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解説記事2019年07月08日 【ニュース特集】 上位富裕層の管理・調査企画Q&A(2019年7月8日号・№794)

ニュース特集
関係個人・関係法人の範囲etc.
上位富裕層の管理・調査企画Q&A

 国税当局が継続して管理する富裕層のうち、「上位富裕層」に指定する者に係る管理体制及び調査企画について、当局の内部資料に基づき確認する。当該資料には、上位富裕層担当特官の所掌事務、上位富裕層の関係個人・関係法人の抽出基準及び範囲、調査企画に向けて集積する資料情報などが記載されている。

Q1
上位富裕層担当特官が設置された経緯を教えてください。
A
 国税当局には、重点管理富裕層のすぐ下に位置する富裕層の管理が適切に実施できているのかという問題意識があったようです。そこで、重点管理富裕層の下位に位置する者のうちから一定の基準で抽出した者を上位富裕層として位置付け(参照)、税務署に上位富裕層の管理・調査企画を担当する特別国税調査官(上位富裕層担当特官)を設置しました。

 例えば、東京国税局は、平成28事務年度において一部税務署に上位富裕層担当特官を設置し、担当特官による上位富裕層の管理・調査企画に関する試行を開始。平成29事務年度からは担当特官を増設して、試行を全管に拡大しています。平成30事務年度には管内6税務署に上位富裕層担当特官を配置し、広域運営を行っています。
 また、大阪国税局では、平成29事務年度において上位富裕層の管理等に係る事務運営指針を策定し、平成30事務年度には事務実施要領を定めて、担当特官による管理・調査企画等を行っています。
 なお、平成30事務年度においては、名古屋国税局、関東信越国税局でも上位富裕層に対する取組が行われています。

Q2
上位富裕層の管理体制に係る基本方針はどのようなものですか。
A
 国税当局は、上位富裕層に対する適正課税の観点から、関係個人及び関係法人も含めて保有資産の運用状況を把握し、網羅的・一体的に資料情報の集積及び分析に重点を置いた継続的管理を行うことにより、課税上の問題点を検討し、調査必要度の高い事案を抽出するための管理体制を構築するとしています。
 また、上位富裕層に対する複数税目による管理・企画体制の構築も図られているようです。

Q3
上位富裕層担当特官が所掌する事務は?
A
 東京国税局では、上位富裕層担当特官の所掌事務として、①上位富裕層、関係個人及び関係法人(管理対象者グループ)の抽出、②管理対象者グループに係る資料情報の集積及び分析、③管理対象者グループに係る調査企画(調査体制の検討を含む)及び情報提供、④調査企画事案の調査実施担当部署への引継ぎを掲げています。
 また、大阪国税局では、税務署に設置された特別国税調査官(調査企画担当)が、重点的に上位富裕層として指定する者の管理、調査企画及び調査を所掌しています。

Q4
上位富裕層の抽出基準は明らかにされていますか。
A
 上位富裕層に関しては、9つの抽出基準が設けられており、そのいずれかに該当する者から重点管理富裕層を除いた者が上位富裕層として指定されます。ただし、9つの抽出基準の具体的内容については明らかにされていません。

Q5
上位富裕層の関係個人及び関係法人の抽出基準は?
A
 上位富裕層と関係のある以下(1)~(4)に掲げる者で、上位富裕層の管理上、一体的な資料情報の集積及び分析をする必要があると認められる者が、関係個人及び関係法人として抽出されます。
(1)上位富裕層が実質的な事業主宰者、企業支配者となっている個人又は法人並びにこれに準ずる者
(2)上位富裕層と親族関係等にある者
(3)株式出資の保有関係にある者
(4)その他一体的に資料情報の集積及び分析をする必要がある者

Q6
関係個人及び関係法人の範囲を教えてください。
A
 関係個人は、原則として上位富裕層の配偶者及び子とされます。
 ただし、配偶者及び子以外の親族、特殊関係個人等であって上位富裕層と事業又は生活を共同するなど特に密接な関係があると認められる者、若しくは上位富裕層又はその主宰法人との間で多額の資金移動又は資産移転があるなど上位富裕層と一体的に管理する必要があると認められる個人が含まれます。
 関係法人は、基幹法人(上位富裕層の主宰法人のうち、「個人・法人関連情報」において、基幹法人として管理している法人など、管理対象者グループの主体となる法人)及び上位富裕層又は関係個人の①資産管理会社、②持株会社、③外国等に設立された各種の事業体など、上位富裕層又は関係個人と特に密接な関係があると認められる法人を総称したものとされています。

