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税務ニュース2020年02月21日 Tax Baseは全世界ブレンディングが前提(2020年2月24日号・№824) デジタル課税第2の柱に対する企業側の立場は CFCとの重複等も懸念

  • デジタル課税「第2の柱」、企業側からCFC税制との重複やクロスボーダー取引への影響を懸念する声。
  • Tax Baseを連結財務諸表を起点に算定を行うことについては理解を示すも、その場合には全世界ブレンディングが前提になる旨強調。
  • 受配、評価性引当金、持分法投資損益はTax Baseから除外すべき。

 BEPSプロジェクト包摂的枠組がデジタル課税第1の柱について大枠合意する一方(823号4頁~)、第2の柱(ミニマムタックス)の先行きは未だ見通せない状況にある。
 こうした中、昨年12月にパリのOECDで開催された公聴会では、第2の柱の実現に向け、OECD事務局から、①Tax Base(課税標準の算定(連結財務諸表を起点とした考え方))、②Blending(企業グループをどの単位で捉え、税率計算を行うか)、③Carve-outs(適用除外)、について産業界から意見聴取が行われている。
 日本からは、日本貿易会の2019年度の幹事会社でもある伊藤忠商事の経理部税務室長代行中井 剛氏が登壇し、産業界としての意見を述べている。それによると、低税率競争を阻止するという第2の柱の意図は理解するとしつつも、CFC税制等と重複する部分があることに加え、経済実態を無視して導入された場合、クロスボーダー取引に影響が出ることへの懸念が示された。
 また、Tax Baseを連結財務諸表を起点に算定することには事務効率の観点から理解を示すも、その場合、全世界ブレンディングが前提になると強調している。例えばサブ連結を行っている場合、親会社は孫会社の単体情報を直接把握することができないため、国別・地域別ブレンディングは困難だからだ。一方、事業体別判定については、事務処理の煩雑化を指摘しつつ、企業体別に税率を判定するCFC税制のような仕組みがある国では対応可能とした。
 このほか、Tax Baseを検討する際には、永久差異と一時差異についても考慮が必要とした上で、永久差異が最も大きい受取配当金はTax Baseから除外すべきとの考えを示している。一時差異は税効果会計をベースに検討することが効率的としたが、スケジューリングの観点から恣意性が入る評価性引当金や、持分法投資損益はTax Baseからは除外すべきとした。
 2019年12月の公聴会では所得合算ルールのみが議論されたが、「under taxed payments rule」「subject to tax rule」「switch over rule」も併せて議論しないと正しい結論に至らないとの声も聞かれる。今春に開催されるとみられる公聴会では、これらのルールが統合的に議論されよう。

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