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解説記事2023年07月17日 税制改正解説 令和5年度における法人税関係の改正について(2023年7月17日号・№987)

税制改正解説
令和5年度における法人税関係の改正について
 佐々木一樹


 令和5年度税制改正においては、家計の資産を貯蓄から投資へと積極的に振り向け、資産所得倍増につなげるため、NISAの抜本的拡充・恒久化を行うとともに、スタートアップ・エコシステムを抜本的に強化するための税制上の措置を講ずることとされ、また、より公平で中立的な税制の実現に向け、極めて高い水準の所得について最低限の負担を求める措置の導入、グローバル・ミニマム課税の導入及び資産移転の時期の選択により中立的な税制の構築を行うこととされ、加えて、自動車重量税のエコカー減税や自動車税等の環境性能割等を見直すこととされ、関係法令の改正が行われた。
 このうち法人税法等(国際課税関係を除く。)の改正では、期末時価評価の対象となる暗号資産の範囲の見直し、大学や高等専門学校、一定の専門学校を設置する学校法人の設立費用として企業が支出する寄附金の指定寄附金への追加等の改正が行われている。
 また、法人税関係(国際課税関係を除く。)の租税特別措置法の改正では、研究開発税制、特別新事業開拓事業者に対し特定事業活動として出資をした場合の課税の特例の改正等が行われる一方で、認定事業適応法人の欠損金の損金算入の特例の廃止等、既存の租税特別措置の整理合理化が行われた。

Ⅰ 法人税法等の改正

 暗号資産
(1)期末時価評価の対象となる暗号資産の範囲

 期末時価評価の対象となる暗号資産の範囲から、特定自己発行暗号資産が除外された。
 特定自己発行暗号資産とは、内国法人が発行し、かつ、その発行の時から継続して有する暗号資産であってその時から継続して譲渡についての制限その他の条件が付されている一定のものをいう。
 一定のものとは、その発行の時から継続して次の①又は②の要件に該当する暗号資産とされている。
① その暗号資産につき、他の者に移転することができないようにする技術的措置であって、次の要件の全てに該当するものがとられていること。
 イ その移転することができない期間が定められていること。
 ロ その技術的措置が、発行法人等の役員及び使用人(以下「役員等」という。)並びに次の者のみによって解除をすることができないものであること。
 (イ)発行法人等の役員等の親族
 (ロ)発行法人等の役員等と婚姻の届出をしていないが事実上婚姻関係と同様の事情にある者
 (ハ)上記(イ)又は(ロ)以外の者で発行法人等の役員等から受ける金銭その他の資産によって生計を維持しているもの
 (ニ)上記(ロ)又は(ハ)の者と生計を一にするこれらの者の親族
② その暗号資産が信託で次の要件の全てに該当するもの(受益者等課税信託に限る。)の信託財産とされていること。
(注)受益者等課税信託とは、法人税法第12条第1項の規定により受益者等がその信託財産に属する資産及び負債を有するものとみなされる信託をいう。なお、受益者等とは、法人税法第12条第1項に規定する受益者及び同条第2項の規定により受益者とみなされる者をいう。
 イ その信託の受託者が信託会社のみであり、かつ、その信託の受益者等がその暗号資産を発行した内国法人のみであること。
 (注)信託会社には、金融機関の信託業務の兼営等に関する法律により同法第1条第1項に規定する信託業務を営む同項に規定する金融機関を含む。
 ロ その信託に係る信託契約において、その信託の受託者がその信託財産に属する資産及び負債を受託者等(その信託の受託者及び受益者等をいう。)以外の者に譲渡しない旨が定められていること。
 ハ その信託に係る信託契約において、その暗号資産を発行した内国法人によって、その信託の受益権の譲渡及びその信託の受益者等の変更をすることができない旨が定められていること。
  また、内国法人が適格合併又は適格分割により被合併法人又は分割法人から移転を受けた暗号資産のうち、その移転の直前の時において特定自己発行暗号資産に該当していたものが、その内国法人において特定自己発行暗号資産に該当するかどうかの判定については、その内国法人がその移転を受けた時においてその暗号資産を発行したものとみなすこととされた。
 (注)適格分割については、分割法人が行っていた暗号資産の発行に関する事業が移転されるものに限ることとされている。
(2)暗号資産の1単位当たりの帳簿価額等
① 自己が発行した暗号資産の取得価額
  自己が発行することにより取得した暗号資産の取得価額が、その発行のために要した費用の額とされた。
② 暗号資産の1単位当たりの帳簿価額の算出の方法
  暗号資産の1単位当たりの帳簿価額は、暗号資産を種類の異なるごとに区別し、その種類を同じくする暗号資産ごとに帳簿価額を算出することとされているが、この種類は、次の暗号資産のいずれかに区分した後のそれぞれの種類とすることとされた。
 イ 特定自己発行暗号資産
 ロ 特定自己発行暗号資産以外の暗号資産
  この改正に伴い、暗号資産の1単位当たりの帳簿価額の算出の方法は、その種類ごとに、かつ、その区分ごとに選定しなければならないこととされ、暗号資産については、種類及び区分を同じくする暗号資産につき、そのよるべき1単位当たりの帳簿価額の算出の方法を選定し、税務署長に届け出ることとされた。
  また、暗号資産の1単位当たりの帳簿価額の算出の方法を変更しようとする場合における変更申請書の記載事項について、その変更しようとする暗号資産の種類及び区分を記載することとされた。
(3)特定自己発行暗号資産に該当しないこととなった場合のみなし譲渡
 内国法人が特定自己発行暗号資産に該当する暗号資産を自己の計算において有する場合において、その暗号資産が特定自己発行暗号資産に該当しないこととなったときは、その該当しないこととなった時において、その暗号資産をその時の直前の帳簿価額により譲渡し、かつ、その暗号資産をその帳簿価額により取得したものとみなして、その内国法人の各事業年度の所得の金額を計算することとされた。
(4)暗号資産信用取引
 暗号資産信用取引について、他の者から信用の供与を受けて行う暗号資産の売買をいうこととされた。

