適用する場合における税額控除限度額は当期の法人税額の20%を上限とし、税額控除限度超過額は1年間の繰越しができることとされている。
 なお、連結納税制度の場合についても、同様の措置が講じられている(措法68の15の4、措令39の45の4、措規22の30)。

2 適用関係  上記の制度は、法人が平成25年4月1日以後に取得又は製作若しくは建設をする経営改善設備について適用することとされている(改正法附則66)。連結納税制度の場合についても同様である(改正法附則79)。

Ⅷ 雇用者給与等支給額が増加した場合の法人税額の特別控除制度(所得拡大促進税制)(創設)

1 制度の概要
 青色申告書を提出する法人が、平成25年4月1日から平成28年3月31日までの間に開始する各事業年度において、国内雇用者に対して給与等を支給しており、その法人の雇用者給与等支給増加額の基準雇用者給与等支給額に対する割合が5%以上である場合で、雇用者給与等支給額が比較雇用者給与等支給額以上であり、かつ、平均給与等支給額が比較平均給与等支給額以上であるときは、その雇用者給与等支給増加額の10%の税額控除ができる制度が創設された(措法42の12の4、措令27の12の4)。ただし、この場合における税額控除限度額は、当期の法人税額の10%(その法人が中小企業者等である場合には、当期の法人税額の20%)を上限とすることとされている。
(注1)雇用者給与等支給増加額は、雇用者給与等支給額から基準雇用者給与等支給額を控除した金額とされている。
(注2)雇用者給与等支給額とは、適用年度の所得の金額の計算上損金の額に算入される国内雇用者に対する給与等の支給額をいうこととされているが、その給与等に充てるため他の者から支払を受ける金額がある場合には、支給額からその支払を受ける金額を控除した金額とされている。
(注3)基準雇用者給与等支給額は、平成25年4月1日以後に開始する各事業年度又は各連結事業年度のうち最も古い事業年度又は連結事業年度開始の日の前日を含む事業年度又は連結事業年度(以下「基準事業年度等」という。)の所得の金額又は連結所得の金額の計算上損金の額に算入される国内雇用者に対する給与等の支給額(以下「給与等支給額」という。)をいうこととされている。すなわち、その法人の最初の適用年度となる事業年度又は連結事業年度の直前の事業年度又は連結事業年度を基準となる事業年度又は連結事業年度として、この基準事業年度等の給与等支給額が基準雇用者給与等支給額ということとなる。
(注4)比較雇用者給与等支給額とは、適用年度開始の日の前日を含む事業年度又は連結事業年度の所得の金額又は連結所得の金額の計算上損金の額に算入される国内雇用者に対する給与等の支給額をいうものとされている。すなわち、適用年度の前事業年度又は前連結事業年度の給与等支給額が比較雇用者給与等支給額ということとなる。
(注5)平均給与等支給額とは、適用年度の給与等支給額を給与等支給者数で除して計算した金額をいうものとされている。
(注6)比較平均給与等支給額とは、適用年度の前年度の平均給与等支給額とされている。
 なお、連結納税制度の場合についても、同様の措置が講じられている(措法68の15の5、措令39の45の5)。

2 適用関係  上記の制度は、法人の平成25年4月1日以後に開始する事業年度から適用することとされている(措法42の12の4①)。また、連結納税制度の場合には、連結親法人及びその各連結子法人の連結親法人事業年度が平成25年4月1日以後に開始する連結事業年度から適用することとされている(措法68の15の5①)。

第二 特別償却関係

Ⅰ 特定設備等の特別償却制度

1 制度の概要
 次の見直しが行われた上、その適用に係る対象船舶の指定期限が平成27年3月31日まで2年延長された。
(1)対象となる外航船舶について、その適用を受ける法人が、トン数標準税制の適用を受ける法人である場合には日本船舶に該当するものが、トン数標準税制の適用を受ける法人の子会社に該当する法人である場合には日本船舶に該当しないものが、それぞれ除外されるとともに、二酸化炭素放出抑制指標に関する基準を満たすこと等とする環境への負荷の低減に係る要件の見直しが行われた(措法43①、平25.3国土交通告340)。
(2)対象となる内航船舶について、環境への負荷の低減に係る要件の見直しが行われた(平25.3国土交通告340)。
 なお、連結納税制度の場合についても、同様の改正が行われている(措法68の16①)。 

