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解説記事2016年06月20日 【巻頭特集】 経営者報酬の「方針」の充実へむけて(2016年6月20日号・№647)

巻頭特集
経営者報酬の「方針」の充実へむけて
~平成28年度税制改正によるインセンティブ報酬の制度整備が与えるインパクト~
 ウイリス・タワーズワトソン 経営者報酬部門 ディレクター 櫛笥隆亮

 コーポレートガバナンス強化の実践の一つとして、経営者報酬に関してインパクトのある制度整備が行われた。平成28年度税制改正を契機として、譲渡制限付株式が事実上解禁となり、利益連動給与として損金算入できる役員賞与の幅が広がった。インセンティブ報酬を強化する手立てが増えれば、経営者報酬の「方針」における表現の奥行も増す。企業は従来の「株主対策」に留まることなく、自社の経営戦略に沿った独自性を表現できるレベルまで、経営者報酬のあるべき姿について検討することが求められる。本稿では、上場企業の経営者報酬の基本コンセプトであって、対外的な対話の基礎となり、制度運用の判断軸ともなるこの経営者報酬の「方針」を策定していくにあたり、一連の制度整備が影響する部分に焦点を絞って考察する。

Ⅰ 経営者報酬の「方針」とは
 経営者報酬の「方針」とは、「何のための報酬制度なのかを説明するもの」と言い換えて良い。「方針」は報酬制度の存在意義や目的を明確にし、株主による監督の有益な判断材料となる。これが存在しなければ、経営者報酬は、経営者にただ漫然と労働の対価として生活給を払っているということ以上の意味を持ち得ず、株主に対する利益相反事項の説明としてはあまりに不適切である。コーポレートガバナンス・コードにおいても、「取締役会が経営陣幹部・取締役の報酬を決定するに当たっての方針と手続」(原則3-1. 情報開示の充実(iii))について、「ひな形的な記述や具体性を欠く記述を避け、利用者にとって付加価値の高い記載となるように」(補充原則3-1①)、主体的な情報発信を行うべき、とされている。近年では、有価証券報告書における「コーポレートガバナンスの状況」や東京証券取引所の「コーポレート・ガバナンスに関する報告書」だけではなく、株主総会に報酬議案が上程される場合の参考情報として、議案の目的を制度の全体像から丁寧に説明すべく、「方針」が併記されるケースが急増している。

Ⅱ 「方針」の構造と発展段階
 「方針」は株主等の視点と経営陣の視点から構成される。コーポレートガバナンスの強化が叫ばれる昨今では、株主への説明責任の強化が「方針」において重視されるのは当然だ。しかし、中期的に持続する健全な報酬制度においては、いかに経営陣のモチベーションを喚起し、企業価値向上に結びつけていくかの人事的な視点も欠かせない。両者のバランスは企業の置かれている状況により異なるが、双方の視点が考慮されなければ、正しく機能する「方針」にはならない。株主視点だけだと、制度の持続性は大きく損なわれる。
 これまで、多くの日本企業における「方針」は、「株主等との利害共有や企業価値の向上にむけ、役員の意欲を喚起」、といった枕詞を並べる程度に留まっていた。いずれも上場企業の経営者報酬が具備すべき基本的な要素ではあるが、いささか様式的な対応であり、具体性に乏しい。昨今、経営者報酬はコーポレートガバナンス強化のツールであるとの認識が高まるにつれ、日本企業の「方針」においても従来とはレベルの違う上位のコンセプトを盛り込む事例も増えてきた。
 図表1は、経営者報酬の「方針」のレベル感を、グローバルプラクティスまでを視野に入れ、例示的に構造化したものである。