2 寄附金の損金不算入
(1)指定寄附金の追加

① 指定寄附金に追加された寄附金の概要
  指定寄附金に追加された寄附金は、学校法人設立準備法人に対して支出された寄附金であって、学校法人の設立に必要な費用に充てられるもののうち、その学校法人設立準備法人がその寄附金の募集につき一定の要件を満たすものとして届出書を財務大臣に提出した日から令和10年3月31日までの間に支出されたもの(その届出書の提出に対して受理書の交付を受けたその学校法人設立準備法人に対して支出されたものに限る。)の全額とされている。
② 対象となる支出先の法人
  対象となる支出先の法人は、学校法人設立準備法人とされている。学校法人設立準備法人とは、大学等(次の学校をいう。以下同じ。)の設置を主たる目的とする私立学校法第3条に規定する学校法人(同法第64条第4項の規定により設立された法人を含む。以下「学校法人」という。)の設立を目的とする法人をいうこととされている。
 イ 学校教育法第1条に規定する大学(同法第108条第2項の大学を除く。)
 ロ 学校教育法第1条に規定する高等専門学校
 ハ 学校教育法第124条に規定する専修学校(同法第125条第1項に規定する専門課程でその修業期間を通ずる授業時間数が3,400時間以上であるものによる教育を行うものに限る。)
 (注)修業期間を通ずる授業時間数が3,400時間以上であるかどうかの判定は、普通科、専攻科その他これらに準ずる区別された課程があり、一の課程に他の課程が継続する場合には、これらの課程の修業期間を通算した期間を通ずる授業時間数が3,400時間以上であるかどうかにより判定される。
③ 対象となる寄附金
  対象となる寄附金は、学校法人設立準備法人が学校法人の設立に必要な費用に充てるために募集する寄附金で、その学校法人設立準備法人がその寄附金の募集につき次の要件を満たすものとして届出書を財務大臣に提出した日から令和10年3月31日までの間に支出されたものとされている。
 イ その学校法人の設立前においてされる寄附金で、法人税法施行令第75条に規定する寄附金に該当するものであること。
 ロ 募集要綱に、その学校法人設立準備法人の設立後5年を超えない範囲内においてその募集要綱で定める日までにその大学等の設置に係る学校教育法第4条第1項又は第130条第1項の認可(以下「設置認可」という。)を受けなかった場合には、それまでに受け入れたその寄附金の額からその寄附金のうちその学校法人の設立及びその大学等の設置に特に必要となる費用に充てられたものの額を控除した残額について国又は地方公共団体に寄附する旨の定めがあること。
 (注)募集要綱とは、寄附金の使途並びに募集の方法及び期間並びに募集した寄附金の管理の方法を明らかにした書面又は電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。)をいう。
④ 指定寄附金に係る手続
  学校法人設立準備法人の募集する寄附金が指定寄附金となるためには、その学校法人設立準備法人が、上記③イ及びロの要件を満たすことにつき、届出書を財務大臣に提出し、財務大臣よりその届出書に対する受理書の交付を受ける必要がある。具体的な手続は、次のとおりとされている。
 イ 届出書の提出
   学校法人設立準備法人の募集する寄附金が指定寄附金となるためには、その学校法人設立準備法人がその寄附金の募集につき上記③イ及びロの要件を満たす旨の届出書を財務大臣に提出する必要がある。
  なお、届出書を提出する際には、次の書類を添付することとされている。
 (イ)定款、寄附行為、規則若しくは規約又はこれらに準ずるものの写し
 (ロ)募集する寄附金の募集要綱
 (ハ)届出の日前3月以内に交付された登記事項証明書
 (ニ)設置認可の申請をする予定の大学等の概要を記載した資料
 (ホ)大学等の設置認可の申請の準備状況(学校教育法第124条に規定する専修学校にあっては、その申請の準備状況及び同法第125条第1項に規定する専門課程の修業期間を通ずる授業時間数が3,400時間以上であること)について大学等に係る所轄庁(私立学校法第4条に規定する所轄庁をいう。)の確認を受けたことを証する書類の写し
 ロ 受理書の交付
   学校法人設立準備法人が上記イの届出書を財務大臣に提出した場合には、財務大臣よりその届出書に対する受理書が交付される。この受理書の交付を受けた学校法人設立準備法人の募集する寄附金が指定寄附金となる。
  なお、指定寄附金を募集する学校法人設立準備法人は、上記イの届出書を財務大臣に提出した日から大学等の設置認可を受ける日までの間、6月ごとに財務大臣に次の書類を添付した募集実績報告書を提出する必要がある。
 (イ)指定寄附金の受入状況(その寄附をした法人の本店又は主たる事務所の所在地、名称、受入金額及び受入年月日)が記載された書類
 (ロ)大学等の設置に関する計画及びその進捗状況が分かる書類
 (ハ)受け入れた指定寄附金の支出状況(個人又は法人に対してその指定寄附金のうちから支出した金額がある場合におけるその個人又は法人の住所又は本店若しくは主たる事務所の所在地、氏名又は名称、支出金額及び支出年月日)が記載された書類
 (ニ)指定寄附金を受け入れた際に発行した領収書の見本
 (ホ)大学等の設置認可の申請を行った場合は、学校教育法施行規則第3条に規定する認可申請書の写し
 (ヘ)その他参考となるべき事項が記載された書類
(2)特定公益増進法人の範囲
 特定公益増進法人の範囲に、福島国際研究教育機構が追加された。
(注)福島国際研究教育機構は、令和5年4月1日に設立。
(3)特定労働者協同組合が支出した寄附金の損金算入限度額
 特定労働者協同組合が各事業年度において支出した一般の寄附金及び特定公益増進法人に対する寄附金の損金算入限度額及び特別損金算入限度額について、期末資本金の額等及び当期の所得金額を基礎として計算した金額とされた。
(注1)特定労働者協同組合とは、労働者協同組合法第94条の3第2号に規定する特定労働者協同組合をいい、具体的には、その定款に剰余金の配当を行わない旨の定めがあること等の基準に適合する組合であることについての行政庁の認定を受けた労働者協同組合をいう。
(注2)特定労働者協同組合に該当しない労働者協同組合(普通法人)についても、同様。

3 その他
(1)公共法人の範囲に、国立健康危機管理研究機構及び福島国際研究教育機構が追加された。
(2)公益法人等の範囲に、金融経済教育推進機構が追加された。
(3)土地改良法の改正に伴い、公共法人が事業年度の中途において公益法人等又は普通法人若しくは協同組合等に該当することとなった場合の事業年度の特例、公共法人が普通法人又は協同組合等に該当することとなった場合の所得の金額の計算等について、所要の措置が講じられた。
(4)有価証券の範囲から、資金決済に関する法律に規定する特定信託受益権が除外された。
(5)公益法人等が普通法人等に移行する場合の所得の金額の計算について、次の見直しが行われた。
 ① 累積所得金額又は累積欠損金額の計算において、移行日における資本金等の額を減算することとされた。
 ② 合併前累積所得金額又は合併前累積欠損金額の計算において、適格合併に係る被合併法人の適格合併の日の前日の属する事業年度終了の時における資本金等の額に相当する金額を減算することとされた。
(6)森林環境税の創設に伴う所要の改正が行われた。
(7)通算子法人の残余財産の確定の日の属する事業年度が通算親法人の事業年度終了の日に終了する場合におけるその通算子法人の残余財産の確定の日の属する事業年度の確定申告書の提出期限等について、所要の改正が行われた。
(8)青色申告の承認の申請及び取りやめについて、次の見直しが行われた。
 ① 青色申告の承認申請書の記載事項が簡素化された。
 ② 青色申告の取りやめの届出書の提出期限が、その青色申告書の提出をやめようとする事業年度の確定申告書の提出期限とされた。また、その記載事項が簡素化された。

