税務ニュース2023年10月13日 申告後の仮装隠ぺい等に行政措置導入へ(2023年10月16日号・№999) R6年改正で、現行制度の枠組内にとどまらない“新たな措置”を検討
昨年10月28日に開催された政府税調納税環境整備専門家会合(第9回)では、悪質な調査事例として、①事例1:調査をするための接触を一切拒否された事例、②事例2:調査をするための接触を拒否し、その後所在不明となった事例、③事例3:調査時に資料の提示・提出を拒否・遅延された事例、④事例4:申告後に仮装隠蔽行為が行われた事例、⑤事例5:高額な所得を得ていながら無申告のままとしていた事例、⑥事例6:長年にわたって無申告となっていた事例、の6つの事例が紹介されている。
令和5年度税制改正では、このうち高額所得の無申告事例(事例5)及び繰り返し無申告事例(事例6)に対するペナルティ課税が導入されたところ。具体的には、高額所得の無申告事例については、増差税額が300万円を超える部分に対する無申告加算税を従来の20%から30%に引き上げ、繰り返し無申告事例については、前年度及び前々年度の国税について無申告加算税又は重加算税(無申告)を課される者が行う“更なる無申告行為”に対する無申告加算税又は重加算税(無申告)を、それぞれ従来の20%から30%、40%から50%に引き上げている。
さらに令和6年度税制改正では、申告後に仮装隠蔽行為が行われた事例(事例4)などに対する“新たな行政措置”が検討されることが本誌取材で確認された。税務当局は、調査をするための接触を一切拒否された事例(事例1)や調査時に資料の提示・提出を拒否・遅延された事例(事例3)についても強い問題意識を持っている。例えば、納税者が仮装・隠蔽といった積極的な行為を行わずに意図的に無申告である場合や、申告書の提出後に仮装・隠蔽が行われたとしても、税務当局が、納税者が意図的に無申告であることや申告時の仮装・隠蔽や意図的に申告しないことについて、外部からもうかがい得る特段の行動を認定できなければ、重加算税の対象とはならないからだ。
令和5年度税制改正は、無申告加算税又は重加算税の税率引上げという、あくまで現行制度の枠組み内でのペナルティ強化にとどまっただけに、「新たな行政上の措置」の内容が注目される。
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