 最下段の上場企業が最低限満たすべきレベルを基底部分と呼ぶこととする。ここで盛り込むべき「方針」の要素としてまず重要なのは、シンプルな制度であること、すなわち株主等に対して容易に説明でき、経営陣の確実な理解が得られるものとすることである。制度設計の詳細ばかりに目がいくことで往々にして軽視されがちな要素であるが、これを抜きにした制度設計は、対話の基礎にも実効的なインセンティブにもなり得ない。次に重要な要素としては、制度の客観性・透明性と、評価の結果に対する検証可能性の確保である。評価が業績等の客観的な事実に基づき行われ、その結果を事後的にも検証可能ということは、説明責任を果たす上での基礎になるだけでなく、制度の公正かつ公平な運用を担保する。そしてこれらの基礎の上で、株主等に対して株主利害の共有や企業価値の意識づけによる株主目線での経営遂行を表明し、経営陣に対しては制度を通じて納得感を醸成しモチベーションを喚起することが、「方針」の基本的な土台になる。
 ほとんどの日本企業は、退職慰労金の廃止と同時にストックオプション等の株式報酬や業績連動賞与を導入することにより、既にこの基底部分までの「方針」を策定済みである。伝統的な「役員報酬」のあり方からすれば、ここまででもかなりの変化が生じたのは事実であるが、グローバルな観点における「方針」の全体像からすれば、いわゆる「株主対策」としての「守りの報酬改革」が終わった段階に過ぎない。
 足下の日本において企業に求められているのは「攻めの報酬改革」であり、企業はより上位の構造まで、「方針」の重層化を迫られている。具体的には、株主等に対しては、会社の持続的な成長や中長期的な企業価値の向上に経営陣がどのように取り組むのか、そのコミットメントと具体的なストーリーについて、インセンティブ報酬を拡大しつつ表現することが求められている。同時に、経営者のインセンティブの実効性も、健全性の許す範囲で従来以上に高めていかなければ、難度の高い経営課題を意欲的に遂行するに至らない。個々の対象者の報酬評価が、自らのコントロールの及ぶ範囲と整合した形で、現実的な目標設定において行われていることも、「方針」の要素として配慮されるべきである。
 企業の置かれている状況によっては、更にその上の要素を「方針」に織り込む必要がある。顕在的・潜在的な人材獲得競争の中で、優秀な経営者人材の確保や引き留めが必要となっている状況では、競争力ある報酬水準を支給していく過程で必然的に膨らんでいくインセンティブ報酬について、中長期視点を更に強化し、業績と報酬との健全なペイ・フォー・パフォーマンス関係を維持し、報酬の繰延や取戻し(クローバック)等の措置を講じるなど、経営陣の過度なリスクテイクを牽制して健全に運用していくための視点を「方針」に盛り込むことが求められる。
 日本企業においては、まずコーポレートガバナンス強化のレベルにおいて、個々の企業の事業環境や経営戦略に即した報酬制度の差別化の観点から、独自性ある「方針」を策定する必要が出てきている。他社事例を慎重に見て横並びの「株主対策」を進めるメンタリティーに縛られた対応では、限界が出てきている。

Ⅲ インセンティブ報酬の制度整備の概要
 昨今、政府主導で進められたインセンティブ報酬に関する一連の制度整備について、概要のみを示すとすれば、以下のように整理できる。

1 譲渡制限付株式の事実上の解禁  譲渡制限付株式は、古くからグローバルで定着している、いわば株式報酬の王道である。報酬を現物株式で直接支給し、一定期間売却を制限するだけの仕組みであるが、日本では法規制上のハードルがあり、これまで利用することができなかった。しかし今回、金銭報酬債権の現物出資を通じた現物株式の無償発行を可能とする会社法上の解釈が示され、税制改正において法人税・所得税法上の取り扱いが明確化されたことで、その利用が事実上解禁されることとなった。
 この意味において、今回の制度整備は、誰にでも容易に理解されるグローバルに親和性の高い標準的な株式報酬ツールを、単に日本でも利用できるようにしたもの、という見方が正しく、株式報酬の新しい仕組みを開発したということではない。実際、グローバルに投資家の理解を得やすく、貰い手の高い保有実感も得られ、対話や理解におけるツールとしての優位性は、疑う余地が無い。