Ⅱ 租税特別措置法等(法人税関係)の改正

一 税額控除等関係

1 試験研究を行った場合の法人税額の特別控除制度(研究開発税制)
(1)試験研究費の額の範囲の見直し

① 新たな役務の開発に係る試験研究費の範囲の見直し
  本制度の対象となる試験研究費の額の基因となる試験研究のうち、対価を得て提供する新たな役務の開発に係る一定の試験研究について、次のとおり見直された。
 イ 「大量の情報を収集する機能を有し、その機能の全部若しくは主要な部分が自動化されている機器若しくは技術を用いる方法によって行われた情報の収集又はその方法によって収集された情報の取得」が必須要件でないこととされた。
 ロ 「情報について、一定の法則を発見するために、情報解析専門家により情報の解析を行う専用のソフトウエアを用いて行われる分析」における「情報」について、上記イの情報のほか、その法人が有する情報で、その法則の発見が十分見込まれる量のものが追加された。
(2)一般試験研究費の額に係る税額控除制度の見直し
① 税額控除割合の見直し
  税額控除割合及び税額控除限度額の特例について、税額控除割合の逓増率の転換点が増減試験研究費割合9.4%から増減試験研究費割合12%に引き上げられ、転換点を超える場合の逓増率が0.35から0.375に、転換点に満たない場合の逓増率が0.175から0.25に、それぞれ引き上げられるとともに、税額控除割合の下限が2%から1%に引き下げられた上、税額控除限度額の特例の適用期限が令和8年3月31日まで3年延長された。具体的には、次の改正が行われた。
 イ 税額控除割合
   税額控除割合の算式が、11.5%−(12%−増減試験研究費割合)×0.25(改正前:10.145%−(9.4%−増減試験研究費割合)×0.175)に見直された。また、税額控除割合の下限が、1%(改正前:2%)とされた。
 (注1)上記により算出された割合に小数点以下3位未満の端数があるときはこれを切り捨てた割合とし、その算出された割合が10%を超えるときは10%とすることとされている。
 (注2)その事業年度が設立事業年度である場合又は比較試験研究費の額が0である場合の税額控除割合は、改正前と同様に8.5%とされている。
 (注3)増減試験研究費割合とは、増減試験研究費の額の比較試験研究費の額に対する割合をいう。
 (注4)増減試験研究費の額とは、その事業年度の試験研究費の額から比較試験研究費の額を減算した金額をいう。
 ロ 税額控除限度額の特例
   税額控除限度額の特例による税額控除割合が、試験研究費割合が10%を超える事業年度以外の事業年度について、次の場合の区分に応じそれぞれ次のとおりとされた上、特例の適用期限が令和8年3月31日まで3年延長された。なお、(イ)又は(ロ)の算式により算出した割合に小数点以下3位未満の端数があるときはこれを切り捨てた割合とし、その算出した割合が14%を超えるときは14%とすることとされている。
 (イ)増減試験研究費割合が12%を超える場合((ハ)の場合を除く。)……次の算式により算出した割合
  <算式>
  11.5%+(その増減試験研究費割合−12%)×0.375
 (ロ)増減試験研究費割合が12%以下である場合((ハ)の場合を除く。)……次の算式により算出した割合
  <算式>
  11.5%−(12%−その増減試験研究費割合)×0.25
   なお、上記の算式により算出した割合が1%未満であるときは1%とすることとされている。
 (ハ)その事業年度が設立事業年度である場合又は比較試験研究費の額が0である場合……8.5%
   なお、試験研究費割合が10%を超える事業年度については、控除割増率を乗ずる基礎となる割合が上記のとおり見直されたほかは、改正前と同様とされている。
② 増減試験研究費割合に応じた税額控除額の上限の変動特例の創設及び試験研究費割合が10%を超える場合における税額控除額の上限の特例の適用期限の延長
  増減試験研究費割合に応じた税額控除額の上限の変動特例として、令和5年4月1日から令和8年3月31日までに開始する各事業年度について、増減試験研究費割合が4%を超える場合に税額控除額の上限をその超える部分1%当たり当期の調整前法人税額の0.625%(上限:5%)を加算するとともに、増減試験研究費割合がマイナス4%を下回る場合に税額控除額の上限をその下回る部分1%当たり当期の調整前法人税額の0.625%(上限:5%)を減算する特例が創設された。また、試験研究費割合が10%を超える場合における税額控除額の上限の特例の適用期限が3年延長された。なお、試験研究費割合が10%を超える場合には、2つの特例により計算される税額控除額の上限のうちいずれか高い金額を適用することとされた。
  具体的には、令和5年4月1日から令和8年3月31日までに開始する各事業年度のうち、次の事業年度については、税額控除額の上限は、当期の調整前法人税額に、25%にそれぞれ次の割合を加算した割合を乗じて計算した金額とされている。なお、イ及びハの事業年度のいずれにも該当する事業年度にあっては、加算する割合は、イの割合とハの割合とのうちいずれか高い割合とすることとされている。
 イ 増減試験研究費割合が4%を超える事業年度(設立事業年度及び比較試験研究費の額が0である事業年度を除く。)……次の算式により算出した割合
 <算式> 
 (その増減試験研究費割合−4%)×0.625
   なお、その算出した割合に小数点以下3位未満の端数があるときはこれを切り捨てた割合とし、その算出した割合が5%を超えるときは5%とすることとされている。
 ロ 増減試験研究費割合がマイナス4%を下回る事業年度(設立事業年度、比較試験研究費の額が0である事業年度及び試験研究費割合が10%を超える事業年度を除く。)……次の算式により算出した割合
 <算式>
 (その増減試験研究費割合+4%)×0.625
  なお、その算出した割合に小数点以下3位未満の端数があるときはこれを切り捨てた割合とし、その算出した割合がマイナス5%を下回るときはマイナス5%とすることとされている。
 (注)上記の算式によりマイナスの値が算出される。25%にマイナスの割合を加算するので、加算した結果は25%より小さい割合(20%が下限)となる。
 ハ 試験研究費割合が10%を超える事業年度……次の算式により算出した割合
 <算式>
 (その試験研究費割合−10%)×2
   なお、その算出した割合に小数点以下3位未満の端数があるときはこれを切り捨てた割合とし、その算出した割合が10%を超えるときは10%とすることとされている。すなわち、改正前と同様。
③ 基準年度比売上金額減少割合が2%以上の場合の税額控除額の上限の特例の廃止
  基準年度比売上金額減少割合が2%以上の場合の税額控除額の上限の特例は、適用期限(令和5年3月31日)の到来をもって、廃止された。
(3)中小企業技術基盤強化税制の見直し
① 税額控除割合の見直し
  中小企業者等税額控除限度額の特例のうち増減試験研究費割合が9.4%を超える場合の特例について、適用要件となる増減試験研究費割合が9.4%超から12%超に引き上げられ、その逓増率が0.35から0.375に引き上げられた上、その適用期限が令和8年3月31日まで3年延長された。
  これにより、改正後の中小企業者等税額控除限度額の特例による中小企業者等税額控除限度額は、当期の試験研究費の額に、12%に次の事業年度の区分に応じそれぞれ次の算式により算出した割合を加算した割合を乗じて計算した金額となる。なお、その加算した割合に小数点以下3位未満の端数があるときはこれを切り捨てた割合とし、その加算した割合が17%を超えるときは17%とすることとされている。
 イ 増減試験研究費割合が12%を超える事業年度(設立事業年度、比較試験研究費の額が0である事業年度及び試験研究費割合が10%を超える事業年度を除く。)
 <算式>
 (その増減試験研究費割合−12%)×0.375
 ロ 試験研究費割合が10%を超える事業年度(設立事業年度及び比較試験研究費の額が0である事業年度のいずれにも該当しない事業年度で増減試験研究費割合が12%を超える事業年度を除く。)
 <算式>
 12%×控除割増率
 控除割増率とは、次の算式により算出した割合(上限:10%)をいう。
 <算式>
 (その試験研究費割合−10%)×0.5
 ハ 増減試験研究費割合が12%を超え、かつ、試験研究費割合が10%を超える事業年度(設立事業年度及び比較試験研究費の額が0である事業年度を除く。)
 <算式>
 (その増減試験研究費割合−12%)×0.375×(1+控除割増率)+12%×控除割増率
② 増減試験研究費割合が9.4%を超える場合の税額控除額の上限の特例の見直し及び延長
  増減試験研究費割合が9.4%を超える場合の税額控除額の上限の特例について、増減試験研究費割合が12%を超える場合の税額控除額の上限の特例とされた上、その適用期限が令和8年3月31日まで3年延長された。
③ 試験研究費割合が10%を超える場合の税額控除額の上限の特例の延長
