コラム2014年06月02日 【税実務Q&A】 一般財団法人の設立時における課税関係(2014年6月2日号・№548)
税実務Q&A
No.216 法人税・相続税>公益法人
一般財団法人の設立時における課税関係
公認会計士緑川事務所 税理士 村田道生
問 個人の寄附(金銭拠出)により財団法人を設立することを考えておりますが、非営利型を選択した場合には、収益事業以外の事業に係る源泉所得税について税額控除の適用を受けることができないため、営利型を選択しようと考えています。
この設立時の寄附について、どのような課税関係が生ずる可能性があるかを教えて下さい。
答 ご質問の設立する一般財団法人が営利型一般財団法人であれば、法人税法上、全所得課税となり、受け入れた寄附金の額が法人税の課税対象となります(法法4、法法22②)。なお、非営利型一般財団法人の場合は、収益事業課税となり、寄附金の受入れが法人税法上の収益事業に該当しないことから、法人税は課税されません(法法4)。
また、ご質問の寄附は、持分のない法人に対する財産の贈与に該当するため、寄附者の親族等の贈与税負担を不当に減少する結果となると認められるときには、法人を個人とみなして贈与税が課税される場合があります(相法66④)。
(1)一般財団法人の設立時の財産 一般社団法人及び一般財団法人に関する法律(以下、一般法という)によれば、一般財団法人の設立に際して、設立者は財産を拠出し、その財産の価額の合計額は300万円以上である必要があります(一般法153①五、②)。
(2)法人税の課税関係 ご質問の寄附金の受け入れは法人税法第22条第2項に定める無償による資産の譲受けに該当し、かつ、一般法には資本制度の定めがないことから、法人税法第22条第5項に定める資本等取引に該当しません。したがって、ご質問の設立する一般財団法人が非営利型法人に該当しない場合には、法人税法上、全所得課税となり、受け入れた寄附金の額は、法人税の課税対象となります(法法4)。
なお、非営利型一般財団法人の場合には、法人税法上、収益事業課税となり、上記の財産の受入れは収益事業には該当しないことから、法人税は課税されません(法法4、法令5)。
(3)贈与税の課税関係 個人が持分の定めのない法人に対して財産を寄附した場合に、その寄附者の親族等の贈与税負担を不当に減少する結果となると認められるときは、その法人を個人とみなして、贈与税(贈与者が異なるごとに基礎控除110万円を控除して計算(相法66①))が課税されます。ただし、この場合、法人税等と贈与税の二重課税を回避するため、贈与税額から法人税等の額を控除することとされています(相法66⑤)。
なお、贈与税の負担を不当に減少する結果となると認められるか否かの判定は、原則として、贈与を受けた法人が法人税法施行令第33条第3項に掲げる要件を満たすかどうかにより行うものとされています。
No.216 法人税・相続税>公益法人
一般財団法人の設立時における課税関係
公認会計士緑川事務所 税理士 村田道生
問 個人の寄附(金銭拠出)により財団法人を設立することを考えておりますが、非営利型を選択した場合には、収益事業以外の事業に係る源泉所得税について税額控除の適用を受けることができないため、営利型を選択しようと考えています。
この設立時の寄附について、どのような課税関係が生ずる可能性があるかを教えて下さい。
答 ご質問の設立する一般財団法人が営利型一般財団法人であれば、法人税法上、全所得課税となり、受け入れた寄附金の額が法人税の課税対象となります(法法4、法法22②)。なお、非営利型一般財団法人の場合は、収益事業課税となり、寄附金の受入れが法人税法上の収益事業に該当しないことから、法人税は課税されません(法法4)。
また、ご質問の寄附は、持分のない法人に対する財産の贈与に該当するため、寄附者の親族等の贈与税負担を不当に減少する結果となると認められるときには、法人を個人とみなして贈与税が課税される場合があります(相法66④)。
(1)一般財団法人の設立時の財産 一般社団法人及び一般財団法人に関する法律(以下、一般法という)によれば、一般財団法人の設立に際して、設立者は財産を拠出し、その財産の価額の合計額は300万円以上である必要があります(一般法153①五、②)。
(2)法人税の課税関係 ご質問の寄附金の受け入れは法人税法第22条第2項に定める無償による資産の譲受けに該当し、かつ、一般法には資本制度の定めがないことから、法人税法第22条第5項に定める資本等取引に該当しません。したがって、ご質問の設立する一般財団法人が非営利型法人に該当しない場合には、法人税法上、全所得課税となり、受け入れた寄附金の額は、法人税の課税対象となります(法法4)。
なお、非営利型一般財団法人の場合には、法人税法上、収益事業課税となり、上記の財産の受入れは収益事業には該当しないことから、法人税は課税されません(法法4、法令5)。
(3)贈与税の課税関係 個人が持分の定めのない法人に対して財産を寄附した場合に、その寄附者の親族等の贈与税負担を不当に減少する結果となると認められるときは、その法人を個人とみなして、贈与税(贈与者が異なるごとに基礎控除110万円を控除して計算(相法66①))が課税されます。ただし、この場合、法人税等と贈与税の二重課税を回避するため、贈与税額から法人税等の額を控除することとされています(相法66⑤)。
なお、贈与税の負担を不当に減少する結果となると認められるか否かの判定は、原則として、贈与を受けた法人が法人税法施行令第33条第3項に掲げる要件を満たすかどうかにより行うものとされています。
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