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解説記事2015年03月30日 【ニュース特集】 Q&Aで読む改正会社法に伴う法務省令(2015年3月30日号・№588)

法務省令案からの変更点は?
Q&Aで読む改正会社法に伴う法務省令

 改正会社法が平成27年5月1日から施行されるのに先立ち、会社法施行規則等の一部を改正する省令(法務省令第6号)が2月6日に公布された(本誌583号21頁参照)。改正会社法を踏まえ、監査等委員会設置会社、多重代表訴訟、内部統制システムの整備、特別支配株主の株式等売渡請求等に関する会社法施行規則が改正される。また、「IT利活用の裾野拡大のための規制制度改革集中アクションプラン」(平成25年12月20日閣議決定)を踏まえ、ウェブ開示事項の拡大が図られている。会社計算規則では、企業結合会計基準等の改正に伴う見直しなどが行われている。本特集では、昨年12月25日まで意見募集を行っていた法務省令案からの変更点などについて、寄せられた意見に対する法務省の考え方を元にQ&A形式で解説する。

>特別支配株主の株式等売渡請求制度

Q1
 特別支配株主の株式等売渡請求制度では、対象会社の事前開示事項として株式売渡対価の交付の見込みに関する事項などが規定されていますが、どうしてこのような規定が導入されることになったのですか。
A  改正会社法で創設された特別支配株主の株式等売渡請求制度については、株式等売渡請求に際して特別支配株主が定めるべき事項(会社法施行規則33条の5)、対象会社の事前開示事項(会社法施行規則33条の7)、事後開示事項等(会社法施行規則33条の8)が定められています。特別支配株主の株式等売渡請求制度とは、対象会社の総株主の議決権の10分の9以上を有する株主(特定支配株主)が、株主全員に対して所有する株式の全部を特別支配株主に売り渡すことを請求することができる制度のことです。
 改正会社法の国会審議では、特別支配株主が売渡株主に対してその対価を支払っていなくても、特別支配株主が定めた取得日に株式が移転してしまうことに問題があるとの指摘がされていました。これを踏まえて、対象会社の事前開示事項では、株式売渡対価の交付の見込みに関する事項が規定されることになっています。

Q2  株式売渡対価及び新株予約権売渡対価の支払のための資金を確保する方法(会社法施行規則33条の5第1項1号)とは、具体的にどのようなものが想定されますか。
A  株式売渡対価及び新株予約権売渡対価の支払のための資金を確保する方法としては、特別支配株主の預金残高証明や金融機関からの融資証明等が想定されます。

Q3  対象会社は事前開示事項として、株式売渡対価の相当性に関する事項を開示することとされていますが(会社法施行規則33条の7)、対象会社の取締役(会)の判断及びその理由を含むとされています。取締役(会)の判断及びその理由とは具体的に何を意味しますか。
A  取締役(会)の「判断」とは、取締役会の決議による判断を意味します。また、「その理由」とは、当該取締役会の決議による判断の理由を意味し、当該決議の審議の過程に即した内容とすることが求められます。審議の過程に照らして、取締役会の判断の理由として複数の理由を記載することが適当である場合であれば、当該複数の理由を記載することが求められることになります。

>支配株主の異動を伴う募集株式の発行等

Q4
 株主に対して通知すべき事項として、社外取締役を置く株式会社において、「取締役会の判断が社外取締役の意見と異なる場合にはその意見」(会社法施行規則42条の2第6号)を通知すべきとありますが、取締役会の判断及び理由について社外取締役の意見が同じ場合は、記載不要でよいのでしょうか。
A  取締役会の判断が社外取締役の意見と同じ場合には、社外取締役の意見は通知事項に含まれないことになります。なお、意見が異なる場合とは、「取締役の判断及びその理由」のうち、「取締役の判断」を指し、「その理由」は含まれません。

>株主総会参考書類記載事項

Q5
 監査等委員会における監査等委員については、業務執行を行わないので、「担当」はないと思いますが、「候補者が現に当該株式会社の監査等委員である取締役であるときは、当該株式会社における地位及び担当」(会社法施行規則74条の3第2項3号)が株主総会参考書類の記載事項となっています。それはどうしてですか。
A  会社法施行規則74条の3第2項3号に規定する「担当」とは、業務執行の担当を指すわけではありません。監査等委員会は、独任制の機関である監査役と異なり、会議体として組織的な監査を行うため、その構成員である監査等委員には「担当」があり得ることから、これを規定したということです。