  試験研究費割合が10%を超える場合の税額控除額の上限の特例の適用期限が、令和8年3月31日まで3年延長された。
④ 基準年度比売上金額減少割合が2%以上の場合の税額控除額の上限の特例の廃止
  基準年度比売上金額減少割合が2%以上の場合の税額控除額の上限の特例は、適用期限(令和5年3月31日)の到来をもって、廃止された。
(4)特別試験研究費の額に係る税額控除制度の見直し
① 特別試験研究費の区分の変更
  特別試験研究費の額の対象となる試験研究のうち、他の者との間で行われる共同研究及び委託研究について、次のとおり、特定新事業開拓事業者と共同して行う試験研究及び特定新事業開拓事業者に委託する試験研究が特掲され、税額控除割合を25%とすることとされた。また、新事業開拓事業者等と共同して行う試験研究及び新事業開拓事業者等に委託する試験研究が、特掲の対象から除外された。
 イ 特定新事業開拓事業者と共同して行う試験研究
   特定新事業開拓事業者と共同して行う一定の試験研究で、その特定新事業開拓事業者との契約又は協定に基づいて行われるものが、特別試験研究費の額の対象となる試験研究とされている。
 (イ)特定新事業開拓事業者
   特定新事業開拓事業者とは、産業競争力強化法第2条第6項に規定する新事業開拓事業者のうち研究開発型新事業開拓事業者をいい、特別研究機関等、大学等及び関係法人等を除くこととされている。
   研究開発型新事業開拓事業者とは、経済産業省関係産業競争力強化法施行規則第2条第3号に掲げるものをいい、具体的には、既に事業を開始している者であって、次のAからEまでのいずれにも該当する会社をいう。
 A 次のいずれにも該当する会社
 (A)株式会社
 (B)金融商品取引法第2条第16項に規定する金融商品取引所に上場されている株式又は同法第67条の11第1項に規定する店頭売買有価証券登録原簿に登録されている株式の発行者である会社以外の会社
 (C)風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律第2条第1項に規定する風俗営業又は同条第5項に規定する性風俗関連特殊営業に該当する事業を営む会社以外の会社
 (D)次のいずれかに掲げる会社以外の会社
  a 暴力団員等が役員にいる会社
  b 暴力団員等がその事業活動を支配する会社
  (注)暴力団員等とは、暴力団員又は暴力団員でなくなった日から5年を経過しない者をいい、暴力団員とは、暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律第2条第6号に規定する暴力団員をいう。
 B 産業競争力強化法第2条第25項に規定する特定事業活動に資する事業を行い、又は行おうとする会社
 C その発行済株式(その有する自己の株式を除く。)の総数の2分の1を超える株式(その株式が組合を通じて会社及びその会社と特殊の関係のある会社の所有に属している場合を除く。)が同一の会社及びその会社と特殊の関係のある会社の所有に属している会社以外の会社
 (注)特殊の関係のある会社とは、次の会社をいう。
 (A)その会社が有する他の会社の株式の総数又は出資の金額の合計額が当該他の会社の発行済株式又は出資(その会社が有する自己の株式又は出資を除く。以下同じ。)の総数又は総額の2分の1以上に相当する場合における当該他の会社
 (B) その会社及び(A)に掲げる会社が有する他の会社の株式の総数又は出資の金額の合計額が当該他の会社の発行済株式又は出資の総数又は総額の2分の1以上に相当する場合における当該他の会社
 (C) その会社及び(A)(B)に掲げる会社が有する他の会社の株式の総数又は出資の金額の合計額が当該他の会社の発行済株式又は出資の総数又は総額の2分の1以上に相当する場合における当該他の会社
 D その発行する株式が投資事業有限責任組合の組合財産である会社又は科学技術・イノベーション創出の活性化に関する法律第34条の6第1項の規定により出資を受ける同項第1号に掲げる者
 (注)投資事業有限責任組合とは、投資事業有限責任組合契約に関する法律第2条第2項に規定する投資事業有限責任組合をいい、新たな事業を創出し、及び当該事業の成長発展を図る事業者に対する資金供給を行うもの(事業の再生又は事業の承継を実施する事業者に対する資金供給を行うものを除く。)に限ることとされている。
 E 次のいずれかに該当する会社
 (A)その設立の日以後の期間が10年未満の会社であって、直前の事業年度の確定した決算において、研究開発費の額の売上高の額に対する割合が10%以上であるもの
 (B)その設立の日以後の期間が10年以上15年未満の会社であって、直前の事業年度の確定した決算において、研究開発費の額の売上高の額に対する割合が10%以上であり、かつ、営業損失を生じているもの
  なお、法人のこの制度の適用を受ける事業年度の確定申告書等にその新事業開拓事業者に係る国内外における経営資源活用の共同化に関する調査に関する省令(以下「共同化調査省令」という。)第4条第4項の規定による経済産業大臣の証明に係る書類の写しとしてその新事業開拓事業者から交付を受けたものの添付がある場合に限り、特定新事業開拓事業者に該当することとされている。
(注)確定申告書等とは、法人税法第2条第30号に規定する中間申告書で同法第72条第1項各号に掲げる事項を記載したもの及び同法第144条の4第1項各号又は第2項各号に掲げる事項を記載したもの並びに同法第2条第31号に規定する確定申告書をいう。
 (ロ)関係法人等
   関係法人等とは、この制度の適用を受ける法人(適用法人)にとって、次の法人をいう。
  A 適用法人がその発行済株式又は出資(その有する自己の株式又は出資を除く。以下同じ。)の総数又は総額の25%以上を有している他の法人
    なお、上記の他の法人が通算親法人である場合には、他の通算法人を含む。
  B 適用法人の発行済株式又は出資の総数又は総額の25%以上を有している他の者
    なお、上記の他の者が通算法人である場合には、他の通算法人を含む。
  C 適用法人との間に支配関係がある他の者
  (注)支配関係とは、法人税法第2条第12号の7の5に規定する支配関係をいう。
 (ハ)契約又は協定に定める事項
  契約又は協定は、次の事項を定めているものに限ることとされている。
  A その試験研究におけるその法人(適用法人)及びその特定新事業開拓事業者の役割分担及びその内容
  B その法人(適用法人)及びその特定新事業開拓事業者がその試験研究に要する費用を分担する旨及びその明細
  C その特定新事業開拓事業者が上記Bの費用の額のうちその法人(適用法人)が負担した額を確認する旨及びその方法
  D その試験研究の成果がその法人(適用法人)及びその特定新事業開拓事業者に帰属する旨及びその内容
  E その試験研究の目的及び内容
  F その試験研究の実施期間
  G その試験研究に係る特定新事業開拓事業者の名称及び代表者の氏名並びに本店の所在地
  H その試験研究の実施場所
  I その試験研究の用に供される設備の明細
  J その試験研究に直接従事する研究者の氏名
  K その試験研究に係る定期的な進捗状況に関する報告の内容及び方法
 (ニ)対象となる特別試験研究費の額
   この特定新事業開拓事業者との共同研究に係る特別試験研究費の額は、この制度の適用を受ける法人の各事業年度の試験研究費の額のうちその試験研究に要した費用であってその法人がその契約又は協定に基づいて負担したものに係るものであることにつき、監査を受け、かつ、その特定新事業開拓事業者の確認を受けた金額で、その金額が生じた事業年度の確定申告書等にその監査及び確認に係る書類の写しを添付することにより証明がされた金額とされている。
 (注)監査とは、専門的な知識及び経験を有する者が行う検査及び適正であることの証明をいう。
 ロ 特定新事業開拓事業者に委託する試験研究
   特定新事業開拓事業者に委託する試験研究のうち(ロ)の要件を満たすもので、その特定新事業開拓事業者とのその委託に係る委任契約等に基づいて行われるものが、特別試験研究費の額の対象となる試験研究とされている。なお、その試験研究の主要な部分についてその特定新事業開拓事業者が再委託を行うものを除くこととされている。
 (イ)特定新事業開拓事業者
   上記イ(イ)と同様。
 (ロ)対象となる試験研究
   このロの対象となる試験研究は、次のA又はBの要件を満たすものに限ることとされている。次のA及びBの要件は、他の者に対する委託研究と同様。
  A その委託する試験研究の成果を活用して委託をする法人(適用法人)が行おうとする試験研究が工業化研究に該当しないものであること。
   なお、その委託に係る委任契約等において、委託先の特定新事業開拓事業者に委託する試験研究が委託をする法人(適用法人)の工業化研究以外の試験研究に該当するものである旨が定められている場合に限ることとされている。
  B その委託する試験研究が主として委託先の特定新事業開拓事業者の有する知的財産権等を活用して行うものであること。
