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解説記事2019年09月09日 ニュース特集 施行日をまたぐ消費税の適用税率~間違いやすい3つのポイント~(2019年9月9日号・№802)




ニュース特集

原則は8%だが、現行実務では10%のケースも

施行日をまたぐ消費税の適用税率~間違いやすい3つのポイント~




 令和元年10月1日より消費税率が8%から10%に引き上げられる。消費税率については、これまで3%から5%、5%から8%へと2回の引上げを経験しているだけに大きな混乱はないものと思われるが、施行日(令和元年10月1日)をまたぐ取引の適用税率の取扱いに関してはいまだに事業者から寄せられる質問もある。本特集では施行日をまたぐ消費税の適用税率の基本的な考え方とともに、間違いやすい3つのポイントを紹介する。






基本は資産の譲渡等が行われた時に適用税率を判断




 2度延期された消費税率の引上げだが、いよいよ令和元年10月1日(施行日)より10%に引き上げられる。消費税率については、令和元年10月1日以後に国内において事業者が行う資産の譲渡等に係る消費税(及び地方消費税)については、10%(軽減税率の対象になる資産の譲渡等は8%)が適用され、平成26年4月1日から令和元年9月30日までの間に国内において事業者が行った資産の譲渡等に係る消費税については、旧税率である8%が適用される。これが適用税率における考え方の基本となる。

 したがって、令和元年9月30日までに締結した契約に基づき行われる資産の譲渡等であっても、これらが施行日以後に行われる場合には、経過措置が適用されるものを除き、当該資産の譲渡等については新税率である10%が適用されることになる。例えば、令和元年9月30日までに仕入れた商品を施行日以後に販売する場合には、仕入れに関しては旧税率、販売に関しては新税率が適用されることになる。基本はいつの時点で資産の譲渡等が行われたかで判断するということだ。



 なお、一定の要件のもと、令和元年10月1日以降も8%を適用することができる経過措置には、すでにご存じのとおり、①旅客運賃等、②電気料金等、③工事の請負等、④資産の貸付け、⑤役務の提供、⑥予約販売に係る書籍、⑦特定新聞、⑧通信販売、⑨有料老人ホームの介護に係る入居一時金、⑩家電リサイクル法(特定家庭用機器再商品化法)に基づくリサイクル料金等――がある。経過措置により旧税率(8%)が適用される施行日以後に事業者が行う資産の譲渡等については、必ず経過措置を適用することとされている。







間違いやすいポイント1~売上計上方法により適用税率が異なるケース




 前述のとおり、適用税率は、資産の譲渡等がいつ行われたのかで判断するが、施行日をまたぐ取引は、売上計上の方法により、適用税率が異なるケースがある(図表2参照)。これが1点目の間違いやすいポイントだ。

 例えば、商品を店頭で9月29日に販売した場合には、旧税率(8%)が適用されるが、仮に販売した商品を10月1日以降に発送した場合はどうだろうか。商品の引渡しは10月1日以降になるが、販売した商品を別送する場合など、店頭での販売時に継続的に売上計上している場合であれば、発送が10月1日以降であっても、税率引き上げ前の販売については旧税率が適用される。しかし、発送基準で売上に計上しているケースでは新税率(10%)が適用されることになる。基本は新税率になるが、前回の8%の引上げ時の際には、顧客とトラブルを避けるため、多くの小売店が増税分を負担したケースも多かったようだ。



 また、前回時に通信販売(経過措置を除く)でよくトラブルとなったのは着荷(到着)基準で売上を計上しているケース。申込みが9月中であったにも関わらず、商品の到着が10月1日以降の場合は着荷基準だと新税率(10%)が適用されることになるからだ。






間違いやすいポイント2~売手と買手で計上基準が異なる場合の適用税率




 2点目の間違いやすいポイントは、売手と買手で計上基準が異なる場合の適用税率だ。

 例えば、出荷基準により売上を計上している事業者と検収基準により仕入を計上している事業者との取引において、商品の出荷日が9月中で、納品日が10月1日以降のケース。売手側が旧税率(8%)で請求した場合でも、買手側は新税率(10%)で仕入税額控除できるのであろうか。

現行の請求書には適用税率の記載はなし

 この点、請求書等でその取引に係る消費税率が明らかな場合には、買手側はその税率で仕入税額控除の計算を行うことになる。したがって、適用税率が8%であれば買手側も8%を適用する。仕入税額控除は、税の累積が生ずることがないようにするために設けられた制度であるため、前段階(仕入)の取引で課された消費税額は、原則としてそのままの金額を基礎として仕入税額控除されることが前提となっているからである。