2 利益連動給与の算定指標の拡充  利益連動給与とは、一定の要件を満たすことで、一時払いでも損金算入となる役員賞与に関する法人税法上の呼称である。これまでの利益連動給与は、営業利益、経常利益、当期純利益等の利益指標の乗率による算式のみが要件を満たし、かつ業務執行役員ごとに異なる仕組みを用いることができないとの解釈があった。限定的かつ硬直的な定量評価の仕組みでは、経営陣の評価における納得感を損ない、モチベーションを削ぐ恐れがある。この理由から、これまであまり利用が進んでこなかったのが実状である。
 今回の制度整備により、これまでの利益指標に加えROE、EBITDA、部門利益等の利益を加工した指標も要件の範囲に含まれた。また、乗率による算定だけではなく、計画比、前期比、他社比による算定も認められるようになった。かつ要件を満たす部分のみを明示的に切り分けて、該当部分のみ損金算入する対応をすることも可能であるとの解釈が示された。これにより、企業が現有する様々なタイプの業績連動賞与制度が、損金算入要件を満たし得ることとなる。但し、有価証券報告書における算定方法の詳細開示や、報酬委員会等における承認等による決定という手続要件の充足は、これまでと同様に必要となる。

3 株式報酬の現金化を容易にする措置(「知る前計画・契約」)  時系列としては上記の税制改正に先立つものであるが、インサイダー規制の適用除外要件として、ア)未公表の重要事実を知る前に、売買の予定など必要な記載をした契約・計画などの手続を踏んでおけば、後になって未公表の重要事実を知ることとなっても、予定通り株式の売買が可能となる旨、およびイ)契約・計画などの手続の際に未公表の重要事実を知っていたとしても、売買時点が当該重要事実の公表後であれば、予定通り株式の売買が可能となる旨、が明確化されている。株式の売却ができない状況にもかかわらず、先に所得税を納税しなければならないことがある点は、納税資金の工面が困難となる点で、これまで株式報酬の採用が嫌忌される一因となっていた。今回、株式報酬全般に対して現金化が容易となったことは、株式報酬のインセンティブ実感を確実に高める効果が期待される。

Ⅳ 制度整備が「方針」の策定に与える影響
 では、一連の制度整備は、「方針」の策定にどのような影響を与えるのか。コーポレートガバナンス・コードの適用に伴い、既に「方針」の拡充に向け先行した取り組みも数多く見られているが、特に今回の制度整備によって、新たに注目すべき「方針」の要素にはどのようなものがあるか、以下に挙げてみたい。

1 株主利害の完全な共有  株主利害の共有を果たす株式報酬としては、株式同等物を付与するフルバリュー型と呼ばれる類型が該当する。これまで譲渡制限付株式が利用できなかった日本においては、日本独自のビークル(器)として、株式報酬型ストックオプションや、信託を用いた株式交付プランである株式交付信託が登場し、既に多くの企業の導入実績があるところである。今回の制度整備により、ここに譲渡制限付株式と譲渡制限付株式ユニットが新たに加わることとなる。
 図表2は、これらの株式報酬のビークルを株式付与時点の相違に注目して分類したものである。

 表中に整理したとおり、譲渡制限付株式の登場により、待機期間の始点で直ちに株式を付与するという、従来無かった新たな類型が生じた。これを「先発行型」と称すれば、これまでの株式報酬型ストックオプションや株式交付信託は、待機期間の終点ではじめて株式を付与する点において、「後発行型」と整理される。新たに登場した譲渡制限付株式ユニットも、当初は仮想単位としてのユニットを対象者に支給し、待機期間経過後に保有ユニットに応じた株式を発行することから、実質的に他の二つのビークルと同様、「後発行型」に属する。
 この「先発行型」と「後発行型」とでは、「方針」として掲げる株主利害の共有度のレベルに明確な相違が生じてくる。「先発行型」は、一般株主と同じく配当受領権、議決権も含めた株式そのものを直ちに付与するため、対象者を直ちに株主化する。すなわち、待機期間の当初から、株主還元に対する意識や経営参画意識を含め、少なくとも待機期間中にわたり、株主との利害が完全に一致することとなる。有価証券報告書の役員の状況において開示される役員個人別の自社株保有数も直ちに増加することとなるため、株主利害の共有を、報酬開示以外の箇所でも表現できる強みもある。その一方で、待機期間中は配当受領権や議決権の無い非株式となる「後発行型」の意味合いは、「先発行型」との対比において、株主利害の共有の「意識付け」に留まるものと整理せざるを得ない。役員の自社株保有数も待機期間の終了時まで増加することはなく、直ちに現金化される場合には、以後の利害共有は断絶する。
 株主利害の共有は、上場企業の経営者報酬として検討されるべき最も根源的なテーマであり、役員の保有株式数が少ないとの指摘が多い日本企業においては特に、「方針」の基底部分の要素として、積極的に検討されるべき事項となる。譲渡制限付株式の導入は、これまでの漠然とした「中長期インセンティブ報酬」という概念から、株主利害の共有という機能を切り分け、これをグローバル標準の枠組みでシンプルに実現する道筋をつけるものとして、実務上の意義は相当に大きい。