2 適用関係 (1)上記1(1)の改正は、法人が平成25年4月1日以後に取得又は製作若しくは建設(以下「取得等」という。)をする船舶について適用し、法人が同日前に取得等をした船舶については、なお従前の例によることとされている(改正法附則67①)。連結納税制度の場合についても同様である(改正法附則80①)。
(2)上記1(2)の改正は、平成25年4月1日から適用することとされている(平25.3国土交通告340前文)。

Ⅱ 特定高度通信設備の特別償却制度

1 改正の内容
 本制度は、その適用期限(平成25年3月31日)の到来をもって廃止された(旧措法44の5、旧措令28の8、旧措規20の15の2)。
 なお、連結納税制度の場合についても、同様の改正が行われている(旧措法68の26、旧措令39の53、旧措規22の37の2)。

2 適用関係  上記1の改正は、法人が平成25年4月1日前に取得等をした特定高度通信設備については、従来どおり適用できることとされている(改正法附則67③)。連結納税制度の場合についても同様である(改正法附則80③)。

Ⅲ 特定信頼性向上設備の特別償却制度(創設)

1 制度の概要
 青色申告書を提出する法人で電気通信基盤充実臨時措置法に規定する実施計画の認定を受けたものが、平成25年4月1日から平成27年3月31日までの間に、その実施計画に記載された特定信頼性向上設備の取得等をして、これをその法人の事業の用に供した場合において、その特定信頼性向上設備が既に保管されている電磁的記録の保全に資するものであることにつき証明がされたときは、その特定信頼性向上設備の取得価額の15%の特別償却ができる制度が創設された(措法44の5、措令28の8、措規20の15)。
 なお、連結納税制度の場合についても、同様の措置が講じられている(措法68の26、措令39の53、措規20の15)。

2 適用関係  上記1の制度は、法人が平成25年4月1日以後に取得又は製作若しくは建設をする特定信頼性向上設備について適用することとされている(改正法附則67②)。連結納税制度の場合についても同様である(改正法附則80②)。

Ⅳ 特定地域における工業用機械等の特別償却制度

1 改正の内容
 次の見直しが行われた。
(1)半島振興対策実施地域に係る措置が改組され、青色申告書を提出する法人が、平成25年4月1日から平成27年3月31日までの間に、半島振興対策実施地域のうち産業の振興のための取組が積極的に推進される地区内において、一の設備を構成する減価償却資産で一定の規模のものの取得等をして、その取得等をしたその減価償却資産をその法人の製造業等の事業の用に供したときは、5年間、その減価償却資産のうち産業振興機械等の普通償却限度額の32%(産業振興機械等のうち建物等については、48%)の割増償却ができる措置とされた(措法45②、措令28の9⑭)。
(2)離島振興対策実施地域(過疎地域に類するものを含む。)に係る措置が改組され、青色申告書を提出する法人が、平成25年4月1日から平成27年3月31日までの間に、離島振興対策実施地域のうち産業の振興のための取組が積極的に推進される地区内において、一の設備を構成する減価償却資産で一定の規模のものの取得等をして、その取得等をしたその減価償却資産をその法人の製造業等の事業の用に供したときは、5年間、その減価償却資産のうち産業振興機械等の普通償却限度額の32%(産業振興機械等のうち建物等については、48%)の割増償却ができる措置とされた(措法45②、措令28の9⑰)。
(3)奄美群島に係る措置が改組され、青色申告書を提出する法人が、平成25年4月1日から平成26年3月31日までの間に、奄美群島のうち産業の振興のための取組が積極的に推進される地区内において、一の設備を構成する減価償却資産で一定の規模のものの取得等をして、その取得等をしたその減価償却資産をその法人の製造業等の事業の用に供したときは、5年間、その減価償却資産のうち産業振興機械等の普通償却限度額の32%(産業振興機械等のうち建物等については、48%)の割増償却ができる措置とされた(措法45②、措令28の9⑯)。
(4)過疎地域に係る措置及び振興山村に係る措置について、対象となる地区から上記(1)から(3)までの地区に該当する地区が除外された上、その適用期限が平成27年3月31日まで2年延長された(措法45①、措令28の9①一)。
 なお、連結納税制度の場合についても、同様の措置が講じられている(措法68の27、措令39の56、措規22の37)。

