会計ニュース2026年07月31日 のれんの会計処理、非償却は導入せず(2026年8月3日号・№1133) 基準諮問会議、のれん償却前営業利益の情報提供の可否をASBJに提言
財務会計基準機構(FASF)の企業会計基準諮問会議(会計基準の検討テーマなどを審議する機関)は、スタートアップ企業等からの提案を受け、のれんの会計処理の見直しを行うかどうかについて検討を行ってきたが、7月27日の同会議において、一定の期間にわたり償却を行う現行の会計処理を維持する方針を決定した。
のれんの価値の減価を反映するという点では、償却の方がのれんの性質を忠実に反映することや、のれんの非償却を導入した場合には、減損テストの手法や取得原価の配分(PPA)のあり方が大きく変わることにより、のれん以外の資産に影響が及び、見積り範囲の拡大や実務負荷の増大などが生じるとした。また、仮に国際的な整合性の観点から非償却を導入する場合には、のれんの会計処理だけでなく、企業結合会計基準など、関連する領域の会計基準も国際的に整合性のあるものとする必要があり、少なくとも開発期間に3年程度を要するほか、改正基準導入のためのコストも発生すると指摘。企業結合を行わない企業についても広く影響を受けることになるとしている。そのほか、日本基準内での非償却と償却の選択制についても、比較可能性の観点から採用しないとした。
今回、企業会計基準諮問会議では、現行の償却維持を決定したわけだが、これまでの公聴会等で聞かれた意見などを踏まえ、①償却期間及び償却方法の考え方の明確化、②のれん償却前営業利益の情報提供の可否について、企業会計基準委員会(ASBJ)に提言を行うこととしている。①の償却期間については、現行では投資回収期間に基づいて償却期間を決定する実務が行われており、有望な案件ほど償却期間が短くなるとの指摘や、償却方法については、企業結合日の初日から定額法で償却するのは必ずしも実態に合わないとの意見が聞かれている。また、②ののれん償却前営業利益の欄を設けることは、のれん償却費を営業外費用又は特別損失として計上する必要がなくなり、投資家への情報提供の一つの方法になるとしているが、一部には表示を強制することへの懸念も聞かれているため、情報提供が会計基準の改善をもたらすかどうかについて企業会計基準委員会の検討に委ねるとしている。
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