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会社法ニュース2003年10月27日 完全子会社の会計監査人の設置は任意になる?(2003年10月27日号・№040) 法制審議会会社法部会で検討中、監査法人に与える影響は大!

完全子会社の会計監査人の設置は任意になる?
法制審議会会社法部会で検討中、監査法人に与える影響は大!



 現在、法制審議会会社法部会にて会社法大改正に向けた検討が実施されている。多岐にわたる改正内容のうち、「完全子会社の会計監査人の設置の任意化」の監査法人に与える影響は大といえる。

奥山委員(会計士協会会長)が反論
 「完全子会社の会計監査人の設置の任意化」は、法制審議会会社法部会が検討中の「会社法制の現代化に関する要綱試案」のたたき台の一項目。現行商法上は、完全子会社であろうとも、商法特例法上の大会社に該当すれば会計監査人の監査が必要である(商法特例法2条1項)。これが、要綱試案のたたき台では連結計算書類作成会社の完全子会社であれば、たとえ大会社であっても会計監査人の設置を強制しないものとする方向での検討がなされている。
 これに対して、法制審議会会社法部会の委員の一人である日本公認会計士協会会長の奥山章雄氏は「現行の有限責任を前提とした会社法制では親会社が完全子会社の責務を保証する等の手当がされておらず、現段階で完全親子関係であるというだけで会計監査人を設置しなくてもよいとするのは債権者保護の観点からは大きな後退となる」と反論している。

監査報酬の下げ圧力に!

 この改正案が実現すると監査法人に与える影響は相当大きいものと思われる。なぜなら、監査法人においてはクライアント連結グループ全体の監査報酬の相当部分を子会社からの商法監査報酬が占めるクライアントが数多く存在するからだ。
 完全子会社は①証券市場の直接的な圧力がなく、株主は一人(親会社)だけである、②取引が複雑でないケースが多い等の理由から監査リスクは相対的に少ない。よって投入すべき監査時間も少なく済む。また、親会社の会計監査人は完全子会社の会計監査人の地位を競争無く受注・獲得できるのが通常である。一方、親会社の証取法上の監査においては、会計ビッグバンや四半期開示、監査の厳格化等で増大した監査コストを監査報酬に転嫁しきれないケースが多い。それでも、そのクライアントに多数の子会社があれば、監査法人としては子会社の商法監査を数多く受注することにより、いわば帳尻をあわせることも可能になっていた。しかし、任意化が実現すると完全子会社の監査契約解消または報酬値下げを招くことが予想される。
 仮に、完全子会社の商法監査契約が任意化を理由に解消されたとしても、親会社の証取法上の監査において子会社往査の必要性がなくなるわけではない。そのコスト増を証取法上の監査の報酬増によりクライアントに転嫁しえなければそれは監査法人の負担となる。この問題が監査法人の経営に与える影響は相当大きいといえよう。



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