   知的財産権等とは、知的財産権その他これに準ずるもの及びこれらを活用した機械その他の減価償却資産をいう。
   知的財産権とは、知的財産基本法第2条第2項に規定する知的財産権及び外国におけるこれに相当するものをいう。
   知的財産権に準ずるものとは、知的財産権以外の資産のうち、特別の技術による生産方式その他これに準ずるもの(以下「技術的知識等財産」という。)を利用する権利で受託者が対価を支払って第三者から設定又は許諾を受けたもの及び受託者が対価を得て技術的知識等財産の第三者による利用につき設定し、又は許諾してその第三者にその利用をさせている設定又は許諾をした技術的知識等財産をいう。
 (注)第三者とは、委託をする法人(適用法人)以外の者をいう。
   なお、その委託に係る委任契約等において、その活用する知的財産権等が委託先の特定新事業開拓事業者の有するものである旨及びその知的財産権等を活用して行う試験研究の内容が定められている場合に限られている。
 (ハ)委任契約等
   委任契約等とは、当事者の一方が法律行為をすることその他の事務を相手方に委託する契約又は協定に該当するものをいう。ただし、この契約又は協定からは、次の類型のものが除外されている。他の者に対する委託研究における委任契約等と同様である。
  A 次の(A)から(C)までの全てに該当する契約等
  (A)その委託する事務(以下「委託事務」という。)を履行することに対する報酬を支払うこととされていないこと。
   なお、その報酬の支払に係る債務(その事務を処理するのに必要と認められる費用の弁償に係る債務を含む。)がその契約若しくは協定に基づく他の報酬又はその契約若しくは協定に基づき引き渡す物品の対価の支払に係る債務と区分されていないことを含むこととされている。
  (B)委託事務の履行により得られる成果に対する報酬、仕事の結果に対する報酬又は物品の引渡しの対価を支払うこととされていること。
  (C)委託事務に着手する時においてその委託事務の履行により得られる成果の内容が具体的に特定できていること。
   なお、委託事務の履行により得られる成果を得ること、仕事を完成すること又は物品を引き渡すことを主たる目的としている場合を含むこととされている。
  B 次のいずれかに該当する契約等
  (A)その委託の終了後における委託事務の経過及び結果の報告を要しないこととされていること。
  (B)委託事務を履行することに対する報酬の支払及びその委託事務を処理するのに必要と認められる費用の弁償を要しないこととされていること。
 (ニ)委任契約等において定める事項
   委任契約等は、次の事項を定めているものに限ることとされている。
  A その委託する試験研究における分担すべき役割としてその法人(適用法人)がその試験研究に要する費用を負担する旨及びその明細
  B その特定新事業開拓事業者が上記Aの費用の額を確認する旨及びその方法
  C その試験研究の成果がその法人(適用法人)に帰属する旨
  D その試験研究の目的及び内容
  E その試験研究の実施期間
  F その試験研究に係る特定新事業開拓事業者の名称及び代表者の氏名並びに本店の所在地
  G その試験研究の主要な部分について再委託を行わない旨
  H その試験研究に係る定期的な進捗状況に関する報告の内容及び方法
 (ホ)対象となる特別試験研究費の額
   この特定新事業開拓事業者に対する委託研究に係る特別試験研究費の額は、この制度の適用を受ける法人の各事業年度の試験研究費の額のうちその試験研究に要した費用であってその法人がその委託に係る委任契約等に基づいて負担したものに係るものであることにつき、監査を受け、かつ、その特定新事業開拓事業者の確認を受けた金額で、その金額が生じた事業年度の確定申告書等にその監査及び確認に係る書類の写しを添付することにより証明がされた金額とされている。
 ハ その他
   上記の改正に伴い、成果活用促進事業者と共同して行う試験研究及び成果活用促進事業者に委託する試験研究における成果活用促進事業者から特定新事業開拓事業者が除外されるとともに、他の者と共同して行う試験研究及び他の者に委託する試験研究における他の者から特定新事業開拓事業者が除外された。
② 高度専門知識等を有する者に対して人件費を支出して行う試験研究の追加
  特別試験研究費の額の対象となる試験研究に、高度専門知識等を有する者に対して人件費を支出して行う試験研究が追加され、税額控除割合を20%とすることとされた。
 イ 対象となる試験研究
   対象となる試験研究は、次の(イ)から(ハ)までの要件の全てを満たす試験研究とされている。
 (イ)新規高度研究業務従事者(下記ロ参照)に対して人件費を支出して行う試験研究であること。
 (ロ)その法人の当該事業年度の新規高度人件費割合を当該事業年度の前事業年度の新規高度人件費割合で除して計算した割合が1.03以上である場合に当該事業年度において行う試験研究(工業化研究に該当するものを除く。)であること。
  なお、その法人の当該事業年度の前事業年度の新規高度人件費割合が0である場合には、この要件に該当することとされている。ただし、当該事業年度又は当該前事業年度のBの金額が0である場合には、上記にかかわらず、この要件に該当しないこととされている。
  新規高度人件費割合とは、Aの金額がBの金額のうちに占める割合をいう。
  A 試験研究費の額(工業化研究に該当する試験研究に係る試験研究費の額を除く。)のうち新規高度研究業務従事者に対する人件費の額
  B 試験研究費の額のうちその法人の役員又は使用人である者に対する人件費の額
 (ハ)次の要件のいずれかに該当する試験研究であること。
  A その内容に関する提案が広く一般に又は広くその法人の使用人に募集されたこと。
  B その内容がその試験研究に従事する新規高度研究業務従事者から提案されたものであること。
  C その試験研究に従事する者が広く一般に又は広くその法人の使用人に若しくは広くその法人の役員及び使用人に募集され、その試験研究に従事する新規高度研究業務従事者がその募集に応じた者であること。
 ロ 新規高度研究業務従事者
   新規高度研究業務従事者とは、その法人の役員又は使用人である次に掲げる者をいう。
 (イ)博士の学位を授与された者で、その授与された日から5年を経過していないもの
 (ロ)他の者の役員又は使用人として10年以上専ら研究業務に従事していた者で、その法人の役員又は使用人となった日から5年を経過していないもの
 (注1)役員とは、法人税法第2条第15号に規定する役員をいう。
 (注2)博士の学位を授与された者には、外国においてこれに相当する学位を授与された者を含む。
 (注3)他の者からは関係法人等を除くこととされ、上記(ロ)の「その法人」には関係法人等を含むこととされている。関係法人等は、上記①イ(ロ)と同様。なお、最大で過去5年の状況を判定する必要があることから、連結納税制度を適用していた場合に対応した経過措置として、上記①イ(ロ)Aの他の法人には当該他の法人が連結親法人である場合における当該他の法人による連結完全支配関係にある各連結子法人を含むものとし、上記①イ(ロ)Bの他の者には当該他の者が連結親法人である場合における当該他の者による連結完全支配関係にある各連結子法人並びに当該他の者が連結子法人である場合における当該他の者に係る連結親法人及びその連結親法人による連結完全支配関係にある他の連結子法人を含むものとされている。
 ハ 対象となる特別試験研究費の額
   この高度専門知識等を有する者に対して人件費を支出して行う試験研究に係る特別試験研究費の額は、その法人の各事業年度の上記イ(ロ)Aの金額であって上記イの試験研究に係るものであることにつき、その金額を支出した事業年度の確定申告書等に次の事項を記載した書類を添付し、かつ、(ハ)の者が新規高度研究業務従事者であることを明らかにする書類その他の当該試験研究が上記イ(イ)から(ハ)までの要件に該当することを明らかにする書類を保存することにより証明がされた金額とされている。
 (イ)その試験研究の目的及び内容
 (ロ)その試験研究の実施期間
 (ハ)その試験研究に係る新規高度研究業務従事者の氏名及び役職
 (ニ)その試験研究に係るその事業年度の上記イ(ロ)Aの金額
 (注)なお、重複排除の観点から、他の類型の特別試験研究費の額に該当するものを除くこととされている。
③ 特別研究機関等の範囲の見直し
  特別研究機関等との共同研究及び特別研究機関等に対する委託研究について、特別研究機関等に福島国際研究教育機構が追加された。
  なお、福島国際研究教育機構との共同研究及び福島国際研究教育機構に対する委託研究における特別試験研究費の額の認定は、福島国際研究教育機構理事長が行うこととされた。
(5)組織再編成が行われた場合における比較試験研究費の額及び平均売上金額の調整計算の改正
 組織再編成があった場合における比較試験研究費の額及び平均売上金額の調整計算について、手続等の見直しが行われた。

