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倒産2020年10月23日 特別企画:広告関連業者の倒産動向調査(2020年1月~9月) 出典:帝国データバンク

広告業界の倒産、4年連続増加の可能性も
~年末に向けた新型コロナの影響を警戒~

はじめに
 新型コロナウイルス感染拡大の影響により、多くの業界、企業がダメージを受けるなか、その余波が広告業界にも及んでいる。経済産業省発表の『特定サービス産業動態統計調査』では、4月~6月の広告業売上高の合計は約1兆303億円となり、前年同期から24.4%の落ち込みを見せている。マス4媒体に代わり、近年成長が著しかったインターネット広告においても売上高は前年を下回っており、消費低迷と各企業による広告費の縮減が深刻な状況であることがわかる。広告関連業界は2019年まで3年連続で倒産件数が増加しており、新型コロナウイルスがこの先どのように影響を与えるのか、倒産件数推移への注目度は高い。
 帝国データバンクでは、2009年以降の広告関連業者の倒産動向(負債1000万円以上、法的整理のみ)について集計・分析した。前回調査は2018年11月8日。
※広告関連業者とは、広告代理業、広告業(屋外広告業、その他の広告業)、宣伝物制作サービス業(広告制作業、ディスプレイ業、看板書き業)を主業とする企業
1..件数・負債総額~2020年は4年連続で前年比増加の可能性
 2020年の広告関連業者の倒産件数は、9月末までに108件。負債総額は67億100万円となった。2020年の上半期(1月~6月)は73件となり、前年同期(65件)を上回るペースで推移、その後は件数が落ち着いたものの、2019年の1月~9月累計の107件をわずかに上回っている。
 広告関連業者の倒産は、リーマン・ショックの翌年、2009年の258件をピークに減少が続き、2014年には200件を下回った。その後も減少し、2016年には114件と低水準を記録したが、その後は増加に転じて、2019年まで3年連続で前年を上回っている。10月以降の動向によるものの、前年を上回り4年連続で増加する可能性がある。
2.業種別~「広告代理業」が2020年を上回るペースで推移
 広告関連業者の倒産を業種別にみると、「広告代理業」が57件(構成比52.8%)で最多。次いで、「広告制作業」が31件(同28.7%)、「ディスプレイ業」が12件(同11.1%)と続いている。春以降、広告業界全体で新型コロナウイルス感染拡大による需要減退が続いており、例年最も件数が多く、2020年においても前年を上回るペースで発生している「広告代理業」の倒産件数を押し上げる可能性がある。
3.負債規模別~「5000万円未満」が最多
 広告関連業者の倒産を負債規模別にみると、「1000万-5000万円未満」が74件(構成比68.5%)で最多。以下、「5000万-1億円未満」が17件(同15.7%)、「1億-5億円未満」が16件(同14.8%)と続いた。
 「1000万円-5000万円未満」は、2009年時点では全体の半数程度であったが、近年は7割前後まで上昇。対して、負債10億円を超える倒産は2020年には発生しておらず、50億円以上に至っては2011年から発生していない。体力に乏しい小規模事業者を中心に倒産が発生している。
4.まとめ
 2020年の広告関連業者の倒産は、9月末までで108件。前年をわずかに上回るペースで推移しており、4年連続して前年比増加の可能性がある。新型コロナウイルス感染拡大の影響は、広告業界にも暗い影を落としており、すでに広告関連業者の新型コロナウイルス関連倒産は6件確認されている。帝国データバンクの実施している景気動向調査においても、飲食店、アパレル関連業者、旅館・ホテルなどに次いで、景況感は悪化しており、ダメージの大きさが見て取れる。今後、倒産件数の増加が懸念されている。
 他方、今回の新型コロナ禍において、固定費率が高い業種ほど、倒産が増加しやすい傾向がみられる中で、広告業界は比較的固定費率が低いことが急増に至っていない要因とみられる。また、景気変動の影響を遅れて受けることが多いとされる業界であるため、年末にかけて倒産が増加する可能性を抱えており、小規模事業者を中心に引き続き倒産動向に注視が必要であろう。
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