2 適用関係 (1)上記(1)~(3)の改正は、法人が平成25年4月1日以後に取得等をする産業振興機械等について適用することとされている(改正法附則67⑤)。連結納税制度の場合についても同様である(改正法附則80⑤)。
(2)上記(4)の改正は、法人が平成25年4月1日以後に取得又は製作若しくは建設をする減価償却資産について適用し、法人が同日前に取得又は製作若しくは建設をした減価償却資産については、なお従前の例によることとされている(改正法附則67④)。連結納税制度の場合についても同様である(改正法附則80⑤)。

Ⅴ 医療用機器等の特別償却制度

1 改正の内容
 次の見直しが行われた上、その適用期限が平成27年3月31日まで2年延長された(措法45の2①)。
(1)高度な医療の提供に資する機器に係る措置について、対象機器の除外・追加等の見直しが行われた(平25.3厚生労働告95)。
(2)医療の安全の確保に資する機器に係る措置について、対象機器から生体情報モニタ等の4機器が除外された(平25.3厚生労働告95)。
 なお、連結納税制度の場合についても、同様の改正が行われている(措法68の29①)。

2 適用関係  上記1の改正は、平成25年4月1日から適用することとされている(改正告示前文)。連結納税制度の場合についても同様である。

Ⅵ 支援事業所取引金額が増加した場合の3年以内取得資産の割増償却制度

1 改正の内容
 障害者自立支援法の一部改正等に伴う所要の規定の整備が行われた上、その適用期限が平成27年3月31日まで2年延長された(措法46の2①、措令29の2①一~三、旧措令29の2②、措規20の18⑨一~三、旧措規20の18②⑩六)。
 なお、連結納税制度の場合についても、同様の改正が行われている(措法68の32①、措令39の61①一~三、旧措令39の61②、措規22の39⑨一~三、旧措規22の39②⑩六)。

Ⅶ サービス付き高齢者向け賃貸住宅の割増償却制度

1 改正の内容
 その適用期限が平成28年3月31日まで3年延長された上、平成27年4月1日から平成28年3月31日までの間に取得等をしたサービス付き高齢者向け賃貸住宅の割増償却割合が次のとおり引き下げられた(措法47①)。
(1)耐用年数が35年未満であるもの 14%(改正前:28%)
(2)耐用年数が35年以上であるもの 20%(改正前:40%)
 なお、連結納税制度の場合についても、同様の改正が行われている(措法68の34①)。

2 適用関係  上記1の改正は、法人が平成25年4月1日以後に取得又は新築をするサービス付き高齢者向け賃貸住宅について適用し、法人が同日前に取得又は新築をしたサービス付き高齢者向け賃貸住宅については、なお従前の例によることとされている(改正法附則67⑥)。連結納税制度の場合についても同様である(改正法附則80⑥)。

Ⅷ 特定再開発建築物等の割増償却制度

1 改正の内容
 次の見直しが行われた上、その適用期限が平成27年3月31日まで2年延長された(措法47の2①)。
(1)本制度の適用対象から高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律の特別特定建築物に係る措置が除外された(旧措法47の2③三、旧措令29の5④⑤、旧措規20の21④三)。
(2)都市再生特別措置法の認定計画に基づく都市再生事業により整備される建築物に係る措置について、特定都市再生緊急整備地域に該当しない都市再生緊急整備地域内において整備される建築物の割増償却割合が40%(改正前:50%)に引き下げられた(措法47の2①③二)。
(3)都市再開発法の市街地再開発事業によって建築される建築物に係る措置について、対象となる市街再開発事業の施行される土地の区域の面積が5,000㎡以上であることとされた(措法47の2③一、措令29の5①)。
 なお、連結納税制度の場合についても、同様の改正が行われている(措法68の35、措令39の64、措規22の42)。

2 適用関係 (1)上記1(1)の改正は、法人が平成25年4月1日前に取得又は新築をした建築物については、従来どおり適用できることとされている(改正法附則67⑧、改正措令附則18、改正措規附則5)。連結納税制度の場合についても同様である(改正法附則80⑧、改正措令附則24、改正措規附則7)。
(2)上記1(2)及び(3)の改正は、法人が平成25年4月1日以後に取得又は新築をする特定再開発建築物等について適用し、法人が同日前に取得又は新築をした特定再開発建築物等については、なお従前の例によることとされている(改正法附則67⑦⑧、改正措令附則18、改正措規附則5)。連結納税制度の場合についても同様である(改正法附則80⑦⑧、改正措令附則24、改正措規附則7)。