 しかし、現行実務では、新税率(10%)で仕入税額控除を行うケースが多いだろう。現行では、請求書等に適用税率を書く必要がなく、適用税率が明らかでないケースがほとんどだからだ。請求書等に税込価額で請求されており、適用税率が明らかでない場合には、ステップとして、①相手からに適用税率を確認する、②①の確認が困難な場合には、自己の会計処理により算出した仕入税額を基礎として仕入税額控除することが認められているからである。

 なお、2023年10月1日から導入される適格請求書については適用税率の記載が義務付けられている。さらなる税率の引上げがあった場合にしか関係はないが、今後は消費税率が明らかでないケースはなくなるであろう。






間違いやすいポイント3~資産の貸付けに係る前受金




 最後は資産の貸付けに係る前受金の取扱いだ。資産の貸付けの時期は、契約等によりその支払いを受けるべき日とされているが(消基通9-1-20)、例えば、1年間の資産の貸付けについて、令和元年9月に対価を受領した場合、すべての期間について旧税率(8%)が適用できるかが問題となる(図表3)。



 ここで留意したいのは消費税法基本通達9-1-20の存在だ。






(賃貸借契約に基づく使用料等を対価とする資産の譲渡等の時期)

9-1-20 資産の賃貸借契約に基づいて支払を受ける使用料等の額(前受けに係る額を除く。)を対価とする資産の譲渡等の時期は、当該契約又は慣習によりその支払を受けるべき日とする。(以下略)






 同通達に従えば、「契約又は慣習により支払いを受けるべき日」とされているため、9月に対価を受領したのであれば、10月以降も旧税率(8%)が適用できるのではないかと思う向きもあろう。しかし、同通達については、「前受けに係る額を除く。」とされており、前述のようなケースについては消費税法基本通達9-1-20の適用はない。前述の場合、すべての期間について8%を適用することはできないので留意したい。

 したがって、一般的な実務では月ごとに分け、令和元年9月分は旧税率、10月分以降は新税率とする処理を行うケースが多いことだろう。

通達の考え方と異なるもQ&Aで考え示す

 なお、別のケースだが、①令和元年10月分の賃貸料を9月に受領する場合、②令和元年9月分の賃貸料を10月以降に受領する場合の適用税率については、前述の消費税法基本通達9-1-20の取扱いと異なることになる。同通達に従えば①のケースは旧税率(8%)、②のケースは新税率(10%)が適用されるようにも読めるが、実際には①は新税率(10%)、②は旧税率(8%)が適用されることになる旨が国税庁の公表したQ&Aで明らかにされている(図表4参照)。


【図表4】








(不動産賃貸の賃借料に係る適用税率)

問4 当社は、不動産賃貸業を営む会社ですが、平成31年4月1日以後に契約する賃貸借契約(資産の貸付けの税率等に関する経過措置は適用されないもの)における次の賃貸料に係る消費税の適用税率について教えてください。

 ① 当月分(1日から末日まで)の賃貸料の支払期日を前月○日としている賃貸借契約で、平成31年10月分の賃貸料を平成31年9月に受領する場合

 ② 当月分の賃貸料の支払期日を翌月○日としている賃貸借契約で、平成31年9月分の賃貸料を平成31年10月に受領する場合

【答】

 31年新消費税法は、経過措置が適用される場合を除き、31年施行日(平成31年10月1日)以後に行われる資産の譲渡等及び課税仕入れ等について適用されます(改正法附則15)。

 照会①は、平成31年10月分の賃貸料であり、31年施行日以後である平成31年10月分の資産の貸付けの対価として受領するものですから、10月末日における税率(10%)が適用されます。

 照会②は、平成31年9月分の賃貸料であり、31年施行日前である平成31年9月分の資産の貸付けの対価として受領するものですから、支払期日を10月としている場合であっても、9月末日における税率(8%)が適用されます。

(「平成31年(2019年)10月1日以後に行われる資産の譲渡等に適用される消費税率等に関する経過措置の取扱いQ&A【具体的事例編】」問4より)



 この点については、賃貸料を受けた日ではなく、シンプルに10月分の資産の貸付けは新税率、9月分の資産の貸付けは旧税率として考えた方がよいであろう。





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