Q7
管理対象者グループの管理方法は?
A
 上位富裕層担当特官は、上位富裕層、関係個人及び関係法人の資産状況等を総合勘案して管理対象者グループを決定し、「上位富裕層名簿」を作成します。
 具体的な上位富裕層名簿の記載事項をみると、東京国税局の名簿には、管理対象者(上位富裕層)の抽出基準、保有資産額、関係個人の氏名、続柄、関係法人の設立年月日、関係区分などの欄が設けられています(下掲「上位富裕層名簿」参照)。
 なお、関係法人の関係区分については、関係法人の属性として、次の13項目が挙げられています。①本人が代表者である法人、②本人が実質経営者である法人、③本人が役員である法人、④親族等が代表者である法人、⑤親族等が実質経営者である法人、⑥親族等が役員である法人、⑦本人が主たる出資者である法人、⑧親族が主たる出資者である法人、⑨支配的な地位又は多額な融資をしている法人、⑩主たる売上先、⑪主たる仕入先、⑫その他取引先、⑬その他。


Q8
集積される資料情報はどのようなものですか。
A
 継続的に収集する資料情報として、以下のものが例示されています。
(1)所得税申告書(決算書、各種内訳書、添付資料を含む)
(2)重要資料等の個別管理資料、国外送金等調書、国外財産調書、財産債務調書、自動的情報交換資料(CRSにより得られる情報を含む)、国外証券移管等調書、資産の所有等に関する資料、その他保有資産の動向把握等に有効と認められる部内資料
(3)マスコミ情報、インターネット情報、その他の部外情報
 また、管理対象者グループの状況に応じて、所得税以外の申告書(別表、添付資料を含む)などを収集するとしています。

Q9
資料情報の収集方法は?
A
 上位富裕層担当特官が設置されている広域運営中心署では、上位富裕層担当特官があらゆる機会を通じて課税上の有効な資料を収集するとしています。
 なお、新規に上位富裕層、関係個人及び関係法人を把握した場合は、直近3年分の課税関係資料が収集されます。
 広域運営対象署では、上位富裕層名簿に登載されている者に係る課税上有効と認められる資料情報の取りまとめを行い、適宜の時期に資料情報の写しを上位富裕層担当特官に交付します。

Q10
上位富裕層の管理区分はどのようなものですか。
A
 上位富裕層担当特官は、収集した資料情報について、既に集積された資料情報と合わせて、課税上の問題点を分析・検討し、「A」「B」「C」に区分します。
 「A」区分は、課税上の問題が想定され調査企画の着手が相当と認められる者とされています。「B」区分は、課税上の問題は顕在化していないものの、一定の注意が必要と認められる者、「C」区分は、「A」「B」区分のいずれにも該当せず経過観察が相当と認められる者とされています。

Q11
上位富裕層に対する調査企画、調査への流れは?
A
 東京国税局の場合、上位富裕層担当特官が、集積した資料情報に基づいて管理対象者グループの課税上の問題点を分析・検討し、その結果、実地調査に着手すべきと判断した場合には、調査企画を組成し、調査実施担当部署(税務署調査部門、資料調査各課又は総合調査部門)を決定します。資料調査各課又は総合調査部門が実地調査を行う場合は、事案内容の引継ぎが行われます。
 大阪国税局では、特別国税調査官(調査企画担当)が、集積情報から課税上の問題点を分析・検討し、必要に応じて関係各部門及び関係各局署と連携するなどして深度ある調査を行います。
 なお、他の富裕層に関する(波及する)有効な情報収集が見込まれる調査企画事案に対して実地調査を行う場合には、収集項目や入手方法を調査実施担当部署(大阪局は税務署富裕層PT)と協議の上、情報収集が行われます。

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