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税務・会計2014年12月16日 資産税制 執筆者:平川忠雄

 資産課税では、平成25年度税制改正において「相続税の基礎控除の引下げ・税率構造の見直しにより相続税の最高税率が55%になるなどの増税改正が行われ、また、贈与税についても最高税率が55%になるなどの改正事項」が、平成27年1月1日以後の相続又は遺贈及び贈与により取得する財産について適用されます。
 一方では、「事業承継税制」の画期的な改正(平成25年度)がなされた見直し措置が、平成27年1月1日以降に適用されます。この改正事項には、中堅・中小企業の事業存続に係る相続税負担など大幅に納税猶予要件が見直されます。一方、アベノミクスによる経済再興の良い影響が株式や地価の上昇に影響することや、中堅・中小企業にも業績向上が及ぶ状況下のこの時期以降において事業承継の税負担の増加が生じることも予測されます。事業承継の資産課税は、相続税・贈与税の動向に大きく影響が生じるとともに法人税・所得税の動向にも敏感な関わりが生じます。まさしく個人・法人がセットとなって適用関係が生じる事業承継においては、複数税目の対応が極めて重要であるといえます。
 税務における資産課税は、一般的には相続税・贈与税関係が注目されますが実務上は資産譲渡などにおいて所得税、法人税、消費税のほか地方税などの複数税目の課税関係が生じることが多いため「クロスセクションの税務」という分野があり、複合的に関連税目の検討が必要になり、関連税目への同時説明も必然的に必要というニーズが高まっています。
 また、資産保有層である中高所得者や事業経営者などには、投資・運用や事業承継などのみならず資産活用のプロセスでの「取得、運用、貸借、譲渡、買換え、交換、相続、贈与等」における複数税目などの課税関係を含めた継続的・多角的コンサルティングが必要といえます。
 また、最近の資産保有や有効活用の実態として、かなり多岐多様なタイプの有効活用・運用を目指した資産活用商品を組成している企業等の「資産マネージメント」の勧奨などにも対応する土地等所有者の方々には「資産マネージメント」にかかわる課税上の取扱いや、有利選択等の実務上の指針を明らかにした参考文献が必要といえます。
 資産課税関係は、税務調査などにおいて申告内容の修正事項が生じますと相当額の追加税額が生じることが多く、納税者の負担感は大きくなるといえます。こうした税目については、事前の多角的検討が必要であり、税理士等の申告業務受託者等は「相当のノウハウと経験を生かす」必要があり、その中において関連する所得税・法人税など他税目との接点や課税関係にも十分な検討が必要といえます。
 「資産をめぐる複数税目の実務」にも明示している「個別事案の当事者・関連税目」は、その税務対応において検討が必要であり、その結果、フルカウントで適正かつ納税者有利の申告納税が可能となります。(著書の記載項目=個人、法人、譲渡所得税、贈与税、消費税、法人税、消費税、財産評価等)
 最近の税制は経済・景況の安定的回復と拡大を目途に従来型の単年度税制改正ではなく、数年度間に適用される改正事項を盛り込んだ大型かつ、連続型の税制改革が進められています。資産を保有する方々は、税制と景況に左右される税制強化又は優遇の判断などと採算性により資産の選択投資の判断を行っています。本書は、これらの実情に対応するべく税務実務参考データのニーズに応じられる参考図書であるといえます。

(2014年12月執筆)

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