Q6  株主総会参考書類についての経過措置ですが、「招集の手続が開始された」とは、具体的にどの時点を指すのですか。
A  「招集の手続が開始された」とは、株主参考書類の記載事項が決定された時点、取締役会設置会社においては取締役会の決議によって決定された時点を指すことになります。
 このため、2月6日公布の会社法施行規則附則2条5項では、「施行日前に招集の手続が開始された株主総会又は種類株主総会に係る株主総会参考書類の記載については、なお従前の例による」と見直されています。

>ウェブ開示

Q7
 株主総会参考書類及び事業報告に係るウェブ開示事項が拡大されています。この点、株主総会参考書類及び事業報告については、それぞれ経過措置が設けられています(会社法施行規則附則2条5項、6項)。ウェブ開示についても経過措置は適用されるのでしょうか。
A  ウェブ開示については、経過措置は適用されません。改正後の会社法施行規則は施行日(平成27年5月1日)から適用されることになります。

>内部統制システムの整備

Q8
 「当該株式会社並びにその親会社及び子会社から成る企業集団における業務の適正を確保するための体制」(会社法施行規則100条1項5号)として、当該株式会社の子会社の取締役等の職務の執行に係る事項の当該株式会社への報告に関する体制などが規定されています。この規定は現行の下で企業集団における業務の適正を確保するための体制が適切に構築されていれば、追加の対応は不要との理解でよいでしょうか。
A  現行の取扱いを規定したものであり、追加の対応は不要となります。会社法施行規則100条1項5号では、①当該株式会社の子会社の取締役、執行役、業務を執行する社員等の職務の執行に係る事項の当該株式会社への報告に関する体制、②当該株式会社の子会社の損失の危機の管理に関する規程その他の体制、③当該株式会社の子会社の取締役等の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制、④当該株式会社の子会社の取締役等及び使用人の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制が規定されていますが、これらの事項について形式的に区分した決議をすることまでは求められていません。実質的に当該事項について決議されていればよいこととされています。
 また、これらの体制は、企業集団における業務の適正を確保するための体制をいうものであり、個々の子会社自体の体制を定めるものではありません。

Q9  会社法施行規則98条又は100条(業務の適正を確保するための体制)に規定する体制について、どのような内容を決議すればよいのでしょうか。
A  大会社である取締役会設置会社においては、取締役会は、「取締役の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制その他株式会社の業務の適正を確保するために必要なものとして法務省令で定める体制の整備」を決定しなければならないと定められています(会社法362条4項6号、5項)。
 これは、内部統制システムの整備について決定しなければならない旨を定めたものであり、内部統制システムを整備しないという決定であっても違反するわけではないと解されています。どのような内部統制システムを整備するかは、取締役の善管注意義務に基づき、各社の状況に応じて判断すべきものとされています。

>監査等委員会設置会社及び指名委員会等設置会社関係

Q10
 指名委員会等に出席した取締役の氏名が議事録の記載事項となっています。法務省令案からの変更点だと思われますが、どうしてですか。
A  監査等委員会に出席した取締役の氏名については、議事録に記載することとされているため(会社法施行規則110条の3第3項5号)、指名委員会等についても同様とすべきとの意見が寄せられたことを踏まえ、見直しが行われたようです。

>事業報告の内容

Q11
 「当該体制の運用状況の概要」(会社法施行規則118条2号)については、具体的にどのような記載をすればよいのでしょうか。
会社法施行規則118条 二 法第三百四十八条第三項第四号、第三百六十二条第四項第六号、第三百九十九条の十三第一項第一号ロ及びハ並びに第四百十六条第一項第一号ロ及びホに規定する体制の整備についての決定又は決議があるときは、その決定又は決議の内容の概要及び当該体制の運用状況の概要
A  「当該体制の運用状況の概要」として記載すべき内容は、各社の状況に応じた記載をする必要があります。例えば、内部統制に係る委員会の開催状況については、その1つの内容となり得ます。単に「当該『業務の適正を確保するための体制』に則った運用を実施している」というだけの記載は、通常は、「運用状況の概要」の記載とはふさわしくないとされています。
 また、客観的な運用状況を記載すべきとされており、運用状況の評価の記載を求めるものではないとされています。

Q12  会社法施行規則118条4号の「完全親会社等」とは何ですか。
A  法務省令案の段階では、完全親会社等の規定が設けられていませんでしたが、2月6日公布の会社法施行規則では、完全親会社等について、「法第847条の3第2項に規定する完全親会社等をいう。」と新たに定義されることになりました(会社法施行規則2条2項118号)。