Ⅸ 倉庫用建物等の割増償却制度

1 改正の内容
 対象となる倉庫用建物等の要件の見直しが行われた上、その適用期限が平成27年3月31日まで2年延長された(措法48①、平25.3国土交通告329)。
 なお、連結納税制度の場合についても、同様の改正が行われている(措法68の36①)。

2 適用関係  上記1の改正は、平成25年4月1日から施行することとされている(改正告示附則)。連結納税制度の場合についても同様である。

Ⅹ その他の特別償却制度
 次の特別償却制度の適用期限が、平成27年3月31日まで2年延長された。
1 関西文化学術研究都市の文化学術研究地区における文化学術研究施設の特別償却制度(措法43の2)
2 共同利用施設の特別償却制度(措法44の3)
3 特定農産加工品生産設備等の特別償却制度における新用途米穀加工品等製造設備に係る措置(措法44の4②)
 なお、連結納税制度の場合についても、同様の改正が行われている(措法68の17、68の24、68の25②)。

第三 準備金関係

Ⅰ 保険会社等の異常危険準備金制度

1 改正の内容
 火災保険等に係る積立率の特例における積立率が5%(改正前:4%)に引き上げられた上、火災保険等及び火災共済協同組合等の共済に係る積立率の特例の適用期限が平成28年3月31日まで3年延長された(措令33の5⑲⑳)。
 なお、連結納税制度の場合についても、同様の改正が行われている(措令39の83⑲⑳)。

2 適用関係  上記1の改正は、法人の平成25年4月1日以後に開始する事業年度分の法人税について適用し、法人の同日前に開始した事業年度分の法人税については、なお従前の例によることとされている(改正措令附則14)。連結納税制度の場合についても同様である(改正措令附則14)。

Ⅱ 中部国際空港整備準備金制度

1 改正の内容
 政令事項の制定を含む所要の規定の整備が行われた(措法57の7の2、68の57の2、措令33の6の3、39の84の3)。

2 適用関係  上記2の改正は、指定会社の平成25年4月1日以後に開始する事業年度分の法人税について適用することとされている(改正法附則61)。連結納税制度の場合についても同様である(改正法附則61)。

Ⅲ 探鉱準備金又は海外探鉱準備金制度

1 改正の内容
 次の見直しが行われた上、その適用期限が平成28年3月31日まで3年延長された(措法58②)。
(1)本制度の対象となる鉱物に希土類鉱等の16鉱物が追加された(措法58①、措令34①⑲、平25.3経済産業告85)。
(2)海外探鉱準備金に係る措置について、次の見直しが行われた。
 ① 対象となる法人に青色申告書を提出する法人で国内鉱業者に準ずるものが追加された(措法58②、措令34⑨、措規21の15③)。
 ② 海外自主開発法人の認定に係る要件について、その外国法人のその国内鉱業者等から出資等を受けている金額がその外国法人の資本金の額等の25%以上(改正前:50%以上)に、内国法人により引き取られていることとされる国外にある鉱山から採取される鉱物の数量がその鉱物の数量の30%以上(改正前:50%以上)に、それぞれ引き下げられる等の見直しが行われた(措法58②、措令34⑩、措規21の15④)。
 ③ 積立限度額が海外自主開発法人から取得した鉱物の販売による収入金額に係る採掘所得の金額の40%(改正前:50%)に引き下げられた(措法58②)。
 なお、連結納税制度の場合についても、同様の改正が行われている(措法68の61①②、措令39の88⑧⑨、措規22の59③④)。

2 適用関係  上記1(1)及び(2)の改正は、法人の平成25年4月1日以後に開始する事業年度分の法人税について適用することとされている(改正法附則61)。連結納税制度の場合についても同様である(改正法附則61)。

Ⅳ その他の準備金制度
 農業経営基盤強化準備金制度の適用期限が、平成27年3月31日まで2年延長された(措法61の2①)。
 なお、連結納税制度の場合についても、同様の改正が行われている(措法68の64①)。

