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税務ニュース2021年09月03日 控訴審も「土地賃貸は駐車場業に非ず」(2021年9月6日号・№896) コインパーキング事案、都の個人事業税課税を取り消した一審判決を認容

  • コインパーキング事業者に土地を賃貸した個人への個人事業税課税の是非が争点となった事案について、東京高裁は令和3年8月26日、課税処分を取り消した原審の判断を認容(本誌875号40頁参照)。
  • 敗訴した東京都だけでなく、他の道府県も課税の是非の明確化が迫られる状況に。

 本件は、所有する土地を訴外A社に貸し付けて同社の運営する駐車場用地として使用させている被控訴人(個人)が所得税等の確定申告をしたところ、東京都から、被控訴人は個人事業税の課税対象となる「駐車場業」を行う者に該当するとして、個人事業税賦課決定処分を受けたことから、被控訴人はA社に上記土地を貸し付けているにすぎず、駐車場業を行っていないなどと主張して、上記各個人事業税賦課決定処分の取消しを求めている事案である。
 原審が被控訴人の請求を認容したところ、これを不服とする東京都は控訴した。
 東京都は、「原審は、原審認定事実を法律上の文言である『駐車場業』に関する抽象的な定義に単純に当てはめるだけで判断したが、かかる判断方法は、控訴人が本件判定基準を定めた趣旨を没却し、納税者間の公平、徴税費用の削減等の実現が困難となるおそれがあるほか、控訴人が土地賃貸方式による駐車場事業に対する個人事業税の課税を明確にした趣旨からも、妥当でないというべきである。」などと主張した。
 東京高裁は、「事業税は、事業を行う者と道府県との間の応益負担の原則に立脚するものであることからすれば、個人事業税の対象となる『駐車場業』とは、当該個人において、事業といえる程度の形態で有料の駐車場が営まれていることが必要であると解すべきことも、当審が補正の上引用する原判決が説示するとおりであって、これらを前提に、原判決の前提事実及び認定事実を総合すると、被控訴人が『駐車場業』を行う者であると認めることはできないというべきであり、原判決の認定判断は、その手法も含め相当であると認められるから、控訴人の上記主張を採用することはできない。」などと判示し、東京都の主張を斥け、本件控訴を棄却した。
 東京都は、土地を駐車場用地として貸し付けている場合も「駐車場業」に含まれるとし、さらに大半の道府県において「駐車場業」の認定を土地の直接の借主が駐車している場合に限定していない旨主張してきた。東京都が上告するかどうかの判断、また上告した場合の裁判所の判断は、他の道府県の個人事業税実務に影響を及ぼすものとなろう。

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