2 損金性の重視  「攻めの報酬改革」においてインセンティブ報酬を拡大していくと、損金不算入による社外流出のインパクトも無視し得ないものになってくる。そのため、報酬制度設計において損金性に十分に配慮することは、株主利益の保全という側面において、重要な「方針」の要素になってくる。実際、インセンティブ報酬のウエイトが大きい欧米では、損金性の重視を「方針」の一要素として掲げることが一般的である。
 この点、利益連動給与に関していえば、前述のとおり、役位別の賞与支給額が算定できるレベルまでの詳細を有価証券報告書へ開示し、報酬委員会等における承認等による決定という手続要件を事前に満たしさえすれば、現行制度を大きく変えなくても、そのまま損金算入が取れる可能性がある。これは今後、業績連動賞与を有するほとんどの企業において、損金性というテーマを新たに「方針」の要素として考慮せざるを得ないことを意味している。業績連動賞与の導入、インセンティブ報酬の仕組みの詳細開示、報酬委員会等の客観的な報酬決定プロセスの構築は、いずれも経営者報酬の説明責任を強化するものとして、その対応が株主等から求められている。損金算入を取らないとの判断は、単に社外流出に配慮しないだけではなく、説明責任の強化も行わないという意思表示にもなり、説明の難度は相当に高い。現状、特に役位別の賞与額が算定できるレベルまでの算定方法の開示には、企業において一定の心理的抵抗があるのが実状かと思われるが、今後、算定方法を詳細に開示する他社事例が増えてくれば、株主の関心も必然的に高まっていく。業績連動賞与の仕組みを開示に耐えうるものとしておくなど、早めの準備が必要になるだろう。
 また、損金性の視点は、株式報酬ビークルの選択にも影響する。今回の税制改正では、「先発行型」の譲渡制限付株式については、事前確定届出給与の要件に該当するよう設計した上で必要な手続要件を満たせば、損金算入が取れることとなった。「後発行型」の場合は、株式報酬型ストックオプションであれば、制度設計のあり方に左右されることなく、概ね損金算入が取れる。損金性の観点においては、引き続き選択メリットのあるビークルと考えられる。

3 インセンティブ実感の向上  「攻めの報酬改革」においては、企業価値の向上や経営戦略の達成に向けた経営陣の中期的なコミットメントを、報酬制度にストーリー性ある形で表現すべく、その土台であるインセンティブ報酬を拡大することが求められている。結果、報酬構成において、賞与や株式報酬のインセンティブ報酬のウエイトが、貰い手にとって軽視できない大きさを占めることとなる。その一方で、日本においては従来から株式報酬のインセンティブ実感が乏しいとの認識が根強く、これを無理に拡大しても、単なる株主等への見せかけに過ぎず、実際にモチベーションを喚起する効果は得られないとの意見も多い。従って、制度設計の中で経営陣のインセンティブ実感の向上へどう配慮しているかについても、「方針」として考慮すべき重要なポイントになってくる。
 この点、現状の日本においては、株式報酬の現金化のハードルを下げることが、インセンティブ実感向上の一つのカギとなっている。これには、前述の「知る前契約・計画」の枠組みを活用することで現金化の道筋をつける方法のほか、そもそも株式を介在させない中長期インセンティブとして、キャッシュプランを用いる方法もある。
 もちろん、株主利害の共有の観点からは、株式保有の継続が重要であり、現金化はこれと相反する。逆にいえば、利害共有が確実に担保された前提で、インセンティブ効果を追求することは問題とはならない。「中長期インセンティブ報酬」を利害共有機能とインセンティブ機能に峻別した上で、インセンティブ機能の実効性を単独で高めていくことは、株式報酬に業績条件などの獲得リスクを更に追加したパフォーマンス・シェアの有効性の観点からも必要な発想である。両者の機能を一つのビークルの中で実現するのか、複数のビークルに分けて実現するのか、株式保有ガイドライン等の設定と併せて対応するかは、制度設計の問題である。

