税務ニュース2021年06月04日 従業員判断でのPCR検査費支給は給与(2021年6月7日号・№885) 国税庁、企業が従業員の感染予防対策費用を負担した場合の取扱い公表
国税庁は5月31日、「国税における新型コロナウイルス感染症拡大防止への対応と申告や納税などの当面の税務上の取扱いに関するFAQ」を更新し、企業が従業員の感染予防対策費用を負担した場合の取扱いを追加した(今号36頁参照)。
感染予防対策費用として、①マスク、石鹸、消毒液、消毒用ペーパー、手袋などの消耗品の購入費、②従業員の自宅に設置する間仕切り、カーテン、椅子、机、空気清浄機などの備品の購入費、③感染が疑われる場合のホテル等の利用料・ホテル等までの交通費など、④PCR検査費用、室内消毒の外部への委託費用などの大きく4つの費用について解説しているが、いずれも業務のために通常必要な費用について、その費用を精算する方法により企業が従業員に対して支給する一定の金銭については従業員に対する給与として課税しない旨を明らかにしている。
ただし、企業が従業員に渡切りで支給する費用のほか、従業員の判断で利用したホテルの利用料やPCR検査費用等を支給する場合は給与課税となる(下表参照)。
なお、法人税法上は、原則として、消耗品費、旅費交通費等や給与として損金の額に算入されることになる。
感染予防対策費用 | 企業が支給した場合に給与課税となるケース |
①マスク、石鹸、消毒液、消毒用ペーパー、手袋などの消耗品の購入費 | 例えば、勤務とは関係なく使用するマスク等の消耗品費について支給するものや、従業員の家族など従業員以外の者を対象に支給するもの、予め支給した金銭について業務のために通常必要な費用として使用しなかった場合でもその金銭を企業に返還する必要がないもの |
②従業員の自宅に設置する間仕切り、カーテン、椅子、机、空気清浄機などの備品の購入費 | 例えば、勤務とは関係なく使用する電化製品などや、予め支給した金銭について業務のために通常必要な費用として使用しなかった場合でもその金銭を企業に返還する必要がないもの、備品の所有権を従業員が有するもの(貸与ではなく支給するもの) |
③感染が疑われる場合のホテル等の利用料・ホテルまでの交通費など | 例えば、従業員が自己の判断によりホテル等に宿泊した場合の利用料などや、予め支給した金銭について業務のために通常必要な費用として使用しなかった場合でもその金銭を企業に返還する必要がないもの |
④PCR検査費用、室内消毒の外部への委託費用など | 例えば、従業員が自己の判断により受けたPCR検査費用や、従業員が自己の判断により支出した消毒費用など、予め支給した金銭について業務のために通常必要な費用として使用しなかった場合でもその金銭を企業に返還する必要がないもの |
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