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税務ニュース2021年04月02日 租特適用支援業務の報酬支払い巡り訴訟(2021年4月5日号・№877) 顧客は「節税の成果が得られていない」として報酬の支払を拒否

  • 令和2年7月、中小企業経営強化税制の適用支援業務を委任された税理士法人が、顧客に対し報酬の支払いを求め、東京地裁に提訴していたことが判明。
  • 各業務の履行を完了したと主張する税理士法人に対し、顧客は「節税の成果が得られていない」として、報酬の支払を拒否。

 本件は、中小企業経営強化税制適用の支援業務等を委任された税理士法人(原告)が、当該業務を委任した納税者である顧客(被告)に対し報酬の支払を求めている事案である。
 原告は「当事者間において中小企業経営強化税制を適用するための支援業務(及び中小企業等経営強化法の規定に基づく経営力向上計画の認定支援業務)を委任する旨の委任契約が成立し、委任事務の履行が完了(①申請書の投資計画が要件を満たすことの確認、②経営力向上計画に係る認定)したため、被告に対して報酬請求を行った。」と主張。これに対し被告は、「節税効果は得られておらず、報酬支払の原資が生まれていないため報酬は支払わない。」「当初説明を受けていたのは節税を受けた場合にのみ成果報酬額を支払う旨の成功報酬型での提案であり、本件各業務は完了していない。また、節税効果と比して報酬額が不相当に過大であり、被告がそのような契約を結ぶはずもない。」などとし、報酬の支払を拒絶している。
 本件では、原告が委嘱契約書を準備し、担当者間での電子メールでのやりとりもあったが、契約書が最終的に締結(署名・押印)された形跡はない。原告は「本件委任契約に関する条件を通知し、その後、貴社から何らの異議もなく業務が開始されたことから、少なくとも業務が開始された頃に、委任契約が成立している。」と主張する一方、被告は、「説明を受けていた内容と契約書の内容が違っていたので、委託契約書の締結には至っていない。被告は会社であり、原告も税理士法人であることからすると、委任する業務の内容及び報酬額について定めた契約書の締結がないまま委託契約の業務の履行の完了も報酬の発生が認められることは原則としてない。」と反論している。
 本件では、中小企業経営強化税制の適用対象となったAプロジェクトについて、税理士法人は税制適用支援業務(確認書・認定書の取得)を行っているが、被告は、被告が依頼していたのはBプロジェクトに関する節税策であるとしている。両者の間で、原告が行う業務内容の理解に齟齬が生じていたことが紛争を招いたと言えそうだ。

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