第四 その他の特別措置関係

Ⅰ 対外船舶運航事業を営む法人の日本船舶による収入金額の課税の特例(連結:対外船舶運航事業を営む連結法人の日本船舶による収入金額の課税の特例)(トン数標準税制)

1 改正の内容
 適用対象となる日本船舶に特定準日本船舶が含められた上、適用対象となる法人の日本船舶・船員確保計画の認定に係る期限が平成26年3月31日まで延長された(措法59の2①、措令35の2②③、措規21の17①④)。
 なお、連結納税制度の場合についても、同様の改正が行われている(措法68の62の2①、措令39の89の2①~③、措規22の60①④)。

2 適用関係  上記1による改正後の本制度は、平成26年3月31日までに日本船舶・船員確保計画につき当初認定又は変更認定を受ける法人のその計画期間内の日を含む事業年度に係る法人税について適用することとされている(措法59の2①)。連結納税制度の場合についても同様である(措法68の62の2①)。
 なお、平成25年4月1日前に日本船舶・船員確保計画について当初認定又は変更認定を受けた法人の同日から平成26年3月31日までの間に開始する事業年度における本制度の適用については、日本船舶に特定準日本船舶を含めないこととする読替え規定が設けられている(改正法附則68①)。連結納税制度の場合についても同様である(改正法附則81①)。
 また、本制度は、その適用を受けようとする最初の事業年度開始の日の前日までに、届出書に日本船舶・船員確保計画の写し及びその日本船舶・船員確保計画についての当初認定又は変更認定に係る認定通知書の写しを添付して、納税地の所轄税務署長に提出した場合に限り、適用することとされているが、平成25年4月1日以後に日本船舶・船員確保計画について当初認定又は変更認定を受ける法人の同日から平成26年3月31日までの間に開始する事業年度がその適用を受けようとする最初の事業年度である場合については、その事業年度開始の日の前日までではなく、その事業年度開始の日以後2月を経過した日の前日までにその届出書を提出すればよいこととする読替え規定が設けられている(改正法附則68②、措法59の2②、措規21の17⑥)。連結納税制度の場合についても同様である(改正法附則81②、措法68の62の2②、措規22の60⑥)。

Ⅱ 交際費等の損金不算入

1 改正の内容
 交際費等の損金不算入制度における中小法人に係る定額控除額の特例について、定額控除限度額に達するまでの金額に係る損金不算入額が零(改正前:その定額控除限度額に達するまでの金額の10%)に引き下げられた上、定額控除限度額が800万円(改正前:600万円)に引き上げられた(措法61の4①)。
 なお、連結納税制度の場合についても、同様の改正が行われている(措法68の66①、措令39の95)。

2 適用関係  上記1の改正は、法人の平成25年4月1日以後に開始する事業年度分の法人税について適用し、法人の同日前に開始した事業年度分の法人税については、なお従前の例によることとされている(改正法附則61)。連結納税制度の場合は、連結法人の連結親法人事業年度が平成25年4月1日以後に開始する連結事業年度分の法人税について適用し、連結法人の連結親法人事業年度が同日前に開始した連結事業年度分の法人税については、なお従前の例によることとされている(改正法附則82)。

Ⅲ 確定申告書の提出期限の延長の特例に係る利子税の特例(連結:連結確定申告書の提出期限の延長の特例に係る利子税の特例

1 改正の内容
 景気調整対策上の措置を講ずることが必要な期間から租税特別措置法第93条第1項に規定する特例基準割合が適用される年に含まれる期間を除くこととされた(措令39の11①)。
 なお、連結納税制度の場合についても、同様の改正が行われている(措令39の111①)。

2 適用関係  上記1の改正は、平成26年1月1日から施行することとされている(改正措令附則1二)。

Ⅳ 特定の基金に対する負担金等の損金算入の特例

1 改正の内容
 対象となる負担金に委託者保護基金が行う一般顧客に対する補償対象債権の支払及び顧客資産の返還に必要な資金の貸付けに係る基金に充てるための負担金が追加された(措令39の22②十二)。
 なお、連結納税制度の場合についても、同様である。

2 適用関係  上記1の改正は、法人が金商法等一部改正法の公布の日(平成24年9月12日)から起算して1年6月を超えない範囲内において政令で定める日以後に支出する負担金について適用し、法人が同日前に支出した負担金については、なお従前の例によることとされている(改正措令附則20)。連結納税制度の場合についても同様である。

