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解説記事2020年12月21日 ニュース特集 令和3年度における中小企業向け投資促進税制(2020年12月21日号・№863)

ニュース特集
中小企業の第三者承継を促す税制措置が創設へ
令和3年度における中小企業向け投資促進税制


 自民党及び公明党の税制調査会は12月10日、「令和3年度税制改正大綱」(今号20頁参照)を決定した。このうち中小企業向けの投資促進税制に関しては、商業・サービス業・農林水産業活性化税制が中小企業投資促進税制に統合されることになったほか、中小企業経営強化税制は新たに経営資源集約化設備が追加され、それぞれ適用期限が2年間延長されることになった。また、コロナ禍において中小企業の雇用を確保する観点から所得拡大促進税制の要件が緩和されるほか、中小企業の第三者承継ともいえる中小企業経営資源集約化税制が創設される。中小企業同士のM&Aの際の簿外債務などのリスクに備え、準備金を積み立てた際に、損金算入を認める措置が講じられることになる。本特集では、令和3年度税制改正大綱における中小企業向けの投資促進税制の概要を紹介する。

商業・サービス業・農林水産業活性化税制の対象業種を中小企業投資促進税制に

 令和3年度における中小企業向けの投資促進税制等(図表1参照)に関しては、商業・サービス業・農林水産業活性化税制(特定中小企業者等が経営改善設備を取得した場合の特別償却又は税額控除制度)について、対象業種を中小企業投資促進税制に追加した上で、適用期限(令和3年3月31日)で廃止されることになった。

 一方、中小企業投資促進税制については、これまで商業・サービス業・農林水産業活性化税制の対象業種であった①不動産業、②物品賃貸業、②料亭、バー、キャバレー、ナイトクラブその他これらに類する事業(生活衛生同業組合の組合員が行うものに限る)が新しく対象に追加され、適用期限も令和5年3月31日まで2年延長される。なお、改正後の対象業種は以下の通りとなる。

製造業、建設業、農業、林業、漁業、水産養殖業、鉱業、卸売業、道路貨物運送業、倉庫業、港湾運送業、ガス業、小売業、料理店業その他の飲食業(料亭、バー、キャバレー、ナイトクラブその他これらに類する事業を含む)、一般旅客自動車運送業、海洋運輸業及び沿海運輸業、内航船舶貸渡業、旅行業、こん包業、郵便業、通信業、損害代理業及びサービス業(物品賃貸業を含む。映画業以外の娯楽業は除く)、不動産業
※性風俗関連特殊営業に該当するものは除く

 また、対象法人に商店街振興組合が加えられるとともに、対象資産から匿名組合契約等の目的である事業の用に供するものが除外される。
経営資源集約化設備が新たに追加
 中小企業経営強化税制については、関係法令の改正を前提として、特定経営力向上設備等の対象に計画終了年度に修正ROA又は有形固定資産回転率が一定以上上昇する経営力向上計画(経営資源集約化措置(仮称)が記載されたものに限る)を実施するために必要な設備を追加した上で、適用期限を令和5年3月31日まで2年延長する。
地域未来投資促進税制の先進性要件を見直し
 地域未来投資促進税制についても、新型コロナウイルス感染症の影響からの地域経済の回復を図るため、適用期限が令和5年3月31日まで2年延長される。また、対象となる事業にサプライチェーンの強靭化に資する類型を加えるとともに、承認地域経済牽引事業の主務大臣の確認要件のうち先進性に係る要件を投資収益率又は労働生産性に係る要件に見直す。
架台やサーモグラフィ等を追加
 また、特定事業継続力強化設備等の特別償却制度(中小企業防災・減災投資促進税制)については、対象法人を中小企業の事業活動の継続に資するための中小企業等経営強化法等の一部を改正する法律の施行の日(令和元年7月16日)から令和5年3月31日までの間に中小企業等経営強化法の事業継続力強化計画等の認定を受けた中小企業者等とし、対象資産をその認定を受けた日から1年以内に取得等をして事業の用に供する資産とする。
 対象資産には昨今の水害など激化する災害等及び感染症への事前対策を強化するため、①架台(対象資産をかさ上げするために取得等するものに限る)及び無停電電源措置、②感染症対策のために取得等をするサーモグラフィ、③資本的支出により取得等をする資産が追加される。一方、①火災報知器、スプリンクラー、消火設備、排煙設備及び防火シャッター、②資産の取得等に充てるための補助金等の交付を受けて取得等をするものが除外される。なお、現行制度では、特別償却率は20%となっているが、令和5年4月1日以後に取得等をする場合は18%に引き下げられる。

給与総額の増加で所得拡大促進税制の要件クリアに

 コロナ禍において、雇用の維持・確保への懸念がある中、中小企業の雇用を守りつつ、賃上げによる所得拡大を促す観点から、所得拡大促進税制の要件を緩和した上で、適用期限を令和5年3月31日まで2年延長する(図表2参照)。

 現行制度では、「継続雇用者給与等支給額」が対前年度増加率1.5%以上とされているため、個々人の給与を上げる必要があるが、改正後は「雇用者給与等支給額」に要件が見直されることになる。これにより、仮に給与を上げなかったとしても、新たに雇用することにより全体の給与等の支給額が増加すれば適用対象となる。
 なお、給与等の増加に関する要件に判定については、給与等から雇用調整助成金等を控除しないで判定することができるように明確化する。

準備金積立てにより中小企業間のM&Aリスクを軽減

 注目すべき改正としては、中小企業における第三者への事業承継ともいえる中小企業の経営資源の集約化に資する税制(中小企業事業再編投資損失準備金制度)が創設される。
 同税制は、経営資源の集約化によってM&Aに関する経営力向上計画の認定を受けた中小企業が、中小企業の株式を取得(取得価額が10億円以下)した後に簿外債務などが発覚するリスクに備え、株式等の取得価額の70%以下の金額を中小企業事業再編投資損失準備金として積み立てたときは、その積立金額の損金算入を認めるというもの。準備金は、株式等の全部又は一部を有しなくなった場合にはその株式等の帳簿価額を減額した場合等において取り崩すほか、積み立てた事業年度終了の日の翌日から5年を経過した日を含む事業年度から5年間でその経過した準備金残高の均等額を取り崩して益金に算入することになる(図表3参照)。

 同制度は中小企業等経営強化法の改正を前提に、改正法の施行の日から令和6年3月31日までの間に経営力向上計画の認定を受けたものが対象となる。
所得拡大促進税制の上乗せ要件は不要に
 前述した通り、同税制の適用を受けるためには経営力向上計画の認定を受ける必要があるが、その際に中小企業経営強化税制の適用対象となる設備投資を行うことも可能。再度、経営力向上計画の認定を受ける必要はなく、ワンストップで手続が完了することになる。
 また、所得拡大促進税制については、教育訓練費を前年度に比べて1.1倍増加させた場合には税額控除率を10%上乗せすることができる措置が講じられているが、経営力向上計画の認定を受ける場合には、同要件はクリアしたことになるとの措置が講じられる予定となっている。

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