2 中小企業者等の法人税率の特例の適用期限が、令和7年3月31日まで2年延長された。

3 中小企業投資促進税制について、次の見直しが行われた上、その適用期限が令和7年3月31日まで2年延長された。
(1)対象資産から、次の要件のいずれにも該当する機械装置が除外された。
① その管理のおおむね全部を他の者に委託するものであること。
② 要する人件費が少額な一定のサービス業(中小企業者等の主要な事業であるものを除く。)の用に供するものであること。
(2)対象資産のうち船舶について、総トン数が500トン以上の船舶にあっては、環境への負荷の状況が明らかにされた船舶に限定された。

4 地域経済牽(けん)引事業の促進区域内において特定事業用機械等を取得した場合の特別償却又は法人税額の特別控除制度について、次の見直しが行われた上、その適用期限が令和7年3月31日まで2年延長された。
(1)特別償却割合又は税額控除割合の引上げに係る措置について、次の見直しが行われた。
① 措置の対象に、次の要件の全てを満たす場合が追加された。
 イ 対象事業者の平均付加価値額が50億円以上であること。
 ロ 承認地域経済牽引事業が3億円以上の付加価値額を創出すると見込まれるものであること。
 ハ 労働生産性の伸び率及び投資収益率が一定水準以上となることが見込まれること。
② 承認地域経済牽引事業の実施場所が特定非常災害に基因して事業又は居住の用に供することができなくなった建物又は構築物が所在していた区域内である場合等に先進性に係る要件を満たすこととする特例により主務大臣の確認を受けた場合は、この措置の適用を受けることはできないこととされた。
(2)承認地域経済牽引事業の主務大臣の確認要件について、先進性に係る要件の評価精度向上に向けた運用改善及び対象事業者が取得する予定の減価償却資産の取得予定価額に係る要件等の見直しが行われた。

5 中小企業者等が特定経営力向上設備等を取得した場合の特別償却又は法人税額の特別控除制度について、対象資産からコインランドリー業又は暗号資産マイニング業(主要な事業であるものを除く。)の用に供する設備等でその管理のおおむね全部を他の者に委託するものが除外された上、その適用期限が令和7年3月31日まで2年延長された。

6 事業適応設備を取得した場合等の特別償却又は法人税額の特別控除制度のうちデジタルトランスフォーメーション投資促進税制について、次の見直しが行われた上、その適用期限が令和7年3月31日まで2年延長された。
(1)令和5年4月1日前に認定の申請がされた認定事業適応計画に係る資産が対象から除外された。
(2)生産性の向上又は需要の開拓に特に資するものとして主務大臣が定める基準等の見直しが行われた。