Q13  会社法施行規則118条4号では、多重代表訴訟の対象となる特定完全子会社(当該事業年度末の末日において完全親会社が有する子会社株式の帳簿価額が完全親会社の総資産額の5分の1を超える場合)がある場合には、名称及び住所等を事業報告に記載することとされています。
 この特定完全子会社ですが、実際に特定責任追及の訴えの対象となる発起人等が存する株式会社とは必ずしも一致しないという理解でよいですか。
A  会社法施行規則118条4号は、事業年度の末日時点における特定完全子会社を開示することとされています。一方、特定責任追及の訴えの対象となる特定責任は、その原因となった事実が生じた日における完全子会社の株式の帳簿価額で判定されることになります。したがって、事業報告に記載又は記録される特定完全子会社と、実際に特定責任追及の訴えの対象となる発起人等が存する株式会社とは必ずしも一致するわけではありません。

Q14  最終完全親会社等の事業年度の末日と、特定完全子会社の株式を保有するその完全子会社等の事業年度の末日が異なる場合、株式の帳簿価額の合計はいつの時点で算定することになりますか。
A  会社法施行規則118条4号の「当該事業年度の末日」とは、当該株式会社の当該事業報告の作成対象となる事業年度の末日と解されています。したがって、この時点の会社における帳簿価額を合計することになります。

Q15  常勤の監査等委員又は監査委員の選定の有無の「理由」を事業報告に記載することとされていますが(会社法施行規則121条10号イ・ロ)、どうしてですか。
A  会社法では、監査等委員会設置会社又は指名委員会等設置会社において、常勤の監査等委員又は監査委員の選定は義務付けられていません。
 しかし、法制審議会会社法制部会における議論では、監査を行う機関による社内の情報の把握につき常勤者が重要な役割を果たしているとの指摘がされたものです。このため、今回の見直しでは、常勤の監査等委員又は監査委員の選定の有無及びその理由を事業報告の記載事項としたものです。

Q16  事業年度の末日時点で社外取締役を置いていない場合、改正会社法の施行日後に開催される最初の株主総会において社外取締役の選任議案を付議する場合でも「社外取締役を置くことが相当でない理由」を記載することになりますか。
A  記載することになります。改正会社法施行日以後に開催される最初の株主総会で社外取締役の選任議案を付議するかどうかに関係なく、事業年度の末日において社外取締役を置いていない場合には事業報告に記載することが求められます。同様のケースで株主総会で説明することとの平仄や、事業報告の作成及び監査の過程等を考慮して規定したものとされています。

Q17  3月決算会社ですが、事業報告について、改正会社法の施行日以後に監査役の監査を受ける予定となっています。この場合には、社外取締役を選任しない場合の「相当でない理由」を開示することになりますか。
A  事業報告及び附属明細書については、「施行日前にその末日が到来した事業年度のうち最終のものに係る株式会社の事業報告及びその附属明細書の記載又は記録については、なお従前の例による」との経過措置が設けられています(会社法施行規則附則2条6項)。
 ただし、監査役会設置会社においては、会社法施行規則132条4項に規定する特定取締役が監査役会の監査報告の内容の通知を受けた日に、監査役の監査を受けたものとすることとされているため、施行日以後に特定取締役が監査役会の監査報告の内容の通知を受ける事業報告については、社外取締役を選任しない場合の「相当でない理由」を開示することになります。

Q18  「会計監査人の報酬等について監査役等が同意をした理由」(会社法施行規則126条2号)について、具体的な記載内容はどのようなものが考えられますか。例えば、過去の報酬実績等を参考にできるのでしょうか。
A  会計監査人の報酬等について監査役等が同意をした理由としては、各社の状況に応じた合理的な記載をすることでよいとされています。なお、過去の報酬実績、日本監査役協会が公表している「会計監査人との連携に関する実務指針」等を参考に報酬を確認した旨の記載については、その記載内容の1つとなり得るものと想定されています。

Q19  事業報告等に記載する会計監査人の報酬等の額は、監査役等が「同意をした理由」(会社法施行規則126条2号)を記載するに当たっても、これまでと同様、会社法及び金融商品取引法等に基づく監査に対するものを合計して記載してよいですか。
A  会計監査人の報酬等の額の記載の在り方が変更されるわけではありません。

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