Ⅴ 社会保険診療報酬の所得計算の特例(改正後:社会保険診療報酬の所得の計算の特例(連結:社会保険診療報酬の連結所得の計算の特例))

1 改正の内容
 適用要件にその適用を受ける事業年度の総収入金額が7,000万円以下であることが追加された(措法67)。
 なお、連結納税制度の場合についても、同様の改正が行われている(措法68の99、措令39の122の2)。

2 適用関係  上記1の改正は、法人の平成25年4月1日以後に開始する事業年度分の法人税について適用することとされている(改正法附則61)。連結納税制度の場合についても同様である(改正法附則61)。

Ⅵ 中小企業者の事業再生に伴い特定の組合財産に係る債務免除等がある場合の評価損益等の特例(連結:中小連結法人の事業再生に伴い特定の組合財産に係る債務免除等がある場合の評価損益等の特例)(創設)

1 制度の概要
 青色申告書を提出する中小企業者について平成25年4月1日から平成28年3月31日までの間に再生計画認可の決定があったことに準ずる一定の事実が生じた場合(2以上の金融機関等が有するその中小企業者に対する債権が債務処理に関する計画によって特定投資事業有限責任組合契約に係る組合財産となる場合に限る。)には、その事実を民事再生等一定の事実が生じた場合の資産の評価益又は評価損の益金又は損金算入制度及び民事再生等一定の事実が生じたことにより債務免除等を受けた場合の欠損金の損金算入制度の対象となる事実とみなして、これらの制度の適用を受けることができる制度が創設された(措法67の5の2、措令39の28の2、措規22の17の2)。
 なお、連結納税制度の場合についても、同様の措置が講じられている(措法68の102の3、措令39の124の2、措規22の80)。

2 適用関係  上記1の制度は、平成25年4月1日以後に再生計画認可の決定があったことに準ずる一定の事実が生ずる場合について適用することとされている(改正法附則70)。連結納税制度の場合についても同様である(改正法附則84)。

Ⅶ 投資法人に係る課税の特例

1 改正の内容
 次の見直しが行われた。
(1)投資法人の計算に関する規則の一部改正に伴い、支払配当等の額が配当可能利益の額の90%を超えていることとする要件について、その配当可能利益の額の計算上、買換特例圧縮積立金に係る繰入額又は取崩額を控除又は加算する所要の調整措置が講じられた(措規22の19②四、③⑨)。
(2)投資信託及び投資法人に関する法律の一部改正に伴い、他の法人の発行済株式の総数等の50%以上を有していないこととする要件について、他の法人からその投資法人につき国外不動産の取得等を行うことができない場合におけるその投資法人に代わって専らその国外不動産の取得等を行うことを目的とする法人が除外された(措法67の15①二ヘ)。
(3)期限切れ欠損金の劣後控除における欠損金控除限度額の計算に係る所要の改正が行われた(措法67の15③)。

2 適用関係 (1)上記1(1)の改正は、投資法人の平成25年4月1日以後に開始する事業年度分の法人税について適用し、投資法人の同日前に開始した事業年度分の法人税については、なお従前の例によることとされている(改正措規附則6)。
(2)上記1(2)の改正は、投資法人の金融商品取引法等の一部を改正する法律(平成25年法律第45号)の公布の日(平成25年6月19日)から起算して1年6月を超えない範囲内において政令で定める日以後に終了する事業年度分の法人税について適用し、投資法人の同日前に終了した事業年度分の法人税については、なお従前の例によることとされている(改正法附則71)。

Ⅷ その他の租税特別措置

1 その他所要の整備
 次の制度について、期限切れ欠損金の劣後控除における欠損金控除限度額の計算に係る所要の改正が行われた。
(1)特定目的会社に係る課税の特例(措法67の14)
(2)特定目的信託に係る受託法人の課税の特例(措法68の3の2)
(3)特定投資信託に係る受託法人の課税の特例(措法68の3の3)

2 適用期限の延長 (1)技術研究組合の所得の計算の特例の適用期限が、平成27年3月31日まで2年延長された(措法66の10①)。
 なお、連結納税制度の場合についても、同様の改正が行われている(措法68の94①)。
(2)農林中央金庫等の合併に係る課税の特例の適用期限が、平成28年3月31日まで3年延長された(措法68の2)。

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