二 特別償却関係

1 特定船舶の特別償却制度について、次の見直しが行われた上、その適用期限が令和8年3月31日まで3年延長された。
(1)特定船舶のうち特定海上運送業を営む法人の認定外航船舶確保等計画に記載された特定外航船舶に係る特別償却割合が、次の区分に応じそれぞれ次のとおり引き上げられた。
① 特定外航船舶のうちその特定外航船舶に係る認定外航船舶確保等計画に従って取得し、又は製作された本邦対外船舶運航事業用船舶であることにつき証明がされたもの……次の船舶のいずれに該当するかに応じそれぞれ次の割合
 イ 日本船舶に該当する特定先進船舶……32%(改正前:20%)
 ロ 日本船舶に該当しない特定先進船舶……30%(改正前:18%)
 ハ 日本船舶に該当する船舶のうち特定先進船舶以外のもの……29%(改正前:17%)
 ニ 日本船舶に該当しない船舶のうち特定先進船舶以外のもの……27%(改正前:15%)
② 特定外航船舶のうちその特定外航船舶に係る認定外航船舶確保等計画に従って取得し、又は製作されたものであることにつき証明がされたもの(上記イの船舶を除く。)……次の船舶のいずれに該当するかに応じそれぞれ次の割合
 (イ)日本船舶に該当する特定先進船舶……30%(改正前:20%)
 (ロ)日本船舶に該当しない特定先進船舶……28%(改正前:18%)
 (ハ)日本船舶に該当する船舶のうち特定先進船舶以外のもの……27%(改正前:17%)
 (ニ)日本船舶に該当しない船舶のうち特定先進船舶以外のもの……25%(改正前:15%)
(2)対象資産について次の見直しが行われた。
① 対象となる海洋運輸業の用に供される船舶から、匿名組合契約等の目的である船舶貸渡業の用に供される船舶で、その貸付けを受けた者の海洋運輸業の用に供されるものが除外された。
② 対象となる沿海運輸業の用に供される船舶の総トン数に係る要件が、500トン以上(改正前:300トン以上)に引き上げられた。
(3)特定先進船舶の範囲の見直しが行われた。
(4)経営合理化及び環境負荷低減に係る要件の見直しが行われた。

2 港湾隣接地域における技術基準適合施設の特別償却制度は、廃止された。

3 関西文化学術研究都市の文化学術研究地区における文化学術研究施設の特別償却制度について、研究所用の施設の取得等資金に係る要件が4億円以上(改正前:3億5,000万円以上)に引き上げられた上、その適用期限が令和7年3月31日まで2年延長された。

4 特定事業継続力強化設備等の特別償却制度について、次の見直しが行われた上、事業継続力強化計画又は連携事業継続力強化計画の認定期限が令和7年3月31日まで2年延長された。
(1)対象資産に、耐震装置が追加された。
(2)令和7年4月1日以後に取得等をした特定事業継続力強化設備等の特別償却割合が、16%(改正前:18%(令和5年4月1日前に取得等をしたものについては、20%))に引き下げられた。

5 共同利用施設の特別償却制度について、共同利用施設のうち建物の取得価額要件が600万円以上(改正前:400万円以上)に引き上げられた上、その適用期限が令和7年3月31日まで2年延長された。

6 特定地域における工業用機械等の特別償却制度について、次の見直しが行われた。
(1)半島振興対策実施地域に係る措置について、対象地区から過疎地域等に係る措置の対象地区が除外された上、その適用期限が令和7年3月31日まで2年延長された。
(2)離島振興対策実施地域に係る措置について、離島振興法の離島振興計画に記載された区域及び事業に係る措置に見直された上、その適用期限が令和7年3月31日まで2年延長された。
(3)奄美群島に係る措置について、対象地区から過疎地域等に係る措置の対象地区が除外された上、その適用期限が令和6年3月31日まで1年延長された。

7 医療用機器等の特別償却制度について、医療用機器に係る措置における高度な医療の提供に資する機器につき対象機器の追加及び除外がされた上、制度の適用期限が令和7年3月31日まで2年延長された。

8 事業再編計画の認定を受けた場合の事業再編促進機械等の割増償却制度について、次の見直しが行われた上、事業再編計画の認定期限が令和7年3月31日まで2年延長された。
(1)対象となる認定事業再編計画が、その認定事業再編計画に係る事業再編が良質かつ低廉な農業資材の供給又は農産物流通等の合理化に特に資する一定の措置を行うものである場合におけるその認定事業再編計画に限定された。
(2)割増償却割合が、35%(建物等及び構築物については、40%)(改正前:40%(建物等及び構築物については、45%))に引き下げられた。

9 特定都市再生建築物の割増償却制度について、次の見直しが行われた上、その適用期限が令和8年3月31日まで3年延長された。
(1)対象となる民間都市再生事業計画のうち特定都市再生緊急整備地域以外の都市再生緊急整備地域における民間都市再生事業計画の認定要件の見直しが行われた。
(2)特定都市再生緊急整備地域内において整備される建築物に係る都市再生事業の要件のうち、その都市再生事業の施行される土地の区域内に整備される建築物の延べ面積要件が、7万5,000㎡以上(改正前:5万㎡以上)に引き上げられた。

三 準備金等関係

1 原子力発電施設解体準備金制度は、廃止された。

2 特定原子力施設炉心等除去準備金制度の適用期限が、令和8年3月31日まで3年延長された。

3 農業経営基盤強化準備金制度の適用期限が、令和7年3月31日まで2年延長された。また、適用対象法人に関する改正が行われている。

4 農用地等を取得した場合の課税の特例について、対象となる特定農業用機械等が一定の規模のものに限定された。

四 土地税制関係

1 土地の譲渡等がある場合の特別税率について、次の改正が行われた。
(1)優良住宅地等のための譲渡に該当する土地等の譲渡に係る適用除外措置について、次の見直しが行われた上、その期限及び確定優良住宅地等予定地のための譲渡に該当する土地等の譲渡に係る適用除外措置の期限が令和7年12月31日まで3年延長された。
① 対象から既成市街地等内において行われる特定の民間再開発事業の用に供するためにその事業者に対して行う土地等の譲渡が除外された。
② 都市計画法の開発許可を受けて住宅建設の用に供される一団の宅地の造成が行われる一定の住宅地造成事業の用に供するためにその事業者に対して行う土地等の譲渡に係る開発許可について、次の区域内において行われる開発行為に係るものに限定された。
 イ 市街化区域と定められた区域
 ロ 市街化調整区域と定められた区域
 ハ 区域区分に関する都市計画が定められていない都市計画区域のうち、用途地域が定められている区域
(2)適用停止措置の期限が令和8年3月31日まで3年延長された。