Ⅴ 報酬委員会の必要性
 「攻めの報酬改革」に向けて「方針」を重層化するにあたっては、「守りの報酬改革」のような、最低限ここまでやればよいという画一的な基準が存在しない。事業環境や経営戦略だけではく、企業文化なども含めて考えれば、企業それぞれの実状に応じた「方針」のあり方は大きく異なるはずである。但し、経営者報酬という論点の性質上、どうあるべきかの経営判断には高度な客観性が求められ、社内の論理だけで定めることは難しい。ややもすると果断な判断ができないまま、結局、「株主対策」のレベルを超えることなく終わってしまう。
 従って、「方針」を策定するに先立ち、まずは独立性や客観性を高めた審議の場を整える観点から、独立社外取締役を主たる構成員とした報酬委員会を設置することを優先して検討すべきである。独立社外取締役が改革の背中を正しく押すことにより、真に企業価値創造に寄与し、経営陣の意欲を効果的に引き出すに足る「方針」のあり方は自ずと定まる。ある程度の「方針」が見えてくると、インセンティブの仕組み、報酬構成、報酬水準のあり方についても、議論が散逸することなく、然るべき形に効率よく収斂する。たとえ制度の最終形が極めてシンプルなものになったとしても、結論に至るまでの客観的な審議の経緯がそのまま説明材料となるため、妥当性の担保も万全となる。
 もっとも、報酬委員会の審議それ自体が適切に説明責任を果たすに足るかどうかは、限られた年間開催回数のなかで、いかに各回の討議を活性化し、的確な意見を委員から十分に引き出せるか次第である。そのため、討議の判断材料となる質の高い十分な情報を委員に提供するのはもちろんのこと、どのような年間アジェンダを組んでいくか、各回の資料をどう作成するか、説明の仕方をどう工夫するか等、入念な準備は欠かせない。任意の仕組みである報酬諮問委員会の場合は、その組織的位置づけや、権限・責任の範囲、答申内容の強制力の程度なども、説明責任のあり方に影響する。
 実際、報酬委員会の導入は急増している。図表3のとおり、直近の調査によれば、任意の仕組みも含めた報酬委員会の導入企業数は、上場企業全体で571社に上る。約1年前が280社程度であったことからすると、概ね倍増の状況となっている。2016年6月に公表された「日本再興戦略2016」でも、指名・報酬委員会の実務等に関する指針や具体的な事例集を、2016年度内を目途に策定する方針が掲げられている。報酬委員会の実務の進展によって、経営者報酬の「方針」のプラクティスも、ますます多様になっていくことが想定される。


櫛笥隆亮(くしげたかあき)
大手監査法人を経て、2002年ウイリス・タワーズワトソン入社。入社以来、一貫して経営者報酬コンサルティングに従事し、報酬制度設計、制度導入、社内外への説明等の実務支援、報酬(諮問)委員会への陪席を含むアドバイザリー支援を続けている。『「経営者報酬」の実務詳解』(中央経済社)、『企業法制改革論Ⅱ コーポレート・ガバナンス編(対談集)』(中央経済社)、『攻めのガバナンス‐経営者報酬・指名の戦略的改革』(東洋経済新報社)等、共著多数。
東京大学経済学部卒、公認会計士、公益社団法人日本証券アナリスト協会検定会員。

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