2 短期所有に係る土地の譲渡等がある場合の特別税率の適用停止措置の期限が、令和8年3月31日まで3年延長された。

3 特定の資産の買換えの場合等の課税の特例について、次の見直しが行われた上、その適用期限が令和8年3月31日まで3年延長された。
(1)既成市街地等の内から外への買換えに係る措置が、制度の対象から除外された。
(2)航空機騒音障害区域の内から外への買換えに係る措置について、譲渡資産から次の区域内にある土地等、建物及び構築物が除外された。
① 令和2年4月1日前に特定空港周辺航空機騒音対策特別措置法の航空機騒音障害防止特別地区となった区域
② 令和2年4月1日前に公共用飛行場周辺における航空機騒音による障害の防止等に関する法律の第二種区域となった区域
(3)所有期間が10年を超える国内にある土地等、建物又は構築物から国内にある一定の土地等、建物又は構築物への買換えに係る措置について、圧縮割合が次のとおり見直された。
① 譲渡をした譲渡資産が集中地域のうち特定業務施設の集積の程度が著しく高い一定の地域内にある本店資産に該当し、取得をした又は取得をする見込みである買換資産が集中地域以外の地域内にある本店資産に該当する場合には、圧縮割合が90%(改正前:80%)に引き上げられた。
② 譲渡をした譲渡資産が集中地域以外の地域内にある本店資産に該当し、取得をした又は取得をする見込みである買換資産が集中地域のうち特定業務施設の集積の程度が著しく高い一定の地域内にある本店資産に該当する場合には、圧縮割合が60%(改正前:70%)に引き下げられた。
(4)日本船舶の買換えに係る措置について、次の見直しが行われた。
① 譲渡船舶のうち建設業及びひき船業の用に供される船舶から平成23年1月1日以後に建造されたものが除外されるとともに、譲渡船舶の船齢要件における船齢が次の船舶の区分に応じそれぞれ次の期間に見直された。
 イ 海洋運輸業の用に供されている船舶……20年(改正前:25年)
 ロ 沿海運輸業の用に供されている船舶……23年(改正前:25年)
 ハ 建設業又はひき船業の用に供されている船舶……30年(改正前:35年)
② 買換資産について、譲渡をした船舶に係る事業と同一の事業の用に供される船舶に限定されるとともに、海洋運輸業の用に供される船舶及び沿海運輸業の用に供される船舶の環境負荷低減に係る要件の見直しが行われた。
(5)特定の資産の買換えの場合の課税の特例の適用要件に、納税地の所轄税務署長に本制度の適用を受ける旨の届出をすることが追加された。

五 その他の特別措置関係

1 トン数標準税制について、次の見直しが行われた上、日本船舶・船員確保計画の認定期限が令和7年3月31日まで延長された。
(1)日本船舶等の純トン数に応じた利益の金額の計算の基礎となる日本船舶等の1日当たり利益金額について、純トン数を100で除して得た数に乗ずる金額が次の船舶及び純トン数の区分に応じそれぞれ次の金額に引き上げられた。
① 日本船舶
 イ 1,000トン以下の純トン数……130円(改正前:120円)
 ロ 1,000トンを超え1万トン以下の純トン数……110円(改正前:90円)
 ハ 1万トンを超え2万5,000トン以下の純トン数……70円(改正前:60円)
 ニ 2万5,000トンを超える純トン数……40円(改正前:30円)
② 特定準日本船舶
 イ 1,000トン以下の純トン数……195円(改正前:180円)
 ロ 1,000トンを超え1万トン以下の純トン数……165円(改正前:135円)
 ハ 1万トンを超え2万5,000トン以下の純トン数……105円(改正前:90円)
 ニ 2万5,000トンを超える純トン数……60円(改正前:45円)
(2)日本船舶等を用いた対外船舶運航事業等による収入金額に係る所得の金額及び日本船舶等の純トン数に応じた利益の金額について、対外船舶運航事業等のうち認定計画に記載された計画期間内において営むものに係る金額に限定することとされた。
(3)新たな日本船舶・船員確保計画の計画期間における日本船舶の隻数の増加割合要件の見直し等が行われた。

2 株式等を対価とする株式の譲渡に係る所得の計算の特例について、株式交付の直後の株式交付親会社が一定の同族会社に該当する場合には、本制度を適用しないこととされた。

3 認定事業適応法人の欠損金の損金算入の特例は、廃止された。

4 特別新事業開拓事業者に対し特定事業活動として出資をした場合の課税の特例について、次の見直しが行われた。
(1)制度の対象となる特定株式に、購入特定株式が追加された。
(2)増資特定株式について、一の出資により取得した増資特定株式の取得価額の上限が50億円(改正前:100億円)に引き下げられた。
(3)次の株式が、本制度の対象となる増資特定株式から除外された。
① 特別新事業開拓事業者の総株主の議決権の50%を超える議決権を有している法人がその特別新事業開拓事業者の株式の取得をする場合におけるその取得をする株式
② 特別新事業開拓事業者の株式につき本制度の特別勘定を設けている又は設けていた法人がその特別新事業開拓事業者の株式の取得をする場合(その取得によりその特別新事業開拓事業者の総株主の議決権の50%を超える議決権を有することとなる場合を除く。)におけるその取得をする株式

5 農地所有適格法人の肉用牛の売却に係る所得の課税の特例の適用期限が、令和9年3月31日まで3年延長された。

6 投資法人に係る課税の特例における特例特定資産に係る措置について、対象となる投資法人の要件からその設立に際して発行をした投資口の発行価額の総額が1億円以上であることとの要件が除外された上、特例特定資産の取得期限が令和8年3月31日まで3年延長された。

7 産業競争力強化法の事業再編計画の認定を令和5年4月1日から令和6年3月31日までの間に受けた法人が行う現物分配が認定株式分配に該当する場合には、その認定株式分配は株式分配に該当することとし、その認定株式分配でその認定株式分配の直後に現物分配法人が有する完全子法人の株式の数のその完全子法人の発行済株式の総数のうちに占める割合が20%未満となること等の一定の要件に該当するものは適格株式分配とみなす制度が創設された。

8 退職年金等積立金に対する法人税の課税の停止措置の適用期限が、令和8年3月31日まで3年延長された。

六 その他

 次の措置について、公共法人が公益法人等又は普通法人若しくは協同組合等に該当することとなった場合の取扱いについての整備が行われた。

1 研究開発税制
2 地方活力向上地域等において雇用者の数が増加した場合の法人税額の特別控除制度
3 給与等の支給額が増加した場合の法人税額の特別控除制度
4 法人税の額から控除される特別控除額の特例
5 中小企業向けの租税特別措置の適用停止

七 震災税特法関係

 被災代替資産等の特別償却制度について、次の見直しが行われた上、その適用期限が令和8年3月31日まで3年延長された。

1 東日本大震災に起因して事業の用に供することができなくなった建物等、構築物、機械装置又は船舶に代わるもので、その製作又は建設の後事業の用に供されたことのないものの取得等をしてその法人の事業の用に供した場合の措置の対象資産から、建物等、構築物及び機械装置が除外された。

2 建物等、構築物又は機械装置で、その製作又は建設の後事業の用に供されたことのないものの取得等をして、被災区域及びその被災区域である土地に付随して一体的に使用される土地の区域内においてその法人の事業の用に供した場合の措置は、その適用期限(令和5年3月31日)の到